コンテンツへ

田端(気仙沼市)

─被災前の営業はどちらで行われていましたか。

梶原芳昭様、梶原浩之様右から梶原芳昭様、梶原浩之様

 工場と自宅が、唐桑町明戸の海辺近くにありました。ちょうど、仮設施設から100mほど先にあり、養殖場での仕事に便利なロケーションでした。

 

─お取り扱いされていました商品・サービスやお仕事の内容をお聞かせください。

 ワカメとコンブの養殖・加工を主に、ホタテの養殖も行なっていました。特に、唐桑産のワカメはその品質の高さと味に定評があり、市場で高値がつくことも珍しくありません。唐桑地区では例年3月20日前後に収穫を行い、塩漬けワカメに加工して出荷しています。

 

─被災の状況をお聞かせください。

 地震の揺れを感じてすぐに家族を山手の方へ避難させ、私は船で海に出て被害を免れました。まさかここまで波は来ないだろうと思っていたのですが、想定以上に大きな津波が押し寄せ、建物すべてを流し去りました。
 残された基礎部分を目の当たりにした時はとてもショックでしたが、それ以上に、今まさにワカメの収穫を控えていた矢先だったので、もうこの仕事はやめてしまおうかとまで考えました。
 

 

─仮設施設の入居申し込みをされた時のお考え、希望などお聞かせください。

田端工場前
 すべてを流された後、瓦礫の中にあった胞子の入ったメカブから、祈る気持ちで採苗を行い、養殖ロープにワカメの苗をくくり付けて設置しました。果たしてうまく生育するか分からない不安な気持ちで片付け作業を行なっている中、仮設施設の応募の話を本吉唐桑商工会の方から案内を受けて、ダメで元々と思いながら申し込みしました。
 ワカメの成長が確認できた後は、とにかく収穫と加工の準備をしなくては、と心が逸る思いでした。塩蔵ワカメを製造するポンプや釜などは流されてしまったので、また買いそろえなければいけなかったのですが、またこの仕事ができる喜びの方が大きかったですね。
 

 

─仮設施設に入居されて、希望、きっかけとなったお考えを実現出来ていますかお聞かせください。

 事前に、設計士の方と綿密な打ち合わせを繰り返したので、ほぼ思い通りのレイアウトの工場が完成したと満足しています。作業に必要なスペースを十分に確保し、用途応じた区分けもできているので、塩蔵ワカメの製造にピッタリの仕事場となりました。
 ワカメの生産量も、ここ唐桑では例年通りまで取り戻せそうです。目前にした収穫の日が、本当に待ち遠しくてたまりません。

 

─今後の展望、将来に対するお考え等をお聞かせください。

田端外観
 まずは、ワカメの生産を安定化させて、経済的にも今よりもっと良い状態にしていきたいと思っています。そして、これを足がかりに、海の状態も回復してくれば、三陸ならではの味覚であるカキやホタテの生産も行なえるようになるのが理想です。
 そして、地元唐桑の漁師たちに、かつて以上の活気と元気が戻ってくるように願っています。
 

 

【入居仮設施設】

平成24年3月15日取材

企業データ

住所:宮城県気仙沼市唐桑町明戸206-3
名称:田端

 

揚げたてコロッケ屋