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あさひ鮨(気仙沼市)

─被災前の営業はどちらで行われていましたか。

あさひ鮨・村上良恵様あさひ鮨・村上良恵様

 「あさひ鮨」の本店として、南町海岸に程近い南町一丁目に店舗を構えていました。
 創業は昭和42年で、今年で45年目。現在の場所に鉄骨三階建ての店舗を建ててからは、一関や古川、仙台市内と仙台駅3階に支店を作り、今に至ります。

 

─お取り扱いされていました商品・サービスやお仕事の内容をお聞かせください。

 創業当時からの江戸前の味はそのままに、地元・気仙沼の海で水揚げされた豊富な魚介を味わえる寿司を提供しております。
 熟練の職人が手がける「にぎり」をはじめ、彩り豊かな「ちらし」や、贅沢にマグロの身をあしらった「どんぶり」も好評。また、気仙沼名産のフカヒレをネタに使った豪華な「フカヒレのにぎり」が、特に県外の観光客に人気を集めていました。

 

─被災の状況をお聞かせください。

 鉄骨構造の丈夫な建築だったので、大きな津波の威力でもかろうじて躯体は残っていました。ただ、海水が2階の1.5メートルまで上がってきましたので、調理場と2階座敷は激しく損壊。鉄骨部分も塩水に浸かってしまったので、現在は完全に撤去してしまいました。
 

 

─仮設施設の入居申し込みをされた時のお考え、希望などお聞かせください。

 中小機構から仮設店舗の説明があり、社長は、自分の店よりも、南町の方々のために仮設店舗を造ることが第一だと考え、その働きかけに一所懸命に尽力していました。そして、周りの状況が落ち着いて余裕ができたら、「あさひ鮨」の寿司を食べに来てほしいと思っていたようです。
 

 

─仮設施設に入居されて、希望、きっかけとなったお考えを実現出来ていますかお聞かせください。

あさひ鮨店内
 やはり、寿司屋らしい店構えで、「あさひ鮨」の味をお客様に楽しんで欲しいという気持ちはありました。この仮設店舗の内装を手掛けたのは、以前、本店を建築した信頼ある工務店なので、震災前に近いお店の雰囲気になっています。
 そして、2階上層部から上の部分で、水に浸からず無事な建材を持ち帰り、この店舗に活用しているのも特徴です。例えば、カウンターの上の装飾に使っている欄間も、本店の2階にあったものを装飾的に使っています。メニュー構成も以前とほぼ同様ですので、仮設店舗といえども、本格的な寿司を楽しめるようになっています。
 食材の面では、大きな不安を抱えたままの営業スタートでしたが、海産物はどうにか納得のいく品質のものを揃えることができました。また、この店舗になってから来店してくださったお客様に、「シャリの味が変わっていない」という感想をいただいた時は、本当にうれしかったですね。大幅に縮小しての営業ですが、震災前にいらしたお客様にも、「おいしかった」と喜ばれるのが何よりも励みになります。

 

─今後の展望、将来に対するお考え等をお聞かせください。

あさひ鮨店内
 早く本店を再建させたいというのが正直な気持ちではありますが、これからこの町がどのようになってくるのか、まだ全く見通しのつかない状況にあります。やはり、外からお客様を呼べる活気のある街にしたいと思います。
 行政による今後の指針が固まり、南町や魚町といった気仙沼市の経済や産業を支える街並の復興をまずは目指して、それから「あさひ鮨」本店の未来を築いていければと考えています。
 

 

【入居仮設施設】

平成24年3月15日取材

企業データ

住所:宮城県気仙沼市南町一丁目77−2他
名称:(株)あさひ鮨

 

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