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境田自転車商会(大槌町)

-被災前の営業はどちらで行われていましたか。

境田自転車商会 境田隆一様境田自転車商会 境田隆一様
 海岸から約500メートル離れた、1階が店舗、2階が住まいの自宅で自転車・バイク販売・修理業を妻と二人で営業していました。店は私が三代目で大正11年の創業です。古くからの地元のおなじみさんや、町内の学生さんたちに多くご利用頂いていました。

 

-被災の状況をお聞かせください。

 地震の時は店にいました。家が壊れるのではないかと思うくらいのすさまじい揺れは、今までに体験したことがありませんでした。店の商品は散乱し立っているのがやっとでした。地震が収まり間違いなく津波が来ると感じ、高台へと避難しました。高台から津波が町をのみ込んでいく光景が、否が応でも自分の目に入ってきました。その中で自分の家が波に流されていくのを目の当たりにして、もうこの先、人生はだめだと思いました。
 

 

-仮設施設の入居申し込みをされたのはどのようなお考えからですか。

境田自転車商会
 翌日、家が流されたのは自分でも解ってはいましたが、何か生きてきた証があるのではないかと家の近辺を探しましたが、何も見つからず、工具一つすら出て来ませんでした。避難所生活をする中で様々な支援を受けました。日常生活の足にもなる自転車も少しずつ配られ、パンク修理等のお願いもされましたが、工具すらなく何もしてやれない自分に苛立たしさを感じていました。
 じっとしているわけにはいかず、東京に住む息子から工具を送ってもらい、やっと車でパンク程度の移動修理を始めました。仕事を再開でき、少し先が見えてきた思いでした。そんな中、7月に商工会さんから仮設店舗の話を伺い、また一歩前へ進めると思いすぐさま申し込みました。

 

-仮設施設に入居し事業を再開されて、どのようなお気持ちですか。

 改めて店を構えることが出来て、本当にうれしいです。品数はまだまだ十二分ではありませんが。前の店と同じくらいの商品を陳列出来るスペースに満足しています。売上も少しずつではありますが上向いています。また、財団法人自転車産業振興協会からは自転車20台と、岩手県自転車商業協同組合からは資金の一部支援も頂き、さらには立派な店舗もお借りでき、みなさんに感謝しております。

 

-今後の展望、将来に対するお考え等をお聞かせください。

境田自転車商会外観
 前の場所でプレハブでも良いので、店を再開できればと考えてはいますが、町の計画などでおそらく難しいと思います。今の仮設店舗で基盤を造り、3年後くらいには地元を離れず町の復興計画を見ながら、町の人が集まる所で本設店舗への移行を考えています。
 

 

 

【入居仮設施設】

平成24年3月5日取材

企業データ

住所:岩手県上閉伊郡大槌町大槌第23地割9番(大槌北小学校校庭)
名称:境田自転車商会

 

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