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新里商店(釜石市)

-被災前の営業はどちらで行われていましたか。

新里商店 新里正也様新里商店 新里正也様
 釜石市浜町で、明治創業以来、酒類・米・灯油・たばこ販売を商いとし自分で4代目です。海からは100メートル位に位置する3階建ての自宅兼店舗で、古くから地元の方々にご利用頂き、両親、私たち夫婦4人で商売していました。

 

-被災の状況をお聞かせください。

 地震の時は配達中でお得意さんのお宅にいました。強い揺れが収まるのを確認して、急いで店に戻りました。店に居た母は地震後、すぐさま高台に避難して、自分も最後に軽トラックを移動させようとしたその時すでに、側溝からものすごい勢いで波が吹き上げていました。
 急いで軽トラックに乗り込みバックミラーを見たら、津波が迫ってくるのが確認でき、急いで車を走らせ危うく難を逃れました。父親は消防団員だったので、いつものように消防車で防波堤の門閉確認を何カ所か行い、屯所に消防車を置いて避難誘導を行った後、バイクで店の手前まで来たら、津波が押し寄せて来るのが見え、慌ててUターンして、波に追われるように高台に向かい、高台の近くでバイクを捨て、無我夢中で駆け上り無事でした。その後、店の確認に行きましたが、かろうじて3階は残っていましたが1階、2階は鉄筋だけが残るだけで、ただ、唖然とするだけでした。
 

-仮設施設の入居申し込みをされたのはどのようなお考えからですか。

新里商店
 親はもう商売は辞めると言っていましたが、自分としては常連さんの再開の声もありましたし、4代続いた店をここで終わらせたくない気持ちもあり、もう1度やりたいという強い思いはありました。何も無くなってしまったのなら、ピンチをチャンスに変えてやるとの思いで、不安も様々なハードルもありましたが、本気で再開を考えました。資金もさることながら、どこに店を構えるかが1番の問題でした。そんな時、今回の釜石市と中小機構で作る仮設店舗の話があり本当にありがたかったです。

 

-仮設施設に入居し事業を再開されて、どのようなお気持ちですか。

 まずもって店を再開できたのは、本当に嬉しいです。当初、以前の店と同じ商品で再開しようと思いましたが、仮設住宅の目の前でもあり、皆さんがいろんなものを必要とすると考え、様々な品を陳列する、今の形に変えました。灯油販売も以前のお得意さんを含め少しずつ増えてきています。予想以上に忙しく、ありがたく思っています。一時は、避難所生活でだいぶ元気をなくした父でしたが、店を再開してからは、また元の元気がもどってきました。諦めなくて本当に良かったです。仮設店舗に入れたことに感謝しています。

 

-今後の展望、将来に対するお考え等をお聞かせください。

復興天神15商店街
 仮設店舗で商売を再開して、自分たちの先も見え始めてきました。海と共に生きてきた自分たちには、やはりこの場所で生きて行くしかありません。いずれは、この土地で店を持つことを目標に商いを続けます。津波には負けません。
 

 

 

【入居仮設施設】

平成23年12月14日取材

企業データ

住所:岩手県釜石市天神町5番17号
名称:新里商店 

 

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