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山口特殊工業(新地町)

-被災前の営業はどちらで行われていましたか。

山口特殊工業 佐藤国雄様山口特殊工業 佐藤国雄様
 福島県新地町埒浜(らちきはま)でメンテナンス専門の仕事をしていました。電力関係の機械メンテナンスや県の浄化センター、製紙工場のメンテナンスなどが主で、船の機械も少し販売していました。

 

-被災の状況をお聞かせください。

 ちょうどその日に限って午前中から事務所で書類の整理をパソコンでしていました。朝から何度か地震の揺れがきていたので、「かあさん、津波来っかしんねど(津波が来るかもしれないぞ)」と話していました。午後2時半過ぎ、カシャカシャと音がして大きい揺れが来たので、これは津波が来るなと思い、急いで車にエンジンをかけ、妻をのせて、飼っていた2匹の犬の鎖をはずして庭に離し、地区のコミュニケーションセンターに逃げるのがやっとでした。コミュニケーションセンターから、みるみる自分の住んでいたあたりに、水があがっていくのが見えました。
  「もたもたしてたらダメだったね」。「社長のとこは浜から近くて本当は津波に一番先にやられたかもしれないけど、津波くんのわかってたんすか?」と社員や地区のみんなに言われましたけど、もうずいぶん前から地震きたら津波来るって頭に入れてたもんで、命が助かったんだと思います。
 津波に全部流されて、40年近くためていた物も、仕事の道具も一つもなくなってしまいました。
 

-仮設施設の入居申し込みをされた時の希望などをお聞かせください。

山口特殊工業外観
 この話をいただいた時、「待ち遠しくて早く入居したい。こんなひどい震災、津波の中で助かった命だもの、とにかく頑張っていこう」と思いました。妻の具合が悪いもんだから、民間のアパートを借りて入っているんだけども、そこに仕事の車や人が来るとまわりにも迷惑かけるんで、ここ仮設事務所で仕事が始められることを従業員もみんな喜んでくれました。「社長、何年ここさ置いてもらえるの」と言っています。新地町さん、中小機構さん本当にありがとうございます。

 

 

-仮設施設に入居され、希望を実現できていますか。

山口特殊工業
 従業員は朝5時に現場にでていって、夕方7時半ごろに帰ってきます。この場所は、北へ行くにしても南に行くにしても6号線が近く便利でいい所です。引っ越したばかりで、まだお客さんが、この場所の住所がよくわからないので、周知させて仕事を受けていきたいです。看板をつけるといいなとも思っています。うちの会社は、クレーン運転、高所作業運転、ボイラー取り扱い技能など多種にわたる資格のいる専門職なのですが、放射線を心配して避難している人もいて、現在人集めに苦労しています。

 

 

-今後の展望、将来に対するお考え等をお聞かせください。

 今の所、機械や道具類などは全部仕事をいただいている現場に置いている状態です。国道6号線近くなので、仙台方面、南相馬方面、どちらに行くにしても便利な所で、ここ新地町から離れたくないです。いずれは、機械類がおけて、機械加工もできるちっちゃな工場でもできたらいいなと思っています。
 
 

【入居仮設施設】

平成23年12月13日取材

企業データ

住所:福島県相馬郡新地町駒ヶ嶺字今神西1番15
名称:(株)山口特殊工業(仮設事務所・店舗)

 

M.Kフーズ