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第3回 上海で活躍する中国ITベンチャー

 ソフトウェア開発を行う中国ベンチャー企業の話題が一時期盛んに報道されましたが、ここ数年、上海では若年経営者によるITベンチャーが続々登場しています。


 祝月萍氏は、2000年9月に上海麟東計算機有限公司を設立。日本のソフトウェア会社に勤めたことがあり、上海駐在時の外注管理の経験をもとに起業しました。自分の企業であれば、流動的な人材を上手に活用し、日本式の経営管理を行うことで顧客満足度の高い仕事が受注できるとの判断です。


 日本におけるソフト開発はコストが見合わないのが現状で、今後ますます人件費の安価な中国へ外注される見通しです。そこで現在10名の社員は、将来的には20名まで増やすつもりです。


 ところで先日、3 Win Club(上海地区情報産業ベンチャー総誼会 http://www.3winclub.com)という、上海で活躍するソフトウェア開発の中国系ベンチャー約30社の会合に参加しました。名称の3は多数を表し、皆でWinできるような気楽な組織を目指す、20〜30代を中心とした若手経営者と関係者、総勢50名ほどの集まりです。


 日本のソフトウェア産業の現状を学び、今後の中国でのソフトウェア開発の見通しについて活発な意見交換が行われました。会議の使用言語を心配しましたが、運営は日本語。日本語対応能力の高さが納得できました。


 この会の特徴は、日本との密接な関わりにあります。メンバーの多くが、日本への留学後に日本のソフトウェア会社に就職し、帰国して上海で独立した経営者で、ほぼ全員日本語を話します。


 会の発足は01年9月です。発起人の一人である無錫華陽軟件有限公司総経理の盧九評氏によれば、初めは若手起業家同士の悩みを相談し合う場であったとか。14人でスタートしたメンバーは徐々に拡大。今ではビジネス上のつながりも持ち始め、趙明氏が経営する上海兆虹信息技術有限公司を軸とした海外からの共同受注も機能し始めているそうです。


 上海申瀛軟件有限公司の張回明総経理は、起業後、かつて日本で勤めていた企業から業務を受注しています。また、杭州東忠軟件有限公司は、主催者の一人である凌晨氏が経営する日系現地法人。メンバー企業の多くは日本から仕事を受注しています。発注側からは、日本企業での業務経験を活かした、痒い所に手の届く開発が嬉しいと評価されているとのことです。


 02年度の日本の情報サービス業の売上高は、前年同月比で減少に転ずる月があり、年度決算でも収益が軒並み減少しているようです。その一方で、上海のソフトウェア産業は、オフショア開発を背景とした海外からの受注チャンスに恵まれ、向こう2〜3年間は拡大傾向です。


 参加企業の経営者の顔色も明るく、皆さん元気とパワーに溢れているといった感じでした。

3 Win Clubをご紹介頂いた萬里紅氏(前列左から3番目)一同と(後列左端が山中駐在員)

3 Win Clubをご紹介頂いた萬里紅氏(前列左から3番目)一同と(後列左端が山中駐在員)