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2月 中国中小企業施策のダイナミズム

 本年2月、首都北京において3日間にわたり「日中中小企業施策研討会(セミナー)」が開催されました(2/25(木)〜27(土)主催中小企業事業団、後援通商産業省、中国国家経済貿易委員会、日本国大使館、協力(財)日中経済協会、協賛国際協力事業団)。参加者は中国側から国家中央をはじめ各省の中小企業施策担当者及び金融関係者等が集められました。 昨年11月の首脳会談の際に示された日中両国間の協力に係る具体策のうち日本の対中国「中小企業支援5カ年計画」のトップを切って 開催された形になります。


(日本側講師)


◇高橋晴樹中小企業庁計画部長「日本の中小企業の発展状況及び中小企業基本法のアウトライン」
◇藤本隆司中小企業金融公庫経営情報部長「日本の中小企業の金融施策(融資制度)」
◇志村和幸中小企業信用保険公庫調査部長「日本の中小企業の金融施策(信用保証制度)」
◇中村吉宏岡山県工業技術センター所長「日本の公設試験研究機関による中小企業の技術開発支援」
◇平松博久中小企業事業団理事「中小企業事業団の事業」
◇青山和正中小企業事業団指導部主席研究指導員「日本の中小企業に対する診断指導」「日本の中小企業の構造改善対策としての高度化融資事業」


(中国側講師)


◇衛東国家経済貿易委員会中小企業司長「中国の中小企業の発展状況と政策」


 中小企業支援5カ年計画とは、日本政府が中国の中小企業発展に協力、わが国の中小企業振興施策、人的資源及び経験等をそれらに活用するというもので、同セミナーを皮切りに、AOTS((財)海外技術者研修協会)による経営指導者の育成研修事業やJETROによるサポーテイングインダストリーの技術指導事業、JICAによる金融システム構築支援等が行われることになっています。


 従前、計画経済下の中国では国有大企業の発展が重視され、国有でない私営企業、特にその大部分たる中小企業は殆ど顧みられずに永い間野放図な状態が続いて来ました。結果、それら企業の設備は旧態依然、人材も乏しく技術革新力も脆弱、日本の様に大企業と中小企業との産業連鎖構造も存在せず、信用も低いため融資を受けることも困難な状況を余儀なくされて来ました。しかし改革開放後、市場経済化の進展に伴いそれら企業は活気付き、今や国民経済の発展にとっても欠くことの出来ない存在として認識されるに至りました。


 斯様な状況下、昨年7月、国務院は“中小企業司”の設立を決定、建国以来初の中小企業行政専門機関が発足しました。中央政府職員定数の削減と行政機構のスリム化を進める中、敢えてこの様な機関を設けたことは社会主義市場経済の発展充実に果たす中小企業の役割に対する期待の大きさそのものとも言えます。


 更に、本年3月5日から開催された第九期全国人民代表大会(全人代)第二回会議では、私有経済の法的保証、即ち私営企業を「社会主義市場経済の重要な構成部分」として認知する憲法改正案が上程可決されました。これにより私有企業が社会主義市場経済に果たす資本主義的な役割が実態追認されたことになります。中国中小企業はいよいよ中国経済の正に表舞台に引き出されたことになります。日本政府の対中国「中小企業支援5カ年計画」が少なからず功を奏することが期待されます。


日中中小企業施策研討会(セミナー)

日中中小企業施策研討会(セミナー)