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7月 上海の若者の就職志向

 この20年間、対外改革開放政策の実施をきっかけとして中国の経済は未曾有の発展を成し遂げました。特に上海は、経済発展都市のシンボルとして最も注目されています。

 1980年代までの上海は、中国の他の都市と同様、未だ計画経済のもとにありました。もちろん、当時の若者達の就職も同様でした。当時は各人が本当に興味を持っている会社を選択することが出来なかったのです。若者達の唯一の願いは、福利厚生が充実して、住宅の配給にも便宜の良い大型の国有企業に入ることでした。


 しかし80年代に入り、中国は改革開放政策を実施し、多くの外資系企業が中国に進出して来ました。そして、改革開放の進展とともに中国の国有企業も大規模な改革を行い、実質的に計画経済から市場経済への転換を果たしました。医療保険なども従前は、各国有企業が独自に対応(病院指定制)していましたが、改革開放後は本格的な保険会社が設立され、一般的には患者の医療費の85%は保険会社が負担、残り15%の半分ずつを会社と個人が負担するようになりました。さらに、昨年から福祉住宅分配に代わり住宅の商品化が進んだ(上海市内環状線の中で3,000〜6,000元/m2)ことにより、住宅購入に伴う消費の活性化には寄与したものの、従来の国有企業のメリットはますます失われました。


 それに代わって、改革開放により進出に拍車がかかる外資企業は、給料も高く、自信や能力なども十分に発揮出来ます。現在、上海浦東地区には世界的にも有名な多国籍企業が続々と進出しつつあります。この様な背景もあり、上海の若者で外資系企業に就職を希望する者が今後ますます増える見込みです。


 現在、外資系企業に勤務している人はだいたい2とおりに分けられます。ひとつは、外国に留学経験を持つ帰国者。そしてもうひとつは、現地大学卒業者です。これらにはそれぞれの長所短所が有ります。前者は相対的に経験が豊かで、職務キャリアが長く仕事への考え方や取り組みも各企業の外国人駐在員に近いようです。しかし、年齢的にはやや高くなりその分給料も割高になります。一方、後者は、中国独自の専門的な教育を受け入れた者で、年齢的にも若く受容能力も高い、ただ前者と比較して、やや定着率が低いように思われます。


 上海市対外服務有限公司(1984年設立。上海市政府が指定した外資企業に対する人材派遣専門会社)の統計によると、1999年末までの累計で、外資企業への人材派遣は2万人以上。うち日系企業だけで3,748名、678社に派遣したとのことです。派遣者の一部は日本に留学経験を持つ帰国者で、一部は大学の日本語学科の卒業生、他ごく少数ですが独自に日本語を勉強した人も含まれます。


 現在、日本語学科を開設している上海の大学等教育機関は以前の6ヶ所から9ヶ所に増えました。上海外国語学院、上海大学、上海華東師範大学、上海対外貿易学院、復旦大学、上海交通大学、同済大学、上海水産大学、上海旅遊高等学校などです。それらの新規卒業者は毎年約250人程度ですが、今後,就職戦線はますます厳しくなることが見込まれます。

(文/張 美華(上海事務所アシスタント))

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「JASMEC上海」現地スタッフの張 美華です!