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4月 APEC国際会議開催に向け100の英単語を覚える

 赴任後1年9ヶ月を経過。このたび保養休暇を獲得、桜花舞う日本で新年度を迎えました。東京の空気は清浄で、空は蒼く濃く、そこここに見るもの見るものすべて色鮮やかに目に写りました。多少の思い入れも込めて、これが上海帰りの筆者の率直な感想です。


 わが国経済再建に必死の努力を続けて来られた小渕総理が無情にも突然の病に倒れたのも筆者帰国中の出来事でした。その無念の胸中、察して余りあるものが有ります。少し前、まだ健在であった頃、小渕総理は、政治・経済のグローバライゼーションが急速に進む昨今の情勢下、わが国における英語の第二公用語化推進を主唱しておられました。しかしながら現状、世界におけるわが国の平均的な英語能力の低さは周知のとおりで、筆者の記憶では、たしか昨年でしたか、アジア地域を対象に毎年実施している英語能力テストの結果、万年最下位をようやく抜け出したとかしなかったとか…。わが国言語がよほど英語とは相性が悪いのか、学習努力が足りないのか、いずれにしても世界的にみて相当低いレベルであることは確かな様です。


 先日目にした、上海「解放日報」の掲載記事から−


 〜APEC国際会議開催に向け100の英単語を覚える〜

 「上海市APEC国際会議トレーニングイヤー」が本格的に始まった。
昨日、わが上海市民がAPEC国際会議を迎え入れるに当たり、「100の英単語を覚える活動」のオリエンテーションが行われた。
周慕尭副市長によれば、APEC国際会議の機会を借りて上海市で開催される大型国際会議や諸外国との活動の場におけるサービスレベルの向上をめざし、市民の素質と都市としての文明レベルを高めることをねらいとしたもの。
 来る2001年10月、APEC国際会議がここ上海市で開催される。APEC21ヶ国のメンバーが上海市に集まり、アジア太平洋地区の貿易、投資、経済合作の発展について検討する。この会議の開催に当たり上海市を訪問する外国人は10,000人弱との見込みである。上海市全体でこの会議開催に携わるスタッフの人数は数万人に登ると見込まれている。
 上海市における改革開放の成果と国際都市としてのイメージを十分にアピールするべく2000年と2001年は上海の「APEC国際会議トレーニングイヤー」とし、上海の英語レベルを早急に訓練し向上させる考えである。APEC国際会議を迎えるために100の英単語を覚える活動の内容は、常用交際英語をメインに標準語と文明礼儀常識(マナーとでも訳しておきます−筆者)の学習を行うというもの。一般市民は、主に標準英語100語を学習する。商業、旅行業、公共交通、地下鉄などの従業員とタクシーの運転手、公安及び会議ゲストの応接関係者はそれぞれの業務あるいは職場と関連する英語及びサービスマナー並びに外交政務礼儀(プロトコールですか−筆者)も学習する。
 聞くところでは、上海市は各形式の学習活動を計画的に行う予定である。標準英語100語学習コースあるいは英語コーナーを設けるといった具合である。実施に当たってはボランテイア英語教師団を組織し、英語スピーチコンテストなども開催する。本件についてはテレビ、ラジオ、新聞などのメデイアを活用して広報活動を行う。市民の文明礼儀、応接礼儀常識に関連したテーマのテレビシリーズなどを製作放映し本活動の順調な展開を推進する。
(以上「解放日報」4月16日付)


 英語力に関しては、先ほどの能力試験の話ですが、確か、中国は韓国と並んで上位に付けていたと記憶しています。実際、こちらにいて、英語を流暢に話す中国人とは多数接する機会があります。中国では早いところでは幼稚園から、普通でも小学校3年生から英語教育を取り入れています。文法的な語彙の配列も然りですが、一般に日本語には無いR(舌を丸めたアール)の発音ですとか、中国語には英語と共通する要素があり中国人にとっては比較的学習が容易な言語のようです。因みに100の英単語という言葉の意味ですが、ただ単に「100個の」という意味ももちろんありますが、中国語の表現習慣から考えて「たくさん」のというニュアンスで捕らえた方がより本来の意味に近いのではないかと思います。


 それにしてもご紹介した記事の様に全市をあげた取り組みというのは日本ではあまり見られないことですし、改革解放が取り敢えず順調に推移するなかで、WTO加盟(予定)、APEC国際会議開催への取り組みと世界に向けたこの国の意気込みを感じさせられます。