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第14回 在米中小企業法人は堅実かつ意欲的

 テロの再発懸念や米英軍のイラク攻撃、さらにはSARSの発生・拡大など、ここのところの海外事業展開には、グローバルな不安定要因が重なり、セキュリティ管理面でかつてないほどの厳しい環境に見舞われています。また、米国においては、今年後半以降になって景気回復が加速する、との楽観論が出始めているものの、なお引き続き景気低迷のリスクがぬぐえません。

 このような中、当ニューヨーク事務所が米国で展開している日系中小企業(現地法人)に対して行ったアンケート調査(在米日系中小企業経営実態調査:2003年2月実施)によると、在米の現地中小企業法人は、米国景気の停滞傾向の中にあっても、総じて利益を確保しており、進出以来の業績に対して肯定的な評価であるほか、今後の事業拡大に関しても全般に意欲的な姿勢であることがうかがえます。(図1、図2参照)

図1アンケート結果 設立当時の目的に対する業績達成度

図1アンケート結果 設立当時の目的に対する業績達成度

 このことは、北米の現地法人(大企業を多く含む)が、全体として、売上は伸ばしているものの経常利益を大きくダウンさせ、海外拠点の再編・集約化を進めている傾向にある(経済産業省「2002年海外事業活動基本調査」より)ことと比較して、むしろ堅実な実態であるといえます。


 一方、その現地法人を支える日本人管理者たちもたいへん意欲的です。

図2アンケート結果 今後の事業の拡大方向

図2アンケート結果 今後の事業の拡大方向

 当ニューヨーク事務所が本年5月、在米の日系中小企業現地法人の管理者を対象にシカゴで開催したネットワーキング・セミナーには総計35名の日本人管理者の方々が全米各地から参加されました。組織のマネトワーキング・セミナーには総計35名の日本人管理者の方々が全米各地から参加されました。組織のマネジメントや米人とのコミュニケーションなどに関する講演に加えて提供された参加型のディスカッションの場では、厳しい環境の中で日々格闘している管理者の方々が、各自の悩みや抱えている問題点をお互いにぶつけ合い、講師や他の参加者から何か一つでも解決の手がかりを探し出そうとする、積極的な姿勢が多く見受けられました。また、他の参加者とのネットワークづくりにも大変熱心に取り組んでいました。

セミナー風景(参加型のディスカッション)

セミナー風景(参加型のディスカッション)

 前出のアンケート調査でも、親会社への期待として、「米国市場向けの製品・サービスの充実」、「現地へのさらなる権限委譲」などの要望が多いのに加え、「現地会社に頼らない財務体質の改善」「親子の分担の遵守」などを求めるなど、現地会社から親会社にたくましく発信するコメントも目立っています。現地法人の業績をますます伸ばしていくために、意欲的な在米の管理者が現地での意欲を損なうことなく、果敢に事業展開を図れるような環境が十分に与えられることを期待しています

セミナー風景(参加者同志の情報交換)

セミナー風景(参加者同志の情報交換)