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第11回 テロ対策で外国人管理も強化

 昨年9月11日の同時多発テロから10ヶ月。ロウアー・マンハッタンのワールド・トレード・センター(WTC)ビル崩壊現場(グラウンド・ゼロ)での瓦礫の撤去作業は、24時間無休の総動員体制のおかげで、当初1年以上かかるとみられていた期間が大幅に短縮され、5月末をもって終了となりました。これを節目として今後は、同ビル跡地の再開発とマンハッタン南端部地区での復興事業に本格的に重心が移ることとなります。


 テロ後のアメリカにおいては、アフガンへの武力行使、空港や公共施設などでの厳重なセキュリティチェックなど、テロ撲滅のための安全対策の強化に多くの労力と国家予算が費やされています。そしてその一環として、最近、米国に入国または米国で就労・就学する外国人に対する審査や監視なども徐々に強化されようとしています。

撤去作業が終了したグラウンド・ゼロ

撤去作業が終了したグラウンド・ゼロ

 これまで伝えられている主なものとしては、


○ 商用ビザ・観光ビザの入国後の滞在期限が短縮(B1ビザの場合、最長12ヶ月→最長6ヶ月など)


○ ビザの新規・変更申請における審査期間が長期化、


○ 入国審査が強化(入国目的が合法的であることを補強する証明書類の提帯が望ましいなど)、


○ すでに米国内に居住する外国人が今後米国内で引っ越した場合、10日以内に新住所を移民局(INS)へ報告する義務を徹底(これを怠ると逮捕・国外追放または刑事上の刑罰が科される可能性)、


○ 来年秋以降、米国への入国者に、指紋・網膜・顔の形態スキャンなど身体情報がインプットされたデジタル・ビザを含む最先端入国関連書類の所持を求める新制度が施行予定、


などです。


 これらの政策変更は、むろんテロ防止と国内の安全対策の徹底を図るためのものですが、合法的な入国・滞在に対する過度な規制だとしてこれを懸念する向きもあります。


 これまでのところ、米国内の日系企業に直接大きな影響はありませんが、今後さらに対策が強化されると見込まれる各種の対策が、日系中小企業のビジネスに深刻な影響を及ぼすことがないよう望まれます。

空港での厳重なセキュリティ・チェック

空港での厳重なセキュリティ・チェック