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省エネルギー法の概要

1.省エネ法とは

 昭和54年に制定、施行された「エネルギーの使用の合理化に関する法律」(省エネ法)は、熱管理法を前身とする法律です。
 その目的として、省エネ法第1条に、「内外におけるエネルギーをめぐる経済的社会的環境に応じた燃料資源の有効な利用の確保に資するため、工場等、輸送、建築物及び機械器具についてのエネルギーの使用の合理化に関する所要の措置その他エネルギーの使用の合理化を総合的に進めるために必要な措置等を講ずることとし、もつて国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする」と謳われています。
 

省エネ画像

2.省エネ法の改正履歴

 「内外におけるエネルギーをめぐる経済的社会的環境」とは、1973年の第1次石油危機以降のエネルギー情勢の変化と1970年代からの大気汚染問題や1990年以降の地球温暖化問題を指しているものと思われます。そして、経済的社会的環境の変化に対応し省エネ法は改正が繰り返されています。
 2011年の東日本大震災に端を発した電力供給量の不足は、供給量と使用量を一致させることが必要であり、使用量だけでなく時間や時間帯を考慮し供給側の事情を考慮して使用することの重要性を理解する契機となりました。最新の改正省エネ法は、この電力ピーク対策を盛り込み、2013年5月に成立しました。

 

3.省エネ法の対象者

 省エネ法では、工場等においてエネルギーを使用して事業を行う者(注)がエネルギー消費原単位の改善を図るために講ずべき措置として下記の8点の実施を求めています。
(1)工場等に係るエネルギーの使用の実態、エネルギーの使用の合理化に関する取組等を把握すること。
(2)工場等に係るエネルギーの使用の合理化の取り組みを示す方針を定め、当該取り組みの推進体制を整備すること。
(3)エネルギー管理統括者及びエネルギー管理企画推進者を中心として、工場等全体の総合的なエネルギー管理を実施すること
(4)エネルギーを消費する設備の設置に当たっては、エネルギー消費効率が優れ、かつ、効率的な使用が可能となるものを導入すること
(5)エネルギー消費効率の向上および効率的な使用の観点から、既設の設備の更新及び改善並びに当該既設設備に係るエネルギーの使用の制御等の用に供する付加設備の導入を図ること
(6)エネルギーを消費する設備の運転並びに保守及び点検その他の項目に関し、管理標準を設定し、これに準拠した管理を行うこと
(7)エネルギー管理者及びエネルギー管理員の的確かつ十分な活用その他工場における総合的なエネルギー管理体制の充実を図ること
(8)工場内で利用することが困難な余剰エネルギーを工場外で有効利用する方策について検討し、これが可能な場合にはその実現を図ること

注:省エネ法はすべての事業者に適用され、対象者を限定していません。ただし、事業者単位(企業単位)で1年間のエネルギー使用量(原油換算値)が合計して1,500kL以上であれば、国への届け出、毎年度の報告書提出義務等が発生します。ここで、原油換算値で1,500kL以上の目安は、オフィス・事務所は年間電力使用量で約600万kWh程度、小売店舗は延床面積で約3万m2程度、ホテルは客室数で300〜400室程度、病院は病床数で500〜600床程度、コンビニエンスストアは店舗数で30〜40店舗程度、ファーストフード店は店舗数で25店舗程度、ファミリーレストランは店舗数で15店舗程度、フィットネスクラブは店舗数で8店舗程度となります。

 

4.省エネ法を推進するには

 省エネを推進するには体制、組織作りが必要です。そのため、以下のことを求めています。
(1)エネルギー管理担当者を選任する、事業者はエネルギー管理担当者の意見を尊重する、従業員は指示に従うこと
(2)省エネルギー推進委員会を設置する、全員参加を原則とする、従業員教育を実施する、外部専門家から助言を得ること
(出典:「中小規模事業所における省エネルギーの進め方」東京電機大学高村淑彦教授。以下、高村教授の講演会資料を引用)

 また、技術的には、下記段階を順次進めることを求めています。
(1)運用改善(管理強化、操業改善)
 ・既存の設備を前提に作業方法を見直す
 ・設備投資が不要
 ・全員参加による提案
(2)設備改善(設備改善、設備付加)
 ・小規模な投資による設備の付加と改善
 ・一部設備の改善により設備全体の効率向上を図る
 ・第1段階実施後に行わないと過剰な設備導入や作業の複雑化を招く
(3)プロセス改善(プロセス変更、高効率設備の導入)
 ・工程全体の省エネルギー型への変換
 ・高効率設備の導入
 ・大きな成果が期待できるが技術力や時間が必要
 ・第1段階、第2段階の実績をもとに導入する

 

5.判断基準

 一方、設備(事項)ごとに判断基準を定め、遵守することを求めている点が省エネ法の特長の1つとして挙げられます。判断基準は、事業者すべてが遵守すべき項目(基準部分)と既設設備の改造や新規設備の導入などにより達成が期待される項目(目標及び措置部分)とに分類されます。対象設備(事項)は下記のとおりです。
(1)オフィスビルなど事業場については、空気調和・換気設備、ボイラー設備・給湯設備、
照明設備・昇降機・動力設備、受変電設備・BEMS、発電専用設備及びコージェネレーション設備、事務用機器・民生用機器、業務用機器、その他の8設備
(2)工場については、燃料の燃焼の合理化、 加熱及び冷却並びに伝熱の合理化、 廃熱の回収利用、熱の動力等への変換の合理化 、放射・伝導・抵抗等によるエネルギーの損失の防止、電気の動力・熱等への変換の合理化の6事項
 

 該当する設備(事項)について、事業者は下記4視点から管理基準を規定し、運転、保守・点検、更新することを求めています。
(1)運転管理:標準的な運転方法から管理標準を設定し、運転
(2)計測・記録:計測の場所、方法、頻度について管理標準を設定し、計測・記録
(3)保守・点検:保守や点検を実施すべき箇所や頻度について管理標準を設定し、保守・点検
(4)新設に当たっての措置:設備を新設する場合に導入すべき機器やシステムを具体的に例示

 

6.省エネ推進上のポイント

 省エネルギーは、エネルギーの使い方をよく見ること、エネルギーを賢く使うことであり、決して我慢して節約することではありません。必要なとき、必要な場所に、必要な量だけ、エネルギーを供給することが省エネルギーの目標であり、実施に際しては下記3点がポイントとなります。
(1)記録する:グラフなどに表示し変化を見る、作業方法の改善に結びつける
(2)観察する:計器による標準的な作業の実施、エネルギー使用量の把握、五感による正常か異常かの判断
(3)保守をする:性能低下をできるだけ少なくする
 

お問い合わせ先

中小機構 経営支援部 経営支援課 (ものづくり支援担当)
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