ITからバイオへ 新しい分野へ挑戦し続けるベンチャー企業

2018年 9月 12日

エイジングケアブランド写真

組み込み系ソフトウェア受託開発業で創業し、現在はバイオテクノロジーとIT技術との融合により、優れた最先端技術の創出を目指す株式会社GEホールディングス。今般、代表取締役社長 荒川健一氏に、起業の経緯、事業内容、今後の展望についてお話をお伺いしました。(2018年8月取材)

インタビュー

お話:代表取締役社長 荒川 健一 氏

起業、会社のおいたち

起業したきっかけを教えてください

顔写真

私が子供のころに、大手自動車部品メーカーに勤めていた父からパソコンを買ってもらいスーパープログラマーを志したことが起業につながっています。小学生のころから賞金を稼ぎ、高校生では月に数十万円を稼ぐレベルになっていました。

ある時、バブルが崩壊した影響で県内のIT企業が破綻して、そのフォローをする形で病院システム、血液分析装置、店舗のPOSレジシステムなど様々な開発・保守に携わりました。20歳で創業した際には数千万円の貯金がありました。

私は自動車系列のシステム開発企業に一度就職をしています。スーパープログラマーとしての腕を買われ最先端の研究開発にも携わりました。当時は兼業禁止規定など知らずに個人事業と2足の草鞋を履いていました。資金は潤沢で競合他社の高級スポーツカーに乗っていました。ある時、兼業が明るみに出て役員室に呼ばれました。この時、会社に残るか否かを迫られましたが、退社して起業する道を選択しました。1998年2月1日に有限会社グローバルエンジニアリングを設立しました。周囲からは前代未聞だと言われつつ、特別に口座を開設していただき、そのまま開発を継続することができました。

事業の展開と現在

事業は順風満帆でしたか

友人4人、その他メンバー3人の合計7人でIT関連事業をスタートしたのですが、初年度から売上高は1億3千万円ありました。自動車関連業界でQCDやドキュメンテーションを徹底的に鍛えていただいたおかげで、前職の企業の他に大手2社とすぐに契約していただきました。やがてメンバーは30名に増えて色々な問題が発生しました。この時にスーパープログラマーでは会社経営はできないと感じて、アメリカのMBAコースで学びましたが、彼らの株主第一優先という考え方が受け入れられずに帰国します。

この頃に、神戸への進出を考えていたのですが、神戸商工会議所から地元の大学の教授をご紹介いただき、「若手会社員のためのMBA」というコースに参加しました。そこでは「先に義理あり、後に利あり」という先義後利の哲学も学ぶことができ、今でも生かしています。

しかし、経営管理を学んだばかりのころは、組織づくりや規則・ルールの徹底をしようとして、自由を好む古い時代のメンバーはみんな辞めてしまうという経験もしました。その後は新たに人を採用して事業は比較的順調に推移しました。資金的に苦しい局面は3回ほどありましたが、都度外部からの資金調達を行いながら切り抜けて、2016年にはIT関連事業の売却に成功しました。その時には従業員が80名、外注まで含めれば200名の事業になっていました。

なぜ、IT関連事業からバイオ事業分野に進出したのですか

上記の教授から「君は何を実現したいのか」とビジョンを問われる機会がありまして、私は「バイオとITの融合、ロボット」と答えていました。プログラムはライブラリー化が進み、いずれAIが自動でプログラミングする時代が来ると予測していたことと、新たなチャレンジがしてみたいということで、バイオの世界に進出することにしました。IT関連事業の受託開発はどれだけ規模が大きくなっても人海戦術ですが、バイオ関連事業の場合は機械を使うことで人を増やさずともスケールアップが可能です。IT関連事業はB to Bですが、バイオ関連事業ではB to Cです。完全に違う方向に舵を切ったのですが、これまでと違うビジネスモデルであるということにも魅力を感じていました。起業して間もないころから金融機関、顧問弁護士、顧問税理士など優秀な方とお付き合いしてきたことが影響しているかもしれません。

今はバイオ関連の第二創業に集中していく方向で動いています。ただ、第二創業でバイオの優秀な人材を採用しようとすると規則・ルールで動く人材では立ち上がりません。0から1を創るメンバーと、1を10にするメンバーは違うのだということを感じています。事業を拡大して行く上では、組織づくりが重要です。昔、退職した人材の中から信用できる人材に声をかけて協力してもらっています。

そして、これから

今後の展望をお聞かせください。

開発風景

乳酸菌や納豆菌といった当社独自の原材料を主軸にして化粧品やサプリメントを開発していきたいと考えています。これまでは比較的安全性のデータを取りやすいペット関連商品や人向けの石鹸で事業展開してきましたが、ここにきて人向けの機能性試験、安全性試験のデータもそろうようになってきて、まさに次の展開を準備しているところです。微生物のライブラリーはバイオ関連事業の要です。これを増やして化粧品やサプリメントなど新たな機能性の商品を世の中に提供していきたいと考えています。

おかげさまでポートアイランドの中に1,000平方メートルの研究所を建設することになり、今年10月に長年お世話になったMEDDECを卒業することになりました。今は働き方改革にも取り組んでいます。残業申請がない限りは17時30分でシステムがダウンするようにしています。いずれは9時に出社して15時に帰れるような会社にしたいと思っています。

インキュベーションの利用

入居のきっかけ

神戸進出を考えている時に神戸商工会議所を通じて中小機構と縁ができました。この時にMEDDEC建設の情報を得て、MEDDECの開設と同時に入居することにしました。

入居しての変化

バイオジャパンなどの展示会情報をいただき、当社の社員も展示会に出展させました。細胞の研究者などは培養のことについては何も言うことがありませんが、人前で話すことが得意でなかった。それがしっかり話せるようになりましたし、市場の声なども具体的に把握してくれています。このようなことが一番の変化ではないでしょうか。

入居して良かったこと、将来の入居者へのメッセージ

やはり展示会や商談会の情報が増えたことではないでしょうか。日頃から常駐するインキュベーションマネジャーが当社のために出展準備などはじめ色々と汗を流してくださっています。また、本社から離れた研究所で良き相談相手になっていただいていると大変感謝しております。

会社情報

会社名
株式会社GEホールディングス 
代表取締役社長
荒川 健一
所在地
愛知県名古屋市中村区名駅1-1-1 JPタワー名古屋14階
事業概要
  • 食品・化粧品原料の研究開発・生産及び企画・販売
  • 認知症関連商品の開発及び販売
  • e-コマース事業
  • ロボット製造販売事業

会社略歴

1998年4月 有限会社グローバルエンジニアリング設立
1998年12月 株式会社グローバルエンジニアリングへ組織変更
2000年9月 東京都中央区に東京事業所設立
2001年9月 兵庫県神戸市に神戸事業所設立
2006年4月 MEDDECへ入居し神戸研究所設立
2011年11月 ニッポン新事業創出大賞・アントレプレナー部門受賞
2016年7月 株式会社GEクリエイティブ設立(IT部門 分社化)
2017年8月 株式会社GEクリエイティブの株式譲渡契約締結
2017年12月 株式会社GEホールディングスを設立
2018年2月 各子会社を新設分割
(株式会社GEウェルネス、株式会社ビオラボ、株式会社はからめ認知研究所、株式会社CHIKEN、株式会社グローバルエンジニアリングを設立)
2018年4月 株式会社グローバルエンジニアリングを株式会社GEホールディングスへ吸収合併

製品紹介

トリプルフローラ

製品写真

生きたまま腸に届く3種の菌「BiProGER納豆菌」「有胞子性乳酸菌」「ビフィズス菌」をバランスよく配合。腸内環境を整える美腸効果で、身体の中からすっきり・キレイをサポートするサプリメントです。

担当マネージャーからのコメント

顔写真

当社はIT企業として名古屋で創業し、平成18年 事業多角化の一環として、バイオ事業を始める目的でMEDDECに入居されました。 バイオ事業の発展・拡大に向けITとの融合は不可欠との経営理念の下、土壌、植物、果物から菌を抽出し、効率且つ大量に培養を行なう技術を確立し、特許を取得。 当該技術を活用した健康食品や化粧品を複数上市し、バイオ事業を次世代の中核事業として育て上げられました。

結果、同社の本来の中核であったIT部門を売却し、バイオ事業に特化することを決断、現在自社ラボ研究棟をMEDDECの近隣に建設中であります。10月末MEDDECを退去されますが、卒業企業として支援を継続していきたいと思っています。

神戸医療機器開発センター(MEDDEC)
チーフIM 片山 健

インキュベーション施設

神戸医療機器開発センター