岡山発!音楽業界を活性化させる存在を目指すベンチャー企業

2018年 1月 1日

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岡山大学の学生時代に起業し、ベンチャーキャピタルからも出資を受けて大きく成長をとげつつある、株式会社クレオフーガの西尾周一郎社長に創業の経緯、会社の特徴、今後の展望について、お話を伺いました。(2018年1月取材)

インタビュー

お話:代表取締役社長 西尾 周一郎 氏

起業、会社のおいたち

学生時代に起業したそうですが、社名の由来や起業のきっかけについて教えてください。

顔写真

社名のクレオフーガは、Creativeのラテン語であるクレオ(Creo)と次世代の芸術(Future Generation Arts)の頭文字を組み合わせた造語です。音楽用語の「フーガ」も意識しました。「新しい時代の芸術を創造していく」という想いが込められています。元々音楽に深く関わるようになったきっかけは、4歳のころからヤマハの音楽教室でエレクトーンを習い始めたことでした。8年間ほどエレクトーンを習いまして、その後は中学からギターを始めてバンドでの演奏やシステムエンジニアだった父親のお下がりのパソコンを使って作曲もしていました。今でこそパソコンで作曲するのは当たり前になっていますが、当時はまだ少なかったような気がします。

当時は音楽家になりたいと思っていて実は音大に行きたかったのですが、両親からは反対されて諦めました。その時はパソコンが好きだったこともあり岡山大学工学部情報工学科に入学しましたが、エンジニアとして技術を追求するよりも、ITを活用して何かを企画することやサイトを作ることに興味を感じるようになっていました。当時は20代の若い経営者がIT関連企業を起こして成功していた時期でもあり、大変刺激を受けていました。

私自身もホームページを作成して自分が制作した音楽をアップロードしたり、音楽制作に関する記事を掲載したところアクセス数が増えて少額でしたが広告収入につながるという経験をしていまして、これがきっかけでこの取り組みを事業にしていきたいと思うようになりました。そして起業をしようと考えるにつれ経営の勉強をしたくなり、経済学部経営会計コースに編入しました。そうして2007年、経済学部4回生の時に株式会社クレオフーガを設立しました。経済、経営、会計、マーケティングを学びながら、実際に企業経営を実践する。すぐにはビジネスにつながらないものもありましたが、毎日がとても楽しかったですね。

事業の展開と現在

事業は順調に立ち上がったのですか。

当初は、音楽コンテストをインターネット上で開催するサービスを立ち上げたのですが、事業としては非常に苦戦しました。起業してから4、5年の間は食べていくので精一杯で、受託開発で運転資金を確保していました。従業員数人が何とか食べれるようにはなってきたものの、音楽サービスをやりたくて起業したにも関わらず、音楽と関係のない受託開発で食いつなぐということで満足していてはいけないと考えるようになりました。

起業から4年が経った頃「音楽を事業にするならば東京だ」と思い立ち、2012年1月に蒲田のアパートを借りて東京での活動をスタートしました。その後東京で活動をしていく中でベンチャーキャピタルから約1,000万円の出資を受けることができ、この辺りでようやく音楽サービスで生きていく流れが出来ました。岡山大インキュベータに入居したのもこの頃です。

その後は順調に事業拡大しているようですね。

2013年からAudiostock(オーディオストック)というサービスを立ち上げ、これまでコンテストで蓄積した音楽等を販売していくことにしました。現在は、6,700組以上のクリエイターによる音楽、効果音、ボイス等、9万点以上の作品が登録・販売されています。1曲数千円でクオリティの高い音源を入手できる点が評価され、おかげさまで順調に事業を拡大しております。

最近では映像関連プロダクション、外資系自動車メーカー日本法人のコマーシャル、自治体の広報にも当社が提供した音楽が採用されています。創業時のことを考えると売上も拡大してきてはおりますが、未だ達成感はなく今後も更なる成長をするために取り組んでいきたいと考えています。2014年には広島ベンチャーキャピタル及び中国銀行から出資をしていただきサービス開発の面で助かりましたが、今後はマーケティング活動の拡大のためにさらなる増資も計画しています。

そして、これから

今後の展望についてお聞かせください。

社員一同

楽器を製造するだけでなく、音楽教室を運営したり音楽に関わるあらゆる面で価値を提供しているヤマハ社は素晴らしいなと思っておりまして、我々も音楽を聴いて楽しむ人、演奏したり作曲したりする人が共に楽しめるサービスを提供できる会社を目指したいと考えています。今後はレコーディングができる自前のスタジオを都内に整備することで、生演奏を取り入れた高い品質の楽曲を制作し、コンテンツの強化を図っていきたいと思っています。また、スタジオは音楽クリエイターに提供する支援メニューの一つとしても活用していきます。

音楽業界のビジネスモデルは変革の時代を迎えておりますが、音楽の価値が低下したわけではありません。我々が音楽コンテンツの流通を活性化できる存在になれればと思っています。多くの方に喜んでいただけるサービスを提供できるように事業が成長し、その結果時価総額1,000億円規模の企業に成長出来たら素晴らしいですね。

当社はこれまでプログラマーやデザイナーといった優秀な社員に支えられてきました。今後はさらなる事業拡大に向けて私の役割を「ビジョンを描くこと」「資金調達」「人材採用」に集中させていきたいと思っています。

インキュベーションの利用

入居のきっかけ

私自身が岡山大学の卒業生でしたので岡山大インキュベータの存在は知っており、立地面や環境の良さの面などで学生時代から気になっていました。岡山県産業振興財団にいた頃から面識のあったインキュベーションマネージャー(IM)の鈴木さんからお誘いいただき、2012年8月に入居する機会を得ました。

入居しての変化

IMの方々がしっかりサポートしてくれるのでありがたいです。資金調達面では金融機関をご紹介いただいたことも助かりましたし、大人がしっかり支援している会社ということで信用力も上がったと思います。東京オフィス開設後も、株主総会の会場として活用させていただいています。

入居してよかったこと、将来の入居者へのメッセージ

キャンパス内に施設があり岡山大学の学生にインターンやアルバイトに来てもらいやすい点や、大学の研究室とも交流しやすい環境にあるのが良い点です。また、施設も綺麗で会議室も予約をすれば自由に利用することができて設備の面でも充実しています。自然豊かで、学食やコンビニが近くにあるのもいいですね。起業を目指す学生や社会人の皆さんはぜひ活用してみてはいかがでしょうか。

会社情報

会社名
株式会社クレオフーガ 
代表取締役社長
西尾 周一郎
所在地
  • 岡山:岡山市北区津島中1-1-1 岡山大インキュベータ
  • 東京:東京都品川区西五反田7-11-1 第五花田ビル2階
事業概要
  • 音素材配信サービス
  • コンテスト

会社略歴

2006年5月 音楽コンテストサイトをオープン
2007年10月 株式会社クレオフーガ設立
2008年1月 第6回キャンパスベンチャーグランプリ中国大会でグランプリ受賞
2012年1月 東京オフィスを開設
2012年8月 岡山大インキュベータ入居
2012年10月 ベンチャーキャピタルより出資を受ける
2014年2月 広島ベンチャーキャピタル及び中国銀行より出資を受ける
2016年11月 ピクスタ株式会社と資本業務提携
2017年10月 第12回ニッポン新事業創出大賞で中小企業庁長官賞(アントレプレナー部門)受賞

製品紹介

Audiostock

キャプチャ

BGM・楽曲・効果音等の音素材を販売するサイト。全国の音楽クリエイターや、アーティストが制作した音素材を掲載し、販売している。一般の方々や映像制作者、ゲーム開発者等に質の良い音素材を供給し、「音楽クリエイターの収益化」を支援することにも寄与している。

担当マネージャーからのコメント

鈴木インキュベーションマネージャー

岡山大インキュベータがオープンして10年、初めてIPOを目指すベンチャー企業が誕生し、大変嬉しいことです。中国経済産業局、岡山大学、岡山県、岡山市、その他中小企業支援機関等の総力を結集して、IPOに必要な体制整備や資金調達、ノウハウの提供等の支援を岡山大インキュベータが中心となり取り組みます。

岡山大インキュベータ
チーフIM 鈴木 幸次

インキュベーション施設

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