直感的・触っていて楽しい次世代ソフトウェア開発を行うITベンチャー

2016年 12月 1日

ロイロノート使用風景

シンプルで、触っていて楽しいソフトウェアを開発する株式会社LoiLo(ロイロ)の杉山浩二社長に会社の生い立ちから今後の展望についてお話をお伺いしました。(2016年12月取材)

インタビュー

お話:代表取締役 CEO 杉山 浩二 氏

起業、会社のおいたち

起業するきっかけを教えてください

杉山社長

私は当初、ゲームメーカーでプログラミングをしていました。仕事は充実していましたし、独立起業については全く考えていませんでした。ある日、別の大手ゲームメーカーでデザイナーとして働いていた兄の竜太郎氏から「このままでは駄目だ。何か面白いことをしよう」と誘われました。

私達は学生時代からクラブのビデオジョッキーとして動画作成・編集にも携わり、リアルタイムでプロモーションビデオを作成したり、EFFECTをつけたりして遊び感覚で楽しんできました。そして、これはビジネスになるかもしれないと感じていました。動画処理とゲームの計算は同じなのに、既存のソフトで動画編集することはそんなに手軽ではなかったからです。そこで、自分でプログラムを組んでみたのですが非常に高性能なものができました。これをそのままにするのはもったいないと考えて、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の未踏ソフトウェア事業に採択されたら独立しようと決めました。結果、2006年12月に採択され、2007年4月に株式会社LoiLoを設立し、弟の私がCEO、兄がCOOを務めることになりました。

社名の由来を教えてください

社名のLoiLoですが、漆器に光沢を出す蝋色塗りという技法に由来します。漆の英訳の一つに「JAPAN」がありますが、ジャパンをキラキラさせる存在でありたいという願いを込めました。あとは聞いただけでは意味が分からない企業名にしようと考えていました。理由は、「それって何?」と関心を持っていただけるからです。

事業の展開と現在

超高速動画編集ソフトの事業の立上げは順調でしたか?

会社経営の勉強をしてこなかったので最初は大変でした。そもそもビデオジョッキー市場は狭いので、我々が開発したものが何に利用可能なのか、どのマーケットに焦点を当てるのかを最初に考えなければいけなかったので侃侃諤諤の論議をしました。私たち兄弟は非常に仲が良いのですが、周りはいつも揉めていると思っていたようです。

当時、ユーチューブが出始めていて、動画公開・共有ソフトは既に存在したのですが、動画を編集するソフトはあまり存在しませんでした。そこで我々は第一弾としてロイロスコープという超高速動画編集ソフトをローンチしました。素人でも簡単に操作できるというコンセプトで、大きな机の上で写真を整理するような感覚で動画作品を作り上げることができるという特徴のソフトウェアです。色々な方のご支援を受けた結果、大手電気メーカーの製品にバンドルさせることが出来て、これはヒットしました。今でも安定的に売れています。

教育用ソフトとしても人気があるそうですね。

社内の風景

今は、ロイロノート・スクールという商品が売れています。NHKの「どーも君を旅させよう」というイベントワークショップの動画編集ソフトとして採用されたことがきっかけでした。イベントだけで終わらせるのはもったいないのでスクール用に売ろうと考えました。

ロイロノート・スクールは、学校の授業を効率的・効果的にするためのツールといえます。今、学校では、受験のためのつめこみ型学習ではなく、アウトプットさせる授業が増えています。この形式の授業で使用することで、いわば[デジタル付箋紙]として、頭の中を整理することが可能です。さらに、写真に絵を描くことが出来る、手書きで書ける、録音できる、ブラウザーが内蔵されてURLを通じてデータを引っ張ることが出来るなど様々な機能がついています。パソコンは苦手という人でも操作が簡単にできます。

そして、これから

次の事業展開をお聞かせください

「ロイロノート」を学校だけでなく個人や会社向けにリリースしたいと考えています。クリティカルシンキングのツール、発想支援のツールとして普及したいですね。スマートフォンを利用して電車の中でプレゼン資料の作成ができますし、作成したプレゼン資料を先生や上司に提出したり、友達や同僚とシェアしたりすることも可能です。思考力を高めたり、知識を再整理したり、相互にデジタル付箋紙を送り合ったりすることが出来るので知的生産性の向上に最適なツールにしていけるのではないかと思います。

インキュベーションの利用

入居のきっかけ

兄が藤沢に住んでいたのが大きいでしょうね。慶應藤沢イノベーションビレッジがオープンする際に広報資料が届きました。一番小さな部屋を借りて5人でスタートを切りました。

入居から卒業まで

もしマンションで起業していたらと思うと恐ろしいです。IMからの支援が無ければ大変なことになっていました。IMからは経営の基本を一から教えていただきました。また、実践的に指導をしていただき入居から5年目に卒業して、今の馬車道のオフィスに引っ越すことができました。現在の従業員は20名です。

入居してよかったこと、将来の入居者へのメッセージ

ベンチャー企業にとってIMはメンターです。アドバイスをくれる仲間であり、企業の一員だと思ってお付き合いしてまいりました。慶應藤沢イノベーションビレッジは、遠慮なくIMに頼れる場所です。これから起業する方は是非活用されてみてはいかがでしょうか。

会社情報

会社名
株式会社 LoiLo
代表取締役CEO
杉山 浩二
所在地
神奈川県横浜市中区南仲通4丁目43番 馬車道大津ビル403号
事業概要
次世代ソフトウェア開発事業

会社略歴

2006年5月 慶應藤沢イノベーションビレッジ(SFC-IV)入居(個人杉山竜太郎)
2006年12月 IPA未踏ソフトウエア事業採択(個人杉山竜太郎)
2007年4月 LoiLo設立 代表取締役 杉山浩二
2008年8月 ロサンゼルスSIGGRAPH にて、LoiLoScope発表
2009年10月 Super LoiloScopeが2009年度 グッドデザイン賞 中小企業庁長官賞を受賞
2011年9月 慶應藤沢イノベーションビレッジ(SFC-IV)卒業
2013年3月 協働学習授業支援アプリ ロイロノート発売(日本)

製品紹介

ロイロノート・スクール

ロイロノート・スクールは子どもたちが考えるのを助け、その考えを人に伝えることが出来る道具です。簡単に自分の思考をまとめ、発表することができるので、子供たちが自ら考え表現できる機会をとても増やすことができます。

何度も自分の言葉で説明することで、「思考力」「判断力」「表現力」を育てます。導入された学校様からは、子どもたちが自然とアクティブになったと、声が上がっています。

担当マネージャーからのコメント

中井IM

ロイロノート・スクールは、学生・生徒さんたちの柔軟な発想を生かして、頭の整理が出来る画期的なツールとして浸透し始めています。それだけに止まらず、ロイロノートを使って発想のブラッシュアップする習慣をつけた学生・生徒さんたちが、やがて社会に出てビジネスの中でも使ってくれることを目指す、ロイロさんの夢は気運壮大です。

慶應藤沢イノベーションビレッジ(SFC-IV)
チーフIM(インキュベーションマネージャー)中井 彰人

インキュベーション施設

慶應藤沢イノベーションビレッジ