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野洲メディカルイメージングテクノロジー株式会社(2016年3月取材)

滋賀・野洲から世界市場へ。高性能シンチレーターの開発によって医療診断分野の発展に貢献する。

 野洲メディカルイメージングテクノロジーは、デジタルX線撮影用シンチレーターの開発・製造を行う2011年設立のベンチャー企業。世界を舞台に躍進を続ける同社の原 伸二代表取締役副社長にお話を伺った。

 

 

落成祝賀会

インタビュー

代表取締役
国本 文亨 氏

国本社長

起業、会社のおいたち

─起業の経緯について教えてください

 私はかつて、世界的なシステムインテグレーター企業に勤務し、センサー機器、画像データを表示するディスプレイモニターの開発・製造に従事していました。モニターといっても、当時は勢いのあったテレビやパソコン用のものが主軸でした。私は時代の流れによって需要が激しく変動するのを感じていたので、より安定した需要が見込める新たな市場への参入を視野にスピンアウト。当時の仲間ととともに立ち上げたのが、この「野洲メディカルイメージングテクノロジー」です。

 

─医療分野に着眼された理由は何ですか?

 IT機器等で使用するものと、X線を検知するものとを比較した時、モニターの基幹部材の考え方は同じであることが前提としてありました。かつての所属企業で研究していた技術を応用できるものとして、最終的にたどり着いたのが医療用X 線デバイスでした。また、テレビやパソコンと比較すると医療分野はとてもニッチな市場ですが、非常に安定していて将来性もある。それ自体が大きな魅力でした。

 

-御社の製品の特長を教えてください

 電磁波であるX線を、ひとの目で見える可視光に変換するデバイスが、シンチレーターです。X 線検査では、これまでアナログフィルムに現像する手法が主流でしたが、検知したデータをデジタルイメージへと変換する手法への移行が進んでいます。アナログフィルムからデジタルデータに移行することで、大幅な時間の短縮を実現。画像の保管という面でも、大きなメリットをもたらしています。当社のシンチレーターの特長は、少ないX線でより細微な病変部を検出できる点にあります。これにより被験者様はもちろん、1日に大量の検査を行う放射線技師の方の身体的な負担を軽減できることが、最大の特長だと自負しています。

事業の展開と現在

─これまでの発展の経緯を教えてください

 会社設立以後、別の場所にあったラボで下実験を重ねていたのですが、手狭になったこともあって立命館大学BKCインキュベータにお世話になることに。居室をクリーンルーム仕様とし、朝から晩までX線を可視化するための実験に明け暮れていました。そこで可視化するためのタネを発見できたことが、最初のステップになりました。その後、キャパシティを増やし生産効率がアップ。事業のベースができあがり、定常的に製品を生産するために、2015年6月に野洲市内に本社を竣工し、卒業させていただきました。お客様の信頼をいただいたこと、我々もそれに応えるために品質向上に取り組んだ結果として、設立から現在まで倍々で売り上げを伸ばしています。

 

─インキュベータに入居したことで利点は?

 大学のキャンパス内にあり、図書館を毎日のように利用させていただきました。充実した蔵書や貴重な文献が豊富に揃っていて、情報がすぐに入手できたことは、私どもにとって非常に大きな力となりました。また同大学には、私たちの専門分野である画像処理に関連する研究室も多く、大学教授の方から生の声を聞けたこと、知的資産を共有できたことなど、たくさんのメリットがありました。別の場所にオフィスを構えた場合と比べると、非常に大きな価値があったと思っています。

 

─海外での展開について教えてください

 設立当初から、海外での事業展開を視野に入れていました。かつて勤めていた企業から、ともにスピンアウトした同僚が中心となって、USオフィスを設立。また私どもが以前働いていた台湾にもオフィスを構えることができました。大きな医療市場を持つアメリカ、将来性のある中国市場への進出が見込める台湾という2つの拠点を持つことで、今後さらなるビジネス拡大をめざしています。

高性能シンチレーター

そして、これから

─今後の抱負を教えてください

 現在、アメリカ、中国、ヨーロッパにも商流を持たせていただいていますが、南米などそれ以外の地域にも事業展開を進めたいと思っています。そのうえで世界中のお客様から、「日本にあるあの会社に相談してみたら、何か提案してもらえるかもしれない」というように、ファーストコンタクトをいただける企業をめざして、品質向上をめざしていこうと思っています。今後も当社の理念である三方良しの商売を行い、地域・国家に貢献するとともに社員の幸福を実現していきます。

会社概要

 

入居BI 立命館大学BKCインキュベータ
代表取締役 国本 文亨
所在地 本社:滋賀県野洲市吉地 628番地
事業概要 放射線用受光センサー及び高性能表示装置並びに同部品の開発製造
URL http://www.ymitech.co.jp/index.html/(新規ウィンドウ表示)

 

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製品紹介

高性能シンチレーターLSI

 野洲メディカルイメージングテクノロジーは、X線を光に変換するシンチレーターを開発製造することで世界に貢献する企業。シンチレーターをセンサーに直接取り付ける高度な技術でX線被ばく量低減に大きく貢献。

現場

会社略歴

2011年2月
滋賀県野洲市にて会社設立
4月
米国に子会社設立
5月
滋賀県草津市に草津工場開設
11月
台湾に子会社設立
2012年1月
立命館大学BKCインキュベータ入居
2013年1月
滋賀県守山市に守山工場開設
2月
東京支店開設
2015年6月
野洲市内に新社屋完成、本社移転
10月
立命館大学BKCインキュベータ卒業

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インキュベーションの利用

入居のきっかけ

 新たに実験装置などを増やすことになり、より広いキャパシティが必要となりました。さまざまな選択肢から新天地を探す中で、施設・設備などのハード面、スタッフの方々のサポートといったソフト面でも満足のいく、この立命館大学BKCインキュベータへの入居を決めました。

 

入居から卒業まで

 入居以来、X 線を可視化するための実験に取り組み、事業のベースを確立。製品化に向けた改良を続け、新製品の開発を機に2015 年6 月に本社工場を竣工。同年10 月に立命館大学BKCインキュベータを卒業させていただきました。

 

入居してよかったこと、将来の入居者へのメッセージ

 一番のメリットは、同じキャンパス内に充実した図書館があること。必要な情報が身近にあり、すぐに入手できることは、ものづくりを行う新興企業にとっては最大の利点だと思います。また、昼食などはカフェテリアを利用させていただき、意欲的な学生さんの活気や熱意に触れることで、スタッフのモチベーションアップ、リフレッシュにも大きな効果がありました。

 

 

チーフインキュベーションマネージャー 三宅 裕之

立命館大学BKCインキュベータ 
チーフIM(インキュベーションマネージャー) 三宅 裕之

 当社は注目のベンチャー企業様で、主に海外を視野に販売戦略を展開されています。ベースとなるコア技術を生かした製品は、医療機器の巨大市場において確実にニーズを満たし、今後も売上増加の期待が大きいと言えます。当該インキュベータ卒業後も、滋賀を代表するリーディングカンパニーとして、様々な場面でご支援させていただく所存です。
 

 

入居施設データ
立命館大学BKCインキュベータ 
〒525-8577 滋賀県草津市野路東1-1-1

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