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株式会社JPカンファレンス(2016年3月取材)

最先端技術と自由な発想で環境浄化問題に取り組む開発型ベンチャー

独自の開発力で放射線やアスベストといった環境課題を改善する素材の開発に取り組み、将来は上場を見据えた展開を行う設立2年目のベンチャー企業「株式会社JPカンファレンス」代表取締役の羽根田晃氏にお話をうかがいました。

 

アスベスト処理の最新技術

インタビュー

代表取締役
羽根田 晃 氏

羽根田社長

起業、会社のおいたち

─なぜ環境事業を始めたのですか?

 私は研究開発が大好きで、それを事業にしたいと考えました。興味関心は、「危険」、「汚い」、「臭い」と言われている分野です。助成金に頼らず、自前で研究開発に基づくものづくりを行い、オリジナル、オンリー1を目指すというのが私のモットーです。
 最初に開発したのは放射線遮蔽Ceramicsクリートという商品です。読んで字のごとく放射線の遮蔽が可能なセラミクスを開発しました。東日本大震災による原発事故後の周辺市町村の復興には強い関心があります。例えば、避難自治体で最初に帰村宣言した村では震災前に2,700人いた人口が震災後には1,700人になってしまいました。真の復興のためには、雇用を生み出す産業が育つことが重要だと考えています。山林は除染が必要なのですが、技術・コストの面で難しく手が付けられていません。われわれが構想していることは山林の木を焼却することで発電し、農業や山の中で海の魚を育てるという事業に活用するということです。焼却した時に出る灰は、放射線遮蔽コンテナ・容器に保存すれば安全です。現在、村の人口増加対策として自治体と企画を立案しています。様々な問い合わせがあり、芽が出つつありますが、放射線は事業化まで少し時間がかかりそうです。

事業の展開と現在

─現在注力しているアスベストの無害化事業についてお聞かせください

 現在注力しているのは、アスベストの無害化による新たな回収方法の確立です。アスベストは現在では使用が禁止された物質ですが、アスベストが使用されている建物は今なお多く残っています。これらを解体する時には、大気汚染防止法に基づき、都道府県等に届出を行い、アスベスト飛散防止のための作業基準を遵守しなければなりません。労働安全衛生法、産業廃棄物処理法等の遵守も必要になります。飛散したアスベストを吸い込むと針状結晶が肺に刺さり中皮腫や肺がんの危険性があります。したがって解体には危険が伴い、それを防止するための多大なコストが発生しています。
 アスベストは針状結晶の鉱物なので、元来、強酸で分解する方法が試みられてきましたが、結晶を変化させることは難しかったというのが実情です。当社はこの針状結晶を変化する液体を開発することに成功しました。X線でも結晶構造が変わっていることを確認済みです。さらに安全を期すためにロボットに噴霧器を装着し、遠隔操作で作業することを考えています。これに関しては、大手・中堅のゼネコン等から多くの問合せをいただいております。これらが実現すると従来の解体費用の二分の一から三分の一を実現できる試算です。
 最近では、ハーバード大学の先生を中心に集まった方々とテレビ会議を実施するなど、海外からも注目を浴びるようになりました。

─アスベストの次のターゲットもあるそうですね

 実は、RCF(リフラクトリーセラミックファイバー)が平成27年11月から規制対象になり、労働安全関連法において
「特定化学物質」の「管理第2類物質」に追加される改定が施行されました。このことにより製鉄所や石油プラント会社からの問い合わせが急増しています。その他、石膏ボード、スレートも規制対象になるため、われわれの活躍する場が広がりそうです。既に技術開発は進んでおり期待が持てる事業だと考えております。

研究室

そして、これから

─今後の展望、ビジョンをお聞かせください

 当社が開発した技術は、今までの物理学や化学の教科書にはない技術だと認識しています。他者と同じことをやっていては意味がありません。1%でも可能性があるならば、挑戦したいという気持ちがあります。常識では考えられないという評価もいただきますが、正に夢の液体を開発したという自負があります。しかし、技術開発が出来たことと事業化に成功することは違います。現場処理に携わる保証など、いくつか越えな
ければいけない課題があります。また、特許は出さずにブラックボックス化し、製造も全て内製化します。模倣は必ず出現しますので、事業化を加速させる必要があると考えています。
 現在は非常勤社員を含めて5名の体制ですが、事業を拡大し若い社員に事業を継承していきたいと考えています。将来は無借金経営を続けてIPOを実現したいと考えています。大型の受注もあり、遠い夢ではなくなってきました。

 

会社概要

 

入居BI クリエイション・コア名古屋
代表取締役 羽根田 晃
所在地 愛知県名古屋市守山区下志段味穴ヶ洞2266-22
     クリエイションコア・名古屋206号室
事業概要 放射能遮蔽材、アスベスト無害化薬剤などの環境浄化材料の開発、提供
URL http://kn-inter.co.jp/index.html(新規ウィンドウ表示)

 

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製品紹介

アスベストを無害化する薬剤「JP-010」

 アスベストの有害物質である針状結晶「クリソタイル」を分解して無害化する薬剤「JP-010」。防音・断熱用にアスベストを施工した建物解体時に、本薬剤を噴霧することでアスベストを無害化し安全な状態で作業を行える。将来的にはロボットによる噴霧作業も導入し、より安全な撤去作業を実現する予定。

写真左:使用前、写真右:使用後(黄色に変化)

会社略歴

2010年1月
水素発生セラミックスを発表
2011年12月
放射性物質除去剤開発開始
2012年12月
一般社団法人 日本最先端技術研究所設立
2015年1月
株式会社JPカンファレンス設立、クリエイション・コア名古屋入居
10月
株式上場計画推進室設置
12月
資源環境型ものづくりシンポジウム 委員長賞受賞

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インキュベーションの利用

入居のきっかけ

 周辺に研究所の多い、そういう所に身を置きたいと考え、クリエイション・コア名古屋を選びました。ここであれば、専門家と話す機会も増えると考えました。また、事業を進める上では多くの機械や評価装置が必要になりますが、高額で購入することは不可能なので、周辺施設や企業など機械や評価装置を利用できる環境がある事も魅力でした。

 

入居しての変化

 IMによるマッチングで、同じく入居企業の株式会社日本環境アセスと連携し、データ分析等が進みました。当初は1事業からスタートし、現在は、3本の事業を柱とする目処がつきました。
 

 

入居してよかったこと、将来の入居者へのメッセージ

 研究は楽しい、好きなことをやりたい。そんな想いを共有する入居企業同士が、違う観点で話が出来ることが、とても良いと感じています。結局ビジネスは良質なネットワークで成り立っていると思いますが、ここにはその環境が整っていると思っています。

クリエイション・コア名古屋 
インキュベーションマネージャー 速田 義博 

 同社は、放射線遮蔽材、アスベスト・RCF(リフラクトリーセラミックファイバー)処理剤、環境浄化設定剤等の開発を通じて、様々な環境問題を解決しようとする会社です。同社の成長・発展のための支援を行なうことによって、これらの製品が世界中に広まり、社会に取り残されている課題の解決につながることを期待しているところです。
 

 

入居施設データ
クリエイション・コア名古屋
〒463-0003 愛知県名古屋市守山区下志段穴ヶ洞2266-22

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