インキュベーション >  ビジネス・インキュベータ入居企業 活動報告 >  株式会社テクニカルサポート (2015年9月取材)

株式会社テクニカルサポート (2015年9月取材)

創造と挑戦!研究開発から試験・製造まで
ワンストップで提供するエンジニアリング企業

自動検査選別装置、計測処理制御装置、光学関連機器、医療関連機器といった幅広い分野で事業を展開。現在、EV自動車開発に必須な高速モータ試験用ベンチを開発し注目を浴びている「株式会社テクニカルサポート」代表取締役の山本純夫氏にお話をうかがいました。

技術イメージ

インタビュー

代表取締役

山本 純夫 氏

山本社長

起業、会社の生い立ち

─会社設立の経緯をお聞かせください

 当社は1979年に創業し、1982年に株式会社テクニカルサポートとして事業を始めました。当初の従業員は2名で装置や治具の設計製作を行っていました。徐々に事業領域を広げて、介護・福祉関連機器に組み込まれるシリンダーの精密ポンプ、工作機械等に挑戦して参りました。しかし、後発企業でしたし、場所、設備、人材、資金など多くの課題を抱えていましたので、その日その日を過ごすのが大変という状況でした。そこで、ニッチ分野でオンリーワン、ナンバーワンを目指さなければという考えを持つようになりました。
 そんな時、前職でお世話になった会社の社長から御声掛けをいただき、1990年に細江の工業団地テクノランドに進出することになりました。この時にメカトロ分野に進出しようと決めました。移転してきた時の従業員数は10名、それから3年間で30名まで増えました。中小零細では採用は非常に難しいのですが、工業団地に移転したことで信用力が高まり採用、資金調達は上手く乗り越えることができました

 

事業の展開と現在

─急激に人材を増やして勝算はあったのでしょうか?

 売上高1.6億円の時に、3億円の投資をしました。周囲からはかなり反対されましたが、自分の中では出来るという自信がありました。ただ、勝算があったのかと言われると具体的なことが見えていたわけではありません。反対に5-6名でやっていたら大きな仕事は出来ないでしょう。従業員数が3〜4倍に増えたら、売上高も3〜4倍に増える、取引先も増える、そう信じて取り組みました。電気・電子関連の技術者も採用し、計測・検査関連の電子部門を立ち上げました。パソコンを活用した装置を開発して販売しましたが、大手専用機メーカーはパソコンの活用は取り組んでいませんでしたので、多くの受注を獲得することができました。計測装置・検査装置は部品点数も多く、利益率が低くなりがちですが、当社は機械設計・電子設計・電気設計から部品加工、組み付け、実装まで一貫して社内で行うという強みを有しているので事業としてやってくることができました。

 

─順風満帆でしたか?

 リーマンショック後に多くの企業が設備投資を抑制したことで、当社も大きな影響を受けました。最大で売上高75%減という危機もありましたが、品質重視、新製品開発という流れもあり、それが追い風になって当社の事業の重要性が益々増して何とか乗り越えることができました。お陰様で、現在はリーマンショック前の売上高を更新して最高益を達成しております。

 

社屋外観

そして、これから

─新たな取り組みについてお聞かせください

 現在注力しているのは電気自動車に搭載されるモータ用試験ベンチの事業です。自動車も技術革新が進み、エンジンの自動車から電気自動車に移行しつつあります。電気自動車になりますと駆動はモータになりますので、モータの性能を測定し、安心・安全を保証することが重要になってきます。 
 高速モータ用試験ベンチの装置は新連携という制度を活用し当社がモータを開発し、インバータと電源は連携会社の協力を得ました。20,000回転まで評価可能です。目標とする25,000回転も実現性が見えてきました。他社にない当社の強みはモータ、インバータ、電源、計測を全て内製化出来る点です。価格も大手企業の約半額で実現可能です。現在、多くの自動車メーカーの受託試験をしており、高速モータ用ベンチの販売実績もあります。低速モータ用試験ベンチも大学等の研究機関を中心に引き合いがあります。今後はビジネスの成長速度を加速出来ればと考えております。
 全く新しい取り組みとしては、五感を数値化することによって、柔らかさ・色調等を判断できるロボットや色調の目視検査の自動化などに取り組んでいきます。そのためには異分野の技術を持つ企業との連携が重要になってくると考えています。
 

会社概要

 

入居BI 浜松イノベーションキューブ(HI-Cube)
代表取締役 山本 純夫
所在地 本社:静岡県浜松市北区細江町テクノランド7000-71
研究所:静岡県浜松市中区和地山3-1-7 HI-Cube
事業概要 FCV・EV・HEV用モータ性能試験装置開発製造及び試験受託
研究開発支援設備・装置開発製造/製造支援設備開発製造
医療・福祉用機器開発製造、光応用検査装置開発製造
URL http://www.t-support.co.jp/(新規ウィンドウ表示)

 

↑ページのトップへ

製品紹介

高性能モータ試験システム

 

EMoTS(Electric Motor Testing System)は、高性能化が著しい50kW以下クラスの高性能モータ(EV用主機・HV自動車用主機・電動射出成形機用・電動サーボプレス機用など)の研究開発の現場をターゲットとした高性能モータ研究開発総合試験システムです。

高性能モータ試験システム

会社略歴

1979年1月
浜松市西ヶ崎町にて創業
1982年1月
株式会社テクニカルサポート設立
1990年10月
浜松地域テクノポリス『(協)テクノランド細江』に進出
10月
機械部門に加え電子部門を開設
1996年2月
浜松都田インキュベートセンター内に関連会社設立
1999年10月
工場および技術棟を増設
2013年2月
“SRモータに対応可能な高速モータ開発支援ベンチの開発と事業化”において、
新連携事業認定(関東経済産業局)
2013年10月
HI-Cubeに入居

↑ページのトップへ

インキュベーションの利用

入居のきっかけ

 HI-Cubeはオープンする時から知っていましたが、当時はまだ必要性がありませんでした。今は開発拠点、ショールームとして活用しています。セキュリティーがしっかりしているということが決め手でした。

 

入居しての変化

 入居前は敷居が高いという印象を持っていましたが、実はみんな優しいです。様々な情報が集まってくるようになりました。展示会情報、助成金情報などは助かっています。信用力も上がりました。大手自動車メーカーの開発担当者と打ち合わせをするにも最適の場所です。

 

入居してよかったこと、将来の入居者へのメッセージ

 費用は決して安くはない。だけど、それを上回る価値を得ることができます。企業単独で出来ることには限界があると思います。HI-CUBEには優れた企業がいっぱい入居しています。企業同士が情報交換するだけで新たな連携が生まれてきます。また、常設のIMから様々な情報提供があります。企業の信用力も向上します。新たなチャレンジを志す方はぜひ活用されてみてはいかがでしょうか。

浜松イノベーションキューブ(HI-Cube) 
チーフIM(チーフインキュベーションマネージャー) 今野 瑞嘉

同社は中小企業経営革新法に基づく経営革新計画、関東経済産業局の新連携認定等を獲得しながら革新的なメカトロ製品を多数開発してこられました。山本社長は新製品開発のアイディアの源泉であり、ニッチ分野でのオンリーワン、ナンバーワンを目指す経営の機関車の様な存在です。 HI-Cubeでの新事業実施に当たっては、「セキュリティーがしっかりした施設なので、顧客データ等の機密保持が保たれ研究開発には最適。」「受託評価試験を実施するに当たり、顧客を呼びやすい環境。」「隣接する静岡大学との連携に好立地。」といった理由から即断即決の入居でした。今後はショールーム的な活用も検討されておりますので、IM一丸となり、経営のソフト支援は勿論の事、来訪者を心地よく迎えられるよう、施設の更なるオープンな雰囲気の醸成に努め同社の信用力の向上に一役かって参る所存です。

 

入居施設データ
浜松イノベーションキューブ(HI-Cube)
〒432-8003 静岡県浜松市中区和地山3-1-7

活動報告 掲載企業一覧