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NSマテリアルズ株式会社 (2015年8月取材)

産総研発!ナノテクとバイオの新産業
領域に果敢に挑戦する
ベンチャー企業

産業技術総合研究所(産総研)技術移転ベンチャー企業である「NSマテリアルズ株式会社」代表取締役・金海氏にこれまでの御苦労と今後の展望についてお話を伺いました。

ナノ蛍光体

インタビュー

代表取締役
金海 榮一 氏

金海社長

起業、会社のおいたち

─産総研(※)技術移転ベンチャーとお伺いしました

 私はバイオ機器メーカー出身で、微細な空間で化学反応を制御する技術「マイクロ空間化学技術」を用いた分析装置の開発をしてきました。マイクロ空間化学技術というのは、マイクロリアクターと呼ばれるミクロンサイズの微細流路を有する微小反応器を用いて、超高精度な化学反応制御を行う技術です。産総研ではマイクロ空間化学技術を活用してナノ粒子を合成する研究を行っており大変興味をひかれました。産総研では、産総研ベンチャー創出プラットフォームを立ち上げ、産総研の研究成果を生かして日本型ベンチャー企業を起こし、成長過程・成長モデルの研究を行う目的で2002年から2007年に「ベンチャー開発戦略研究センター」を開設しており、私は2004年にスタートアップ・アドバイザーに就任し、2006年5月にNSマテリアルズ株式会社を設立しました。その意味でNSマテリアルズ株式会社は産総研にとっての研究対象でもあるベンチャー企業と言えます。

※国立研究開発法人産業技術総合研究所

事業の展開と現在

初期に調達した資金を使い切って、どう乗り越えたのですか?

 立ち上がりは順調でした。起業して1年後に大手商社からの出資と大手化学メーカーからの開発委託費で数億円を調達することができました。これにより研究開発は弊社、製造は大手化学メーカー、販売は大手商社という体制も初期段階で構築できました。調達した資金を元手に3年間で何か1つ販売可能な材料が開発できればと考えていました。ところが結論を申し上げますと販売可能な材料は開発できずに数億円を使い切ることとなりました。この間、小さいながらも経営を支えたのは医療機器事業でした。決して大きな収益ではありませんが、着実に実績を上げていくことで本格的に材料事業に取りかかるまでの間を何とかつなぐことができました。2009年(第5期)に何かを変えなければいけないと決意し、2010年(第6期)に受託開発から自主製品開発に転換すると第二創業を宣言して、「GROWTH、GOING」というスローガンを掲げました。その時に着目したのが量子ドット蛍光体(Quantum Dots)です。これは化合物半導体ナノ粒子でLED光源用の高機能なナノ蛍光体となるものです。
 

─次世代の4K、8Kテレビに必要不可欠な材料だそうですね

 現行のディスプレイは、白色LEDバックライトとRGBカラーフィルターで色を再現しているのですが、われわれが開発した赤と緑の量子ドットと青色LEDの組み合わせは、液晶ディスプレイの理想に近いバックライト光源が実現できるため、現行の白色LEDと比べて色域と色再現性を格段に高くすることが可能です。現在、多くの企業から引き合いがあり、それらの期待に応えられるよう奮闘しています。また、多く皆様に応援していただき量産工場を建設中です。

NSマテリアルズ

そして、これから

─世界で4社が激しい競争をしていると聞きました

 ディスプレイ関連におけるナノ蛍光体市場規模は1000億円超になると考えています。ディスプレイ用としては、我々も含めて世界で4社がナノ蛍光体メーカーとして凌ぎを削っています。今後、株式公開も視野に入れ、ナノ蛍光体の量産化を加速しているところです。その先では、ナノ蛍光体だけでなく、他の産業分野における最先端の材料開発を行うことで社会に貢献していきたいと考えています。 これまでは極力情報を公開せずに開発を進めてきましたが、今後は必要に応じて情報発信することが重要であると認識しています。一方で、情報を公開する以上は開発スピードを上げなければ競争に勝てないとも考えています。  これまで人材採用に苦戦してきました。九州では材料開発の技術研究職人材が不足しており、Uターンを希望する方を採用してきました。情熱を持って一緒に事業を成功させたいと思う方がいれば是非お声かけください。
 

会社概要

 

入居BI クリエイション・コア福岡
代表取締役 金海 榮一
所在地 本社:福岡県筑紫野市立明寺511-1
事業概要 ナノ粒子材料研究開発及び量産、医療機器製造
URL http://www.ns-materials.com/(新規ウィンドウ表示)

 

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製品紹介

スマートフォンに使用されている5インチ液晶ディスプレイ

< ナノ蛍光体使用ディスプレイは、バックライトユニットを白色LEDから青色LEDに変更してQDStick®(0.5ミリ角の棒状ナノ蛍光体)を組み込んだもの。

技術比較説明画像

従来白色LEDによるバックライトを、ナノ蛍光体(+青色LED)に変更するだけで、色域が1.5倍以上広くなる。

面積比

会社略歴

2006年5月
NSマテリアルズ株式会社設立
8月
産総研から「産総研技術移転ベンチャー」称号付与
12月
クリエイション・コア福岡入居
2007年3月
本社移転(筑紫野市上古賀)
10月
医療機器製造業許可を取得(福岡県)
2014年12月
本社移転(筑紫野市立明寺)  
2016年秋頃
新工場の操業開始(予定)

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インキュベーションの利用

入居のきっかけ

 産総研技術移転の拠点として佐賀県鳥栖市にある九州センターを活用していましたが、事業化フェーズに進むに当たり複数のインキュベーション施設を検討しました。実験室・試作室の広さ、賃料、敷金不要という条件、博多駅・福岡空港から近いという立地条件でクリエイションコア福岡に入居することになりました。

 

入居しての変化

 常設のインキュベーションマネージャーから様々な支援メニューを紹介していただき利用しました。税務関連の経営相談や公的資金の情報提供・獲得に向けた支援をいただき感謝しています。

 

入居してよかったこと、将来の入居者へのメッセージ

 中小機構が運営するインキュベーションセンターはセキュリティーも充実しているし、ここに入居することで企業の信頼度が向上したと認識しています。インキュベーションマネージャーから情報提供や無料経営相談がいつでも受けられる点も魅力です。100%の問題解決に至らなくても解決の糸口を得ることができます。言葉は良くないですが、使い倒すくらいの積極性が必要ではないでしょうか。

クリエイション・コア福岡 
インキュベーションマネージャー 次田 且弘

 同社は産総研の技術移転・研究開発型ベンチャー企業として2006年5月に創業し、クリエイション・コア福岡には2007年1月より入居(2006年12月契約)しています。当初予定していた開発材料を方向転換し、2010年より世界に3社しか先発企業が存在しない量子ドット・ナノ蛍光体の開発に取り組み、予定どおり昨年から売上計上ができるようになりました。2016年秋稼働予定の新工場で本格的に量産化体制に入る予定です。

 金海社長は設立直後より取締役社長として経営のかじをとり、設立9年目にして株式上場も視野に入れる「切れ者社長」ですが、過去も今もこれからも苦難をものともせず、試練と困難に立ち向かっていく方であります。また品性高潔でマナーも良く、人間的な魅力あふれる経営者でもあります。今後も中小機構の支援ツールをご活用いただき、更なる成果を期待しています。

 

入居施設データ
クリエイション・コア福岡
〒818-0041福岡県筑紫野市上古賀3-2-16

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