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第4回年次総会で採択「人本経営大学院」来春開講へ人を大切にする経営学会将棋ソフトの強さ語るAIプログラム開発者が講演都産技研セミナーパートナー探しが肝要虎ノ門セミナー 中国ビジネスを解説〝北と南の逸品〟をアピール食の大商談会 中小機構コーナーも設置中小機構北海道 稚内市中心市街地を支援横浜商議所など 海外展開支援セミナーグローバル人材活用策を紹介社が分析技術PRJASIS2017 .万人来場(3)第1201号平成29年10月1日(日曜日) 北海道と鹿児島県の〝北の逸品、南の逸品〟を一堂に集めた「食の大商談会」が9月7、8の両日、東京・池袋の池袋サンシャインシティで開かれた。合計233社が、水産品、青果、精肉、スイーツ・菓子、飲料・酒類などの飲食物を出展。首都圏のスーパーマーケット、百貨店をはじめとする小売業のバイヤーたちにアピールし、販路開拓を図った。 同商談会では「オホーツクコーナー」「おじゃったもんせ鹿児島コーナー」など、いくつものコーナーが設けられた。その一つ「中小機構北海道コーナー」では、農商工連携事業などに取り組む道内各社がブースを構えた=写真。菓子遊煎(札幌市)は、十勝、余市、羅臼といった地域の特産品を組み合わせた各種チーズケーキを出品。小山製麩所(同)は、台湾、香港や中東向けの輸出も増えているという麩饅頭(ふまんじゅう)を並べた。 同コーナーには、北海道の大学発ベンチャー第1号となる北海道バイオインダトリー(同)も参加した。規格外などで廃棄されていたようなタマネギを原料とする「タマネギドレッシング」の数々を持参。「タマネギドレッシングのブームをつくったのは当社だと自負している。北海道では500店舗が取り扱っており、この商談会で手薄な首都圏の販路を広げる」(藤岡弘明営業部長)と意気込んでいた。 食の大商談会は、北洋銀行、帯広信用金庫、鹿児島アグリ&フード金融協議会が主催し、北と南の合同開催は今回が回目となる。地域金融機関の横のつながりから、北海道、鹿児島のほか、沖縄、熊本、宮崎、京都、静岡といった各府県の食品メーカーも出展した。 中小機構は9月5日、東京・虎ノ門の同機構本部で中小企業大学校 虎ノ門セミナー「中国、改革・開放年の歩みと今後の展望」を開催した。三菱商事の元常務執行役員・中国総代表で、日中友好会館顧問(前理事長)の武田勝年氏が講師を務め、中国の過去、現在、未来を解説し=写真、中小企業経営者ら人余りが講師の話に耳を傾けた。 中国一筋の商社マンとして活躍し、北京にも長く駐在した武田氏は、1978年から始まった中国の年にわたる改革・開放の歩みを、黎明期(~年)、市場経済化(~2001年)、高度成長期(~年)、新常態の4期に分けて説明し、「年の鄧小平の南巡講話が社会主義市場経済という新しい経済体制の確立につながった」「年の朱鎔基総理による行政、金融、国有企業の3大改革が次の高度成長期の基礎を築いた」と分析した。 2桁の高度成長が終わり、1桁成長の新常態(ニュー・ノーマル)に移行した近年は『大衆創業、万衆創新造』の掛け声のもと、起業とイノベーションに力を入れており、その成果として、スマートフォン決済、自転車シェアリング、配車アプリ、民泊などが急速に普及していると紹介。今年6月に上海や南京を訪れたばかりという武田氏は「動きが速くて、話を聞いていて楽しい」と感想を述べた。 こうした中国に対し、わが国中小企業はどう臨めばいいのか。武田氏は「大きな潜在力がある中国は、進出を検討するに値するマーケット」としたうえで、「信頼できる中国パートナーを見つけることが何より大切。日本の倍規模の3千数百万にのぼる中国企業の経営者の出自をみると、公務員、学者、留学帰国者、農民、軍人とさまざまで、公務員上がりの経営者の中には会社経営に興味がない人もいる。1、2年かけてじっくりとパートナーを物色すべきだ」とアドバイスした。 横浜商工会議所、ジェトロ(日本貿易振興機構)など4団体は9月日、横浜市中区の横浜シンポジアで中堅・中小企業の海外展開支援セミナー「海外展開成功のための外国人材の採用・活用について」を開催した。海外販路開拓・拡大の戦力として外国人の雇用に関心のある中小企業の人事担当者ら約110人にグローバル人材の採用策を紹介した。 セミナーは2部構成。1部は、ジェトロの田中一史総括審議役(国際展開支援担当)が「中堅・中小企業の海外展開とグローバル人材の活用について」と題して講演した。 ジェトロの2016年度調査では、企業が海外ビジネス拡大で最重要視するポイントに、日本人社員のグローバル人材育成、外国人社員の採用、海外ビジネスに精通した日本人の中途採用などが挙げられている。田中氏は、実現策としてジェトロの開発途上国への派遣インターンシップ事業や、新輸出大国コンソーシアムの専門家による助言、および企業と留学生らとの交流会などの活用を促した。 外国人の採用・定着策では、ジェトロが今年度から実施している「外国人受け入れインターンシップ事業」を紹介。途上国の若手人材123人を日本の中小企業などに派遣することで、外国人との協働や異文化交流経験による社内の意識改革などを支援しているとした。 日本で学ぶ留学生については、日本で就職を希望する者の割合が6割強で最も多い半面、日本で就職している者は卒業留学生の3割程度にとどまっており、「このミスマッチを解消する諸策を検討中」とした。 2部は、帝京大学学修・研究支援センター特任准教授の森吉弘氏が「脱日本流で、採用と働き方の改革を~外国人教育(年)から見える定着の方法とは~」と題して講演した。 外国人採用のメリットとして、多言語対応力、当該国が少子化事情にないことによる優秀な若手人材の確保、海外進出時のコミュニケーション円滑化などを挙げたうえで、外国の個人主義から競争相手に資する情報は開示しない傾向や、協働意識の不足など多くの違いを受け入れる覚悟と体制整備を求めた。 採用時には英語での面接、採用条件の明確化や5年のキャリアパスを示して志願者の成長意欲に応える準備などを勧めた。「外国人と完全に分かり合うのは難しいが、歩み寄って新たな関係を構築することはできる」とし、コミュニケーション能力の向上を促した。 中小機構北海道本部は9月4日、稚内商工会議所で、平成年度下期の「中心市街地商業活性化診断・サポート事業(プロジェクト型)」について、採択通知を授与した。北海道本部の小林秀章企画調整部長=写真㊧=が稚内市中心市街地活性化協議会の達英二会長=同㊨=に通知書を手交した。今後、半年間にわたり同地域の中心市街地活性化の構想化支援を行う。 今回の採択により、北海道本部は中心市街地活性化サポートマネージャーを中心としたプロジェクトチームにより、調査・分析に基づく診断や助言を実施。中活地区内の稚内中央商店街や駅前商店街などで構成する「稚内中央地区再生コア会議」が検討する構想の事業化を支援していく。 中小機構は中心市街地活性化事業として、地域のまちづくり、活性化を支援する情報提供や助言、専門家派遣などを行っている。 人を大切にする経営学会(会長・坂本光司氏=法政大学大学院教授)は9月9、の両日、東京都千代田区の法政大学市ヶ谷キャンパスで第4回全国大会を開催した。「人を大切にするダイバーシティ経営」をテーマに、全国から大学の企業研究者や中小企業経営者らが参加し、人を大切にする経営を実践する経営者たちの講演のほか、分科会で研究報告が行われた。 初日の年次総会の冒頭、坂本会長は「学会設立からわずか4年で企業会員を含め1500人の規模となった。人を大切にする経営こそが王道であると多くの人が気づいてくれたことが要因だ。業績が悪化すると社員を解雇して生き残ろうとする考え方は間違いであり、経営者の責務は人(社員)を幸せにすることだ。われわれは、表彰制度を通して人を大切にする企業を世の中に増やし知らせていく」と挨拶した=写真。 続いて事務局から「人を大切にする経営大学院」(人本経営大学院)を開講する議案のほか、中小企業や福祉企業が開発した製品の販路開拓を支援するため、有力企業とのマッチング機会を学会が提供する事業案が提出され、それぞれ了承された。 人本経営大学院の開講は「人を大切にする経営を体系的、理論的に学ぶ高等教育機関が存在しない状況から、当学会が事業として経営人材育成を行う。これにより人を大切にする企業が飛躍的に増加することを目的とする」(事務局)とした。対象者は、中小企業経営者、後継者、幹部社員や起業家、学生、専門家ら事業に賛同する関係者で、定員は人。月から募集を開始する予定。 場所は都内で開講し受講期間は1年間。毎月週末の2日間で座学、演習、現地研究のほか、年2回の合宿も行うとしている。今後、支援機関などから共催の要望があれば連携開催を検討する方針。所定の単位を修得した受講者には修了証書を授与する。受講料は万円で、寄付収入などを含めて独立採算で運営するという。 中小企業、福祉企業の開発製品とバイヤーとのマッチング事業は、来年2月から3月の間に開催する。開催方法は開発企業からのプレゼンテーション方式か施設での展示方式で計画。参加する中小企業は社、福祉施設は社、バイヤーは社を予定している。 その後、全国大会の開会式が行われ、大会実行委員長の赤岩茂・法政大学大学院客員教授が「画一的な人材が求められた時代は終わり、自律・自立する多様な人材が広く求められている。こうした状況からテーマを設定した。講演と2日目の分科会では先端的な研究成果が発表される。会員相互の交流が図られる中で、次の研究や実践のヒントが得られることを期待している」と語った。 基調講演は、人を大切にする経営の実践企業として、クラロン(福島市)の田中須美子取締役会長、コーケン工業(静岡県磐田市)の村松久範代表取締役会長、日本レーザー(東京都新宿区)の近藤宣之代表取締役社長が講演。パネルディスカッションは、「ダイバーシティ」経営をテーマに講演した3氏がそれぞれの考え方を語った。 日本分析機器工業会と日本科学機器協会は9月6~8の3日間、千葉市美浜区の幕張メッセでアジア最大級の分析機器・科学機器展示会「JASIS2017」を開催した。約500社が分析関連技術を駆使した製品を展示し、来場した約2万5000人のユーザーらと多数の商談を展開した=写真。 温湿度計メーカーの佐藤計量器製作所(東京都千代田区)は、無線技術を使った新製品の温湿度ロガーを出展した。精密機器の製作現場や食品の貯蔵庫など環境の変化が問題となる場所では、温度と湿度の監視を必要とする。同シリーズは、最大台のネットワーク通信が可能。無線だから配線や電源工事が不要で、離れた場所の測定値を集中管理できる。親機、子機、中継器の組み合わせで屋外なら最長1600㍍離れた地点を測定できるという。営業部の太田昌宏氏は「無線機に取り組んだのは初めて。新たな需要を開拓したい」と述べ、メーカーや病院などにアピールしていた。 理化学機器輸入販売のエル・エム・エス(同文京区)は、英国製の超純水製造装置を出展した。水道水やミネラルウオーターなどには空気や殺菌目的の塩素などが混入しているため、分析に適した状態にする必要がある。同装置は、水を理論上の「HO」に限りなく近づける。吉野知成営業戦略室長は「世界では%のシェアを持つ業界2位のメーカーの製品だが、トップシェアの製品は%を占めており、国内ではこの差がもっと開いている」と、国内シェアを世界並みにする目標を掲げた。 アナック(岡山県倉敷市)は、メタルエッチングに使う薬液の濃度測定制御装置を出展した。薬液をオンライン測定で目標とする濃度に制御する機能が特徴。これまで液晶や半導体など電子機器業界に販売してきたが、出石治代表取締役社長は新たな顧客獲得に意欲的で「同じ電子機器でも、別の用途があるかもしれない」と需要を深耕する構えだ。 同展は今回で6回目。掲げたキャッチフレーズ「未来発見。ディスカバー・ザ・フューチャー」には、イノベーションを生み出し、将来のビジネス発展につながる発見などのメッセージを込めた。経済産業省、文部科学省、環境省などの後援を得て、新技術説明会、コンファレンスなど400件以上のセミナーほか多数の企画を実施した。 東京都立産業技術研究センター(都産技研)は9月8日、東京・青海の同センター本部で、恒例となった技術や設備の見学・体感イベント「イノベスタ2017」ビジネスデーを開催した。都産技研の活動を分かりやすく伝えることを目的とし、ビジネス展開に役立つ特別講演や海外展開特別セミナーのほか、体験型ワークショップや実演・見学プログラムなどを行った。特別講演では、将棋プログラム「Ponanza」を開発したプログラマーの山本一成氏が「AI(人工知能)はどこまで来ているか」をテーマに、将棋プログラム開発に没頭した経緯と、プロ棋士に勝てるまで強くした進化、さらにAIの課題と将来の方向性などを語った=写真。 冒頭、山本氏は東京大学工学部在学中だった年前、自身のプログラム技術力向上を目指して将棋プログラムの開発を始めた。「小学4年生から将棋を始めアマチュア5段で、将棋への思い入れがあったことに加え、コンピューターは人より計算・記憶能力が勝るので強い将棋プログラムができると考えた」という。しかし、開発したプログラムは「予想に反し極端に弱く、そのころAIに出合った」と経緯を語った。 開発当初は、一手ごとに正解、不正解を教え込む職人的な作業で少しずつ強くすることができた。その後、5万対局のデータを記憶させた。「AIの課題は、エッセンスをプログラムとして獲得することが難しかったこと。計算できないものを計算させることだった」とし、4年前に「プロ棋士のエッセンスを学ぶことができるようになり、自ら学習する機能を備えた。ここから飛躍的に強くなった」と話した。 最近はプロ棋士がコンピューターの手を学ぶようになっている。「Ponanza」の強さは「棋士より対局経験が圧倒的に豊富で、そこから次の一手を指せる」からだと説明。AIの今後については「AIは人から知識を学んでいる。人を補助する、役立つ技術になるか、ターミネーターになるのかは人次第だ」と強調した。 この日は、IoT(モノのインターネット)関連や海外展開に役立つ情報提供、企業の技術担当者向けミニセミナー、都産技研の各種試験機器、設備などの見学会など多彩なイベントが行われた。

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