20170915
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次代担うベンチャーインキュベーション施設から飛躍◆6◆シーエステック(HI―DEC)神戸R&D拠点で医療市場開拓マイクロ流路の利活用を広く提案クラスター交流会などで刺激しあうHI―DECチーフIM 北村 智氏3法認定6社の出展を支援NIPPON MONO ICHI中小機構国際オーガニックEXPO内で〝顔の見える関係〟構築支援担当者ネットワーク強化会議中小機構中  国知っておきたい法律問題戦略的事業承継セミナー都中小公社インフォメーション入居企業紹介パネルの前に立つ谷口氏 シーエステック▽本社所在地=大阪府高槻市大手町3―▽神戸R&Dセンター=神戸市中央区港島南町6―7―4(HI―DEC―102)▽代表取締役=谷口義隆氏▽設立=1999年月▽事業内容=テープ・フィルムの受託加工/アッセンブル、工業用部品トレーの製造販売▽資本金=1000万円▽従業員=人▽本社☎072・662・9191 HI―DEC(神戸健康産業開発センター)▽開設=2006年月▽施設=4階建て、延べ床面積2100平方㍍▽居室=全室、全室ウエットラボ仕様、各室は~平方㍍ さまざまな産業分野で使われるテープ、フィルムやトレーなどの加工・製造販売を幅広く手がけているのがシーエステック。「2000年ごろの〝ガラケー〟全盛の時代は次々と市場が取れた」(谷口義隆社長)というように、製品の流行り廃りと密接に関わるのが同社事業の特徴だ。今、医療関連を重点領域と捉え、神戸健康産業開発センター(HI―DEC)に設けたR&Dセンターで、メディカル新製品/新サービスの開発・実用化に余念がない。 携帯電話、ゲーム機、リチウムイオン電池、各種家電・精密機器、車載機器…。同社製品群の守備範囲は広く、また、その市場環境はダイナミックに変わっていく。そのため、市場や顧客ニーズの行方を見通して、迅速かつ的確に変化に対応することがビジネス成功の鍵となる。 テープの代理店に勤めた後、1999年に独立・起業した谷口社長は、サラリーマン時代に、顧客への迅速な対応がいかに大切か、身を持って知り、その思いを新会社の社名に込める。シーエスのシーはチャレンジの〝C〟、エスはスピードの〝S〟。何事にも挑戦し、スピード感あふれる事業を遂行するとの意図を表した。 市場をウオッチし、変化を予測する中で浮上したのが医療分野だ。同社が得意とする両面テープ・フィルムの加工技術を生かすことができ、市場は持続的な伸びが見込める。谷口社長が医療への関心を高めている折、ひょんなきっかけからHI―DECを知り、同施設内に研究開発の拠点を開設する。2014年のことだ。 同社ではこの神戸R&Dセンターで、医薬品開発などでの用途拡大が予想されるマイクロ流路チップの研究開発に着手し、成果を収めている。マイクロ流路チップとは、プラスチック製のフィルム・薄板などに微細加工を施し、微小流路や反応容器を形成して、バイオやケミカルの基礎・応用研究に役立てるもの。創薬、DNA検査、生体物質分析、有機合成をはじめ、多方面で活用できる。 一連の研究開発のため、UV(紫外線)系の特殊なレーザー加工機を導入した。これにより、他社では困難な超微細加工が可能になったという。谷口社長は「バイオ関連の企業などに提案型の営業を行い、初期の段階からの共同開発を進めたりしている。初期段階から協力することで、将来、量産段階に移行した際の大口の受注も期待できる」と先々を見通している。 HI―DECが位置する神戸ポートアイランドには、先端医療技術の研究開発拠点が集積している。神戸医療産業都市と呼ばれるものだ。その地にR&Dセンターを構えたことは、会社のブランディングやイメージアップの面でも大いに寄与している。同社ではホームページによるセールスに力を入れているが「センター開設を機に、メディカル系の企業や研究機関からのアクセスが増加している」(谷口社長)。 また、神戸医療産業都市に進出している、大手からベンチャーまで国内外、大小さまざまな企業や、大学・研究機関との交流から、多くの気付きやヒントを得てきている。こうしたことから「医療関連の売り上げは、まだ全体の%いくかどうかだが、伸び率は200%と高い」(同)といった状況にあり、近い将来、医療分野が同社の主戦場となりそうだ。 同社は年以上前に中国に拠点を設けるなど、早くからグローバル展開に力を入れている。また、フィリピン向けにメディカル系の製品輸出も手がけているという。神戸R&Dセンター発の成果物が、世界各国の市場を開拓する日も遠くない。 HI―DECは中小機構が中心となり、神戸市や先端医療振興財団の協力のもとに管理・運営しているインキュベーション施設です。神戸市が阪神淡路大震災からの復興の旗印として掲げた「神戸医療産業都市構想」の中核施設の一つに位置づけられます。 HI―DECと同時期に立ち上がった神戸医療機器開発センター(MEDDEC)ともども、医療、健康、バイオといった領域のベンチャー育成施設として、年余り、多くの企業に入居していただき、また卒業企業を輩出してきました。 入居企業同士の交流・懇親会、近隣他施設の企業、大学などとのクラスター交流会などが頻繁に開催され、互いに刺激しあったり、気付きを得たり、連携したりと、この地ならではのつながりが持てるのが大きな特徴です。 私は長年、アステラス製薬で働き、医薬品の特性や発酵に関する研究に従事しました。品質保証の仕事にも携わりました。退職後、経験が生きる仕事として、縁あってHI―DECのチーフIM(インキュベーションマネージャー)に就きました。 これまでの知見を生かすことをベースに、入居企業の成長発展を少しでも後押しするとの気持ちを持って、忙しくも充実した日々を過ごしています。 (談)(4)第1200号平成29年9月15日(金曜日)■中小機構、事業承継セミナーを全国で回開催 中小機構は、月3日の東京会場を手始めに、月にかけて都道府県のカ所で「事業承継セミナー」を開催する。今年度のテーマは「会社の未来は はじめの一歩から」。公認会計士、税理士らの専門家が事業承継の課題、支援施策などについて講演する。 時間はいずれも午後2時~5時。各会場のスケジュールはホームページ(https://29jss.smrj.go.jp/regist/cmp_place.php/)から。申し込みはホームページまたはファクス(☎03・5413・0554)で(先着順)。■TIPS、「お金」がテーマのオープントーキング、9月日に開催 中小機構のビジネス創発拠点TIPS(東京・丸の内)は9月日、オープントーキングスナックを開催する。 今回のテーマは「お金」で、日々の暮らしや活動の中で触れているさまざまなお金について話し合う。ファシリテーターは、特定非営利活動法人bond placeの小笠原祐司代表理事。 参加費無料。時間は午後7時~9時分。詳細と申し込みはホームページ(https://www.smrj.go.jp/enq/kikou/jinzai/101469.html)から。 中小機構中国本部はこのほど、中国5県の経営指導員と意見交換する「第2回中国エリア支援担当者ネットワーク強化会議」を鳥取県米子市の米子コンベンションセンターで開催した。直接支援の実施機関である商工会と意見交換し、中国本部と各県の商工会経営指導員が「顔の見える関係」を構築、小規模事業者の支援に資することが目的。鳥取だけでなく、他県の担当者を合わせ計人が参加した=写真。 今回のテーマは、①支援能力の向上②事業承継③地域資源活用―の3つ。 「支援能力の向上」では、鳥取県商工会連合会の現状が報告された。鳥取県連は市町村合併などにより、平成年から県内5センター(年から3センター)体制を導入して経営支援に特化。実績を挙げてきたが、年が経過してベテラン指導員の高齢化により支援ノウハウの伝承が大きな課題となっているため、キャリアアップ人材育成プランに基づく年度計画の充実を進めている。 また岡山県商工会連合会では今年度から経営支援人材事業を開始し、人の単会職員を県連のベテラン指導員が直接指導するOJTを実施。これに関連し、中小機構が運営する中小企業大学校などで得た知識を現場で活かしていくにはOJTの充実が必要という認識を共有した。 「事業承継」では、岡山県連が中小機構と連携し、後継者育成塾を手始めに伴走型支援(事業承継計画)作成・後継者育成に発展してきた事例を発表。事業承継は難しいテーマだが、中小機構と連携することで成功事例を生むことができた。 「地域資源活用」では、中小機構と鳥取県湯梨浜町商工会によるウオーキングプロジェクト・特産品開発の内容を説明した。平成年度から中小機構の専門家の助言を受けて「ふるさと応援宣言」を盛り込み着地型観光の振興を推進している。他の商工会からもインバウンドの獲得を目指した案件組成について言及があり、中国本部から「観光相談会」への参加を呼びかけた。 この会議は昨年から開催し、毎年度、各県持ち回りで実施する。来年度は島根県連が開催県となる予定だ。 東京都中小企業振興公社は8月日、千代田区の秋葉原コンベンションホールで平成年度第2回戦略的事業承継セミナーを開催した。事業承継を検討する中小企業経営者、後継者や中小企業支援機関ら約100人が参加した。 今回のテーマは「知っておきたい!事業承継にまつわる法律問題」で、松尾綜合法律事務所の八木仁志弁護士が、考慮すべき基本的事項、自社株の承継に関して相続法、会社法制でのポイントや第三者承継を円滑に進める事項などを分かりやすく解説した=写真。 冒頭、八木弁護士は「しがらみが多いのが中小企業・小規模事業者の特性だ」と指摘。家業であっても、さまざまな利害関係者がいることを意識し、経営者はできるだけ早く親族、従業員、債権者など直接利害関係人との調整をしなくてはならないと強調した。 事業承継を検討する際には、中小企業庁の事業承継ガイドラインによる5つのステップを参考にして、「会社内を整理し承継しやすい状態にすることが重要」とした。後継者をどうするのかは、親族内承継、役員・従業員への承継、第三者承継について、それぞれの承継方法での注意すべき事項について詳しく説明した。 また、遺留分に配慮して自社株を後継者に集中させる経営権対策と、自社株、事業用資産にかかる相続税負担の軽減対策も必要になると語った。 事業承継対策をしないことで発生する問題点として、①会社内部だけでなく取引先も不安になる②遺産相続で自社株が複数の人に承継されると、後継者が議決権を行使できなくなる③多額の相続税負担が生じる―などとしたほか、相続争いになるケースも考えられると話した。 相続に関しては、遺産分割、生前贈与、遺言、死因贈与による事業承継のメリットとデメリットを解説したほか、遺留分と民法での特例を説明。そのほか、会社法制活用や、役員、従業員承継のポイントなどを語った。 最後に、M&A(合併・買収)による第三者承継について、留意点と失敗例を解説。信託活用による事業承継の事例と特徴などを紹介した。 中小機構は8月~の3日間、横浜市のパシフィコ横浜で開催された専門展示会「国際オーガニックEXPO2017」で、地域資源活用など3法認定企業の販路開拓を支援する「NIPPON MONO ICHI(ニッポン・モノ・イチ)」コーナーを出展し、飲料、衣料、化粧品など有機素材の商品を製造販売する6社の出展を支援した=写真。 開催初日には、出展各社のブースを専門家が回り、商品内容や販売手法などをアドバイスする商品評価会を実施。1社分程度で商品の特徴を聞き、改善点や魅力の伝え方、展示の仕方などを伝え、販路拡大をサポートした。出展者からは「自分たちだけでは気がつかないことを指摘してもらった。早速、取り組んでいく」との感想の声が聞かれた。 また、出展者とバイヤーとのマッチングを行う「虎ノ門サポート会議」も会場内で行うなど、多角的な支援を実施した。 日本初の山ぶどう無添加ストレート果汁「山のきぶとう」を製造販売する佐幸本店(岩手県久慈市)は、果汁2種類と、きぶどうジャムを展示し、来場者に試飲を勧めていた。佐々木茂代表取締役社長は「地元では栄養ドリンクとして愛飲する人が多い自慢の商品。北東北だけでなく、全国に販売網を広げていきたい」と語る。 有機栽培された桑で育つ蚕の繭を原料にした全身シャンプーと保湿ジェルの肌育化粧品を展示した富士凸版印刷(名古屋市守山区)は、ブースに蚕の繭を展示し、シルク主原料をアピールした。「皮脂膜のバランスを整え健康な肌へ導く、シルクの機能に特化した商品。OEM(相手先ブランドによる生産)する方針なので、専門家が多いこの展示会で成果を出したい」と山本登美恵代表取締役は話した。 国際オーガニックEXPO2017は、消費者の健康志向に対応する加工食品、テキスタイル製品、書籍など生活全般にわたるアイテムを幅広く紹介する展示会。主催は、国際オーガニックEXPO実行委員会とスペースメディアジャパンで、経済産業省、農林水産省などが後援した。 ニッポン・モノ・イチへのそのほかの出展者は次の通り。▽オオサカヤ(愛知県半田市)▽オーラテック(福岡県久留米市)▽デイリーマーム(宮崎市)▽グラシア(熊本市南区)

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