20170915
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平成年度予算 経産省概算要求億円増の億円中小企業対 策 費事業承継、IT導入支援、人材不足対応に重点重点項目栄える地域生み出すにはまちづくり成功の方程式伝授ビジネスト中小会計要領のススメ中小機構 セミナー全国展開まちづくり先進事例に学ぶ中心市街地活性化協議会勉強会全国の9プロジェクト説明2面に続く「経営力向上計画」の説明会開催・関東経産局 (面)中小企業大学校研修回受講者に表彰状 (面)大学発ベンチャー、6社を表彰 (面)3法認定6社の出展を支援・ニッポン・モノ・イチ (面)(1)第1200号平成29年9月15日(金曜日)〈毎月、日発行〉 経済産業省は8月日、平成(2018)年度予算概算要求をまとめ、財務省に提出した。このうち、中小企業対策費は1290億円と、年度当初予算比で174億円上回る規模を計上した。中小企業・小規模事業者を取り巻く課題として、経営者の高齢化、IT(情報技術)導入の遅れ、人材不足を挙げ、それを克服するため、①事業承継・再編・統合による新陳代謝の促進②IT活用の拡大③人材不足への対応―の3点を重点項目として取り組む。これに加え、引き続き粘り強く取り組んでいく政策として、①地域未来企業の発掘、経営力強化・生産性向上②活力ある担い手の拡大③安定した事業環境の整備④災害からの復旧・復興―を掲げた。 中心市街地活性化協議会支援センターは8月日、東京・大手町の朝日生命ビルで「全国中心市街地活性化協議会勉強会」を開催した。ユニークな「まちづくり」を推進している全国9地域のプロジェクト責任者が講師を務め、それぞれの取り組みの勘所を説明した。会場では全国各地でまちづくりに携わっている人たち約100人が、気付きやヒントを得ようと講師の事例発表に耳を傾け、発表後は活発な議論を繰り広げた。 勉強会は、齋藤三・中小機構高度化事業部長の「人口減など多くの課題を抱えている中心市街地が少なくなく、だからこそこの会を開催している。事例発表から課題解決のヒントをつかみ、それを持ち返って実践していただきたい」との挨拶に続き、9つの分科会を実施し、参加者はそれぞれの分科会に分かれて責任者や参加者同士で意見交換した=表参照。 そのうち、北海道富良野市の分科会では、湯浅篤・ふらのまちづくり専務が「富良野のまちづくり会社はなにをしてきたか?」のタイトルで自社の活動を紹介した=写真。湯浅専務は、人口2万2000余りの全国のどこにでもある疲弊している田舎町が、中心市街地施設「フラノ・マルシェ」および「ネーブルタウン」を立ち上げたことで、年間120万人が訪れ、四季を問わず賑わいをみせるまでになった軌跡を振り返った。 富良野市の商店街でパソコンショップを営んでいる湯浅氏は「駅前再開発事業の失敗を目の当たりにして、忸じく怩じたる思いを抱いたのが出発点になった」といい、「ちょっとおしゃれな田舎町『ルーバン・フラノ』構想を打ち立てた。ルーバンとは、ルーラル(田舎)とアーバン(都会)を組み合わせた造語で、新語辞典などにも取り上げられた」などと説明した。 そのうえで「小さな町は何人かが本気になって動くと本当に変わるものなのだと実感した」と、行動することの重要性を説いた。併せて「コンセンサスの形成が何より大切。十人十色の考えをまとめ上げるまで、本当に苦労した」「情緒の話と経済の話を一緒くたにして、人に優しいまちづくりに走りすぎては失敗する。経営的に成り立つことが持続的なまちづくりには欠かせない」と、実体験に基づく教訓を披露した。 中心市街地活性化協議会支援センターは、中心市街地活性化法に基づいて、経済産業省・中小企業庁、日本商工会議所、全国商工会連合会、全国中小企業団体連合会、全国商店街振興組合連合会および中小機構が設置・運営している組織。全国の中心市街地活性化協議会を支援するのが目的で、勉強会の開催はその一環。センター事務局は東京・虎ノ門の中小機構内に置いている。 ①事業承継・再編・統合による新陳代謝の促進 ○事業承継・再編・統合集中実施事業【億円(新規)】・地域の支援機関が連携した事業承継ネットワークを構築し、休廃業リスク分析等も活用することで、地域での事業承継支援を促進する・事業の再編・統合促進のため、地域金融機関等による計画の策定支援や設備投資等の支援を行う。 ○中小企業再生支援・事業引継ぎ支援事業(拡充)【億円(億円)】(うち事業引継ぎ関連【億円(億円)】・後継者問題を抱える中小企業・小規模事業者の事業引継ぎや事業承継の促進・円滑化を図るために、課題の解決に向けた適切な助言、情報提供およびマッチング支援等をワンストップで行う。また、創業希望者と後継者不在事業主等とのマッチングも行う。あわせて、事業の収益性はあるが、財務上の問題を抱えた中小企業・小規模事業者の事業再生の支援を行う。 ②中小企業・小規模事業者におけるIT活用の拡大 ○中小企業・小規模事業者決済情報管理支援事業【4億円(新規)】・受注から入金までの決済業務等についてITを用いて効率化する実証を行い、全国の中小企業に普及するための体制を整備する。 ○経済産業省デジタルプラットフォーム構築事業【億円の内数】・デジタルガバメント実現のため、法人認証基盤の整備やデータ連携の技術基盤を整備するとともに、中小企業向け行政サービスのデジタル化(施策情報の発信、各種申請)、ITクラウドサービスの見える化、官民データベースの連携等の環境を整備する。 ○地域中核企業・中小企業等連携支援事業(拡充)【178億円(155億円)】・中小企業が地域中核企業等と連携して行う活動を、研究開発から市場獲得まで一体的に支援する。その中で、来年度より中小企業のIoT(モノのインターネット)、AI(人工知能)等の技術を活用する事業についての取り組みを促進する。 ③人材不足への対応 ○中小企業・小規模事業者人材対策事業(拡充)【億円(億円)】・中小企業・小規模事業者が必要とする人材を地域内外から発掘・確保・定着を一括支援する。「人手不足対応ガイドライン」の普及や、中核人材等の確保に向け多様な雇用形態の導入促進に取り組む。あわせて、中小サービス業・ものづくり現場・まちづくりの中核を担う人材や、小規模事業者を支援する人材を育成する。 ○中小企業・小規模事業者ワンストップ総合支援事業(拡充)【億円(億円)】・「よろず支援拠点」を活用し、中小企業が抱える経営課題に対応するワンストップ相談対応を行う。あわせて、高度な課題に対応する専門家の派遣や、経営者保証ガイドライン等の周知・普及を行う。 中小機構は8月日、東京・丸の内の東京商工会議所で「中小企業会計啓発・普及セミナー(基本編)」を開催した。中小企業が「中小会計要領」に沿った決算書を作成し、経営改善を図ることが目的。中小機構は毎年度、共催する関係機関を全国規模で募集しており、今回は東商との共催で、専門家が決算書の重要性を解説した。今年度の普及セミナーはすでに各地で始まっており、全国で計350回程度の開催を予定している。 東商でのセミナー講師は、税理士、中小企業診断士などの資格を持つユナイテッド・アドバイザーズの西内孝文代表取締役で、テーマは「税務申告のためだけでの決算書ではもったいない!」。 西内氏は、中小企業は経理・財務に充てる人材が少なく、事務作業にも限界があることから「中小企業の会計に関する基本要領(中小会計要領)は使いやすい設計となっており、これを利用すればいい」と強調。決算書を経営に役立てるためには、まず月次決算を作成することから勧めたうえで、「しっかりと会計すれば黒字決算が増える」とした=写真。 中小会計要領に沿って決算書を作成すれば、金融機関からの信頼度も向上し、金利が低くなるサービスや、国の補助金採択で加点されるなどのメリットを挙げたほか、「法人と個人を明確に分けるなど会計がしっかりしていれば、経営者保証ガイドラインによって経営者の個人保証が求められない可能性もある」とした。 キャッシュフローや決算書の貸借対照表の構造も解説。「利益を出すためには、対照表上の資産を減らし、負債と資本を増やすこと。このコツを覚えれば確実に業績を伸ばせる」と締めくくった。 中小機構が運営する中小企業大学校東京校(東京都東大和市)の創業支援拠点「BusiNest(ビジネスト)」は8月日、平成年度第2回自治体勉強会「繁栄する地域は何が違うのか?―成功方程式―」を開催した。地方自治体や支援機関の職員らが、東京農業大学教授で日本事業構想研究所代表理事の木村俊昭氏の講演に、まちづくり成功の方法論を学んだ=写真。 疲弊した商店街の増加が顕著となり、地域の高齢化率も将来~%に達することが予見されている中、木村氏は地域創生リーダーやプロデューサーを育成するなどで次代を託せる人材開発とまちづくりに尽力している。 地域の再興には「住民に問題を提起するだけでは不十分。『知り気付き』の機会を与えて自ら行動する環境を醸成するのが行政の仕事」と述べ、「この人が言うなら頑張ろう」と住民が思える人材にまちづくりのパートナーとして中核を担ってもらい、ブレーンと合わせて確保すべきだとした。人材確保には、地域のキーパーソンネットワーク図を作成するなどして、実学・現場重視の視点を養うよう強く促した。 空き店舗を補完する家賃補助や、遊休地対策の企業誘致では活性化にならないとし、地域が担うべき新たな役割を示すよう勧めた。具体策の考え方として、地域の基幹産業が繁栄する起業と企業誘致を促した。「基幹産業を促進する固定資産税減免、低利融資、雇用補助などには苦情は出ない」と述べ、事業の目的と目標および実現する手段の整合性を強調した。 持論の「五感六育」も説明した。地域を五感でとらえ、食育、遊育、知育、木育、健育、職育の六育で、まちづくりを成功に導くとし、産業、歴史、文化、環境、医療・介護・福祉、防災の6分野でバランスよく展開すべきだとした。 住民のうち、0~歳を第1次、~歳を第2次、~歳を第3次、歳以上を第4次の年齢層と位置づけ、それぞれに役割があるとしたうえで、第3次年齢層には他人の立場や心情を思いやる「恕・志」を体現し、1次と2次の年齢層にかかわれる環境が必要とした。 まちづくりには、産業、歴史、文化の掘り起こし、子供たちの地域への愛着心を育む環境整備、再生ストーリーをキャッチコピーと合わせて発信することが大切とした一方、不要な会議やイベントの見直しも提案した。 成果は、現状と課題の把握時期などを含めて3年で出すとした。助言により、地域住民が提案した道の駅建設案を住民自らが撤回し、古民家再生に着手して民泊事業を準備している地域もあるという。 重点3項目の中で、事業承継・再編・統合では、▽事業承継・再編・統合集中実施事業▽中小企業再生・事業引継ぎ支援事業、IT活用の拡大では、▽決済情報管理支援事業▽経産省デジタルプラットフォーム構築事業▽地域中核企業・中小企業等連携支援事業、人材不足への対応では、▽人材対策事業▽ワンストップ総合支援事業―を予算化した。 年度の重点項目、引き続き取り組む政策のそれぞれの概要、概算要求額は次の通り(○は予算関連、カッコ内は前年度予算、「拡充」「新規」は前年度との比較)

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