20170715
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企業のタイミングで的確に支援クリエイション・コア名古屋IM 速田 義博氏次代担うベンチャーインキュベーション施設から飛躍◆4◆日本FC企画(クリエイション・コア名古屋)ドローン 飛行時間延伸技術も燃料電池の試験受託が好調家業を継ぐと決めた瞬間中小企業大学校東京校 事業承継セミナー開催卒業生が語  るインフォメーション「不足」が6割超中小企業の人手不足調査日 商自社に合う人材を選ぶ中小企業ができる採用戦略東商葛飾支部セミナー燃料電池の発電評価試験装置を背に堀会長㊧と大野社長 当施設は、自動車や航空機関係企業の集積地区に位置し、主に製造業や試験評価機関が多用しています。研究室は最大256平方㍍と大型。電気、ガス、給排水設備などで装置を置く環境を完備しています。 年8月の就任以来、各社のニーズや事業の熟度に応じた支援を心掛けています。顧客の事業の方向性や進捗を理解し、要望に応じた商品を提供していた前職での営業マン時代と、IMの仕事はアプローチが同じです。企業が求めるタイミングで的確に支援することに配慮しています。 入居企業には、社会に長く役立つ事業を展開する企業に成長してほしいと願う傍ら、入居していない企業や創業予定者の相談に応じる「0号支援室」を設けて、地域の経営活力向上にも尽力しています。 当施設のセミナー受講者が「0号支援室」に寄せた相談が、グループワークやビジネスにつながったこともあります。卒業後の企業も創業予定者も気軽に相談に来られる開かれた施設でありたいと思っています。(談) 日本FC企画▽名古屋市守山区下志段味穴ヶ洞2266― 201室▽代表取締役=大野由佳氏/取締役会長=堀美知郎氏▽設立=2014年4月▽事業内容=燃料電池の部材の企画開発・販売および性能評価▽資本金=500万円▽従業員数=2人▽☎052・726・3022 クリエイション・コア名古屋(CC名古屋)▽所在地=名古屋市守山区下志段味穴ヶ洞2266―▽開設=2002年2月▽鉄骨造2階建て延べ床面積約2520・平方㍍▽居室=生産開発室3室(256平方㍍)・実験開発室4室(平方㍍)・試作開発室室(~平方㍍) 東日本大震災に伴う原子力発電所事故の発生で、太陽光や風力など再生可能エネルギーという分散型電源の必要性が求められるようになった。停電対策としても、工場やビルなどでの自家発電や家庭用の燃料電池コージェネレーション(熱電併給)システムなどが注目を集めた。 日本FC企画は、堀美知郎取締役会長が時代の要請に応えようと、「エネファーム」(家庭用燃料電池コージェネレーションシステム)の開発部長を務めた大手メーカー時代と、退職後の大学教授時代に心血を注いだ燃料電池の開発・評価技術を基盤に2014年、歳で設立したベンチャー企業。燃料電池の発電評価試験装置の開発・販売と、性能評価試験業務の受託という特殊技術を持つ世界でも希少な存在だ。 堀氏は大学で燃料電池を研究する工学部の教授を務めていた年、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の燃料電池研究分野の技術委員に招かれている。年には、NEDOで自動車用燃料電池の高分子膜の品質を評価するため、JIS規格に相当する基準を策定するプロジェクトチームのリーダーにも就いた。 この時の研究・開発が、日本FC企画立ち上げの礎になった。堀氏が同社で開発した低温型固体高分子形燃料電池の発電評価試験装置は、電池を構成するセルの問題点と改良方法を特定できるという。 しかし、目まぐるしく変わる時代のニーズは堀氏を新たな事業分野に導く。燃料電池自動車の開発・商用化や水素ステーションの整備が進められたことで、水素タンクの性能向上も議論の焦点になってきた。 堀氏はこれまでの技術を応用して、水素自動車に搭載する水素タンクの品質をマイナス度の環境下で調べる「超高圧水素材料強度試験装置」を開発し、特許も申請した。堀氏は、自社の強みであるマイナス度での試験環境設定理由をこう説明する。 「マイナス度は、水素には、北海道などの寒冷地で自然にあるマイナス度の環境で充填し、時速100㌔㍍で(高速道路を)走るとさらに度下がる特性があることによる」 堀氏が日本FC企画の代表取締役に選んだのは、大学の堀研究室で特別研究員だった大野由佳博士(工学)。 大野氏の行動力で、強度試験受託業務の業績は好調。燃料電池試験装置の売り上げも堅調に推移して、創業以来3期連続で黒字の見込み。来期は水素タンク試験装置の発売を控えている。 大野氏は「大手メーカーが事実上独占している燃料電池市場と異なり、水素市場では大小さまざまな企業がステーションやタンク開発に参入している」と話し、水素燃料関連市場のシェア獲得に意欲を見せる。 同社は、ドローン用の燃料電池開発にも着手した。市場に出回っている主なドローンは、リチウムイオン2次電池で約分しか飛ばないため、アルミを使った5㍑水素タンクで約2時間飛ばせる技術を他社と共同開発している。すでに試作段階に近づいており、長時間飛行が可能なドローンを活用し、撮影した画像を解析する企業のデータ収集をはじめとする事業にも貢献する構えだ。 クリエイション・コア名古屋への入居は創業1年後。両氏は「設備が整っていて、試験装置を置けるのが利点。当初は資金を借り入れることなく展開しようと思っていたが、借りた実績と返した実績があるのは大きいと速田IM(インキュベーションマネージャー)に教えられ、資金計画を見直せた」と振り返り、経営のイロハを学べたことを好感している。(4)第1196号平成29年7月15日(土曜日)■中企庁、人手不足対応セミナーを7月日に開催 中小企業庁は7月日、今年3月にとりまとめた「中小企業・小規模事業者人手不足対応ガイドライン」を説明するセミナーをさいたま市のさいたま新都心合同庁舎で開催する。全国で順次開催するセミナーの初回。 人手不足を乗り越える人材マネジメントと好事例を紹介する。同庁中小企業・小規模事業者人手不足対応研究会委員の宇佐川邦子氏による基調講演および同氏をモデレーターとするパネルディスカッションで構成する。 ガイドラインは、人手不足を乗り越えるマネジメント、多様な働き手が能力を最大限発揮できる職場づくり、ソフト・ハード両面から生産性向上に取り組んでいる好事例を収集・分析し、人手不足対応の考え方を記載した。 時間は午前時~正午。定員は300人。参加無料。■東京都中小公社、第2回「中小企業新サービス創出事業普及啓発セミナー」を8月1日に開催 東京都中小企業振興公社は8月1日、東京都千代田区の秋葉原ダイビルで、第2回中小企業新サービス創出事業普及啓発セミナー「新事業飛躍の秘訣は新サービスにあり!」を開催する。 酒井理・法政大学教授と、ITを活用して革新的な衣服生産プラットホームビジネスを展開する河野秀和・シタテル代表取締役が、新サービス創出の考え方や事業の構築方法などについて講演。両氏によるトークセッションと、公社による新サービス創出スクールの紹介を併せた全4部構成。 対象は、新たなビジネス創出やサービスに関心のある都内中小企業。定員は人。時間は午後1時分~4時分。参加費無料。 詳細と申し込みは公式サイト(http://www.tokyo-kosha.or.jp/topics/1705/0012.html)で。 日本商工会議所は7月3日、全国の中小企業を対象に実施した「人手不足等への対応に関する調査」の集計結果を発表した。それによると、「不足している」と回答した企業割合は前年調査より5㌽上昇して・6%、「過不足はない」は同3・9㌽低下の・8%となった。企業の人手不足感は3年連続で強まっている。 業種別では、前年と同じく「宿泊・飲食業」の不足感が最も高く、8割以上が不足していると回答した。続いて「運輸業」の・1%、「介護・看護」は前回調査よりやや不足感が和らいだが%と依然として高水準だった。そのほかの業種も前回調査を超えており、全業種で人手不足が深刻度を増している。 企業規模別にみると、従業員数が100人以上は7割が不足している半面、5人以下では「過不足ない」と回答する企業割合が高く、規模により過不足感に差が生じている。 一方、人員が充足できない理由では、「募集しても応募がなかった」が6割を超え最も多く、「自社が求めていた人材ではなかった」「定着しなかった」が続いた。募集段階とは別に、入社後の定着に関しても課題があることが明らかになったとしている。 人手が「不足している」と回答した企業に、人員不足が企業経営に与える影響を聞いたところ、受注を逃したり営業時間を短縮したりする、などの影響が懸念されるとする回答が・7%、すでに影響があるとした%を含め、7割近くが企業経営に影響を及ぼす不安を抱えている。 外国人材の受け入れニーズは「ない」との回答が%と半数を超えたが、「ある」とする%と「検討中」の%の合計で約4割。外国人材ニーズが今後高まることが予想できるという。 同調査は、全国の中小企業4000社を対象に3月下旬から4月下旬まで、各地の商工会議所職員による訪問調査を実施。392商工会議所(回収率・1%)から2776社(同・2%)の回答を得て集計した。 東京商工会議所葛飾支部は6月日、葛飾区のかつしかシンフォニーヒルズで、深刻化する中小企業の人手不足に対応する採用への考え方と、具体的な取り組み手法を伝える「中小企業だからできる実践採用法セミナー」を開催した。人材開発企業で再就職支援などに関わり、独立後は中小企業の採用支援を行うTDフロンティア代表取締役の海野俊也氏が、実践的な採用戦略の構築手法を語った=写真。 海野氏は最初に、現在の新卒採用の現状として、均一の集団から均一の人材を採用するという構造的な問題があるとし「学生に伝えられる採用情報は企業の知名度と条件だけで、大企業向け採用市場になっている」と指摘。この状況下では中小企業が不利なのは当然だが、「必ずしも大企業を志向する人材ばかりではないことを知るべきだ。多少の問題があっても、一つでも秀でている、自社に合っている人材を選ぶ考え方が必要」と語った。 採用基準が画一化していれば同一の人しか採れないが、柔軟な考え方で採用に臨むことで100通りの人材が確保できる。このような採用法は、時代の変化に対応する強い会社の基礎になるとの考え方を示した。 そのためには、①自社の課題・問題点の整理②採りたい人材像の明確化③自社の魅力整理④受け入れ態勢のチェック⑤人材へのアプローチ―を検討。とくに受け入れ態勢では、社員の意識を高めるため、コミュニケーションを通して、人、組織、業務の棚卸しを行い、これにより働きやすい職場環境がつくれるなど副次的効果も期待できるとした。 採用面接に来る人は、会社の未来を知りたがるので「面接では質問攻めではなく、経営トップが情熱的に自社の魅力を語ることが何よりも重要だ。同時に説明を補助するための視覚的な〝モノ〟を作ることが有効」と実践的採用法を伝えた。 一方、国内には万人を超える外国人留学生がおり、優秀な留学生の採用も検討すべきだと海野氏は提案。募集方法によって集まるタイプが異なることを意識し、実務に必要な日本語能力をチェックするなど手順を説明した後、「定着して活躍してもらうためには、教えるより理解し合える社内づくりが不可欠だ」と語った。 中小機構が運営する中小企業大学校東京校(東京都東大和市)は6月日、事業承継セミナー「私が家業を継ぐと決めた瞬間~経営者は何を伝え、後継者はどう学ぶのか~」を開催した。自社で抱える事業承継問題解決の一助にしようと、中小企業の経営者、後継者らが講師を務めた菅谷幸正・宝建材専務取締役の経験談に耳を傾けた。 同セミナーは、東京校の後継者育成専門プログラム「経営後継者研修」の〝卒業生〟による事例紹介が特徴。菅谷氏は、父親が創業した建築資材卸売会社の長男で、同研修の第期卒業生。 米メイン州の高校に留学し、現地大学への進学を目指していた2004年には「会社を継ぐ気はゼロ%だった」と振り返りながら、入社から事業承継を決意するまでの軌跡を語った=写真。 留学中、家庭で起きた事件の解決に悩んだ母親から受け取ったSOSをきっかけに、一転「事業承継する気は100%。熱い思いで帰国した」と事情を説明。同社の取引先企業で営業マンとして3年間の研修を終えて、年に入社したものの、社内最年少で、後継候補者として受け入れてもらえない辛さがあったという。 東京校の経営後継者研修は、父に勧められて「当初は渋々受講していた」が、休廃業する中小企業の増加傾向が顕著なことから、講義で「後継者は存在するだけで価値があると聞き、気負いがなくなった」と心境の変化を語った。 最大の成果として、自社の沿革の理解と経営理念の分析を挙げた。創業以来の父の思いや苦労について、研修の課題だった社長ヒアリングで初めて知り、嫌悪していた父に感謝の念が芽生え、より事業承継に前向きな気持ちになれたことを収穫とした。 今年に入って専務取締役に就任。これまでのやり方に慣れている従業員は変化を嫌い、実績のない後継者の言うことは聞かない傾向を踏まえ、著名な脳外科医・福島孝徳氏の言葉「人の2倍働く」「人の3倍努力する」を自らの覚悟に代えて、近い将来の代表取締役就任に備えている。 セミナーは2部構成。菅谷氏の講演に先立ち、東京校の講師でビジネス・コア・コンサルティング代表の坂本篤彦氏が「事業承継の勘どころ」を説明した。「中小企業は自社の弱みを強みに変えようとするが、強みを強化することで弱みは相対的に薄まる」と述べ、自社事業の分析ツールとして、強み、弱み、機会、脅威を把握する「SWOT分析」を勧めた。 事業の魅力づくりと後継者の能力磨きも必要とした。経営者に付帯サービスと真に提供すべき中核製品の区別を促し、後継者に従業員との人間関係構築を大切にする一方、自社の従来のカラーに安易に染まらない気構えを求めた。

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