20170715
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自社の存在意義を問う「社会貢献と経営」のエッセンス虎ノ門セミナー創業資金、こう調達したベンチャー2社が秘訣語る日本公庫など資金調達は身の丈でクラウドファンディングを解説都中小公社がセミナー「インダストリー.」を解説東京投資育成がセミナー 導入背景と変わる製造業事業者、産み育てる支援を負の連鎖断ち切る施策推進日商・東商がセミナー 安全への意識高まる中国食品産業に好機到来☎0166-65-1200☎022-392-8811☎0256-38-0770☎042-565-1192☎0561-48-3401☎0790-22-5931☎082-278-4955☎0949-28-1144☎0966-23-6800山千佳歳・四国本部長 「打率ではなく打席に入ることを重視していきたい。ヒットだけを目標にすると打てる投手にしか向き合わなくなる。可能な限りバッターボックス(支援の場)に入ることが大切」と山千佳歳・四国本部長は強調する。 その背景には四国が置かれている厳しい現状がある。過去2年間の統計では、中小企業数は毎年1500者、従業員数は同8000人減少。率では、いずれも全国平均を大きく上回っている。 これに人口減少と偏在化が輪を掛ける。年後には四国4県の人口が約万人も減少し、生産年齢人口は四国総人口の半数にまで落ち込むとの予想もあるほどだ。 四国の事業者数の減少は就業の多様性を失わせる。若年層は他県へと就労の場を求め、結果として人口減を招く。市場は縮小していくので、事業者数がさらに減るという負のスパイラルに陥ってしまう。「それを断ち切るには、次世代の担い手づくりに取り組むことだ」(山本部長)という。 必要な支援策は、起業希望者が抱える課題解消に向けた取り組みを優先的に行うこと。そのためには、各支援機関が協力して起業相談や積極的に交流できる場を設け、事業者の創出に力を入れていくことしかない。その中心的な役割を四国本部が担いたいと考えている。 事業者が増えれば就業の多様性が増える。他県から就労者が戻り市場が拡大し、さらに事業者数が増える好循環ができあがる。マイナスからプラスへとスパイラルの流れを変える取り組みに貢献することが、四国本部のミッションの一つといっても過言ではない。 その具体的な取り組みとして検討しているのが、さらなる支援機関との連携強化だ。四国本部が中心となり金融機関を加えた支援機関ネットワークを構築し、それぞれの起業者情報の共有と育成を図る。起業希望者への公的融資の訴求、若年層への経営者教育の場をつくり、起業環境を醸成していくことなどがある。 一方、既存事業者への支援策として人材育成に注力する。四国には中小企業大学校がなく、関西校か広島校まで研修に出向く必要がある。この地理的な制約によらず研修を受けやすくするため、愛媛県西条市、新居浜市、四国中央市の東予3市と連携した人づくり支援を今年月から来年2月まで実施する。 研修内容は同地域に多い製造業の工場長、工場の部門管理者などを対象にした「工場管理者研修」で、四国では最も波及効果が高い地域であることも同地域で行う狙いの一つ。 また、高い評価を得ているのが、専門家を長期継続的に派遣し、経営課題の解決を図るハンズオン支援だ。入念な事前調査で真の課題を特定し、全国から最適なアドバイザーを選定、綿密なプロセス管理を行うことで、大きな成果につながっている。 毎年度末には、支援先企業と専門家が成果を報告する「ハンズオン支援セミナー」を開催。支援機関の担当者らで会場は満席となるなど、注目を浴びている。 さらに、今年度事業の目玉は、9年目を迎える「四国サイコーダイガク」として8月から香川県内の旅館事業者と実施する越境プロモーション支援。専門家の支援を受けながら台湾観光客を誘致する活動を行う取り組み。SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)構築支援や効果的な活用法と現地調査支援などを組み合わせ、プロモーションの有効性を検証する方針。 このように四国本部が取り組む事業は多様だ。円滑に業務遂行するため山本部長が心がけているのが「全員の顔が見えるアットホームな雰囲気の中で効率的に取り組むこと」だと語る。困難な業務も「四国の中小企業に役立つと認識する」ことで、全職員が高いモチベーションを維持できるという。今年2月に行われた平成年度のハンズオン支援セミナー(3)第1196号平成29年7月15日(土曜日) 日本商工会議所・東京商工会議所と中国の国家級・天津西青経済技術開発区管理委員会は6月日、東京・九段のアルカディア市ヶ谷で中国ビジネスセミナー「食品産業と越境ECの最新事情」を開催した。中国では富裕層を中心に食に対する安全・安心の意識が高まり、とくに日本産の食品が注目されている。日本の食品関連企業にとって大きなビジネスチャンスが到来している状況に合わせ、中国向け輸出で注意すべき事項や最新情報などを参加者に伝えた。 冒頭、セミナーを後援した駐日中国大使館経済商務処の景春海参事官が「近年の日中貿易はさまざまな社会情勢の影響を受け停滞していたが、ようやく増加傾向となってきた。なかでも食品関連の伸びは大きい。本日は中国の食品産業の状況を把握してもらい、双方にメリットが見いだせる形にすることを目的としたセミナー。これを機に両国の交流がさらに発展することを期待する」と挨拶した。 講演は、中国向け食品輸出コンサルティングのCCIC・JAPAN営業企画部の周玉波部長が「中国向け食品輸出通関時の主要問題及び対策」と題し、食品輸入時に担当する各地の政府部門の職責や食品の安全に対する規格、食品輸入の基本的な流れなどを説明した。 日本から輸入された食品が不合格になるケースについて「輸入食品を国ごとにみると、日本からの割合は低く、不合格になる件数は上位を占めている」と、中国の規制に合致しない食品が多いことを強調した。 過去4年間の事例では、食品添加剤で不合格になることが最も多いとし、「例えば日本で使われているアカキャベツ色素は中国では禁止されている。これらの情報を事前に把握し対応することが必要だ」と話した。 これらを含めた規格は各地の政府でばらつきがあり、規格統合への作業が行われていると注意点を述べ、「今後の動向を注視してほしい」と語った。 その後、中国での食品関連企業の事業展開や日中間での越境EC(電子商取引)の動向について、中国企業の日本法人担当者らが講演。最後に、天津市の食品産業の概要と進出企業への支援策について、日本事務所代表が説明した。 中小機構は6月日、同機構本部で今年度5回目となる中小企業大学校虎ノ門セミナーを開催した。「ソーシャルビジネス的経営の発想と展開のエッセンス」をテーマに、金融アナリストから転身してチョコレート会社を起業した「DariK」(ダリケー)の吉野慶一代表取締役が、社会の中で自社の存在意義を考える重要性を語った。 冒頭、吉野氏は「思ったら何でも行動を起こす、やらなければいけない」ことが信条だとし、起業から6年を経た現在、中小機構のインキュベーション施設にカカオ研究所、京都市内に販売2店舗、インドネシアに現地法人を置く体制を構築。カカオの生産からチョコレートの製造・販売までを手がける事業内容を紹介。そのほか、大手企業と非食品分野を含め件のNDA(秘密保持契約)を結び、共同開発を行っていることなどを説明した=写真。 チョコレートの製造・販売を始めるきっかけについて、カカオはアフリカが主要生産地として有名だが、インドネシアも生産量が多いことを知ったことだと話し、その理由を探ろうと同国スラウェシ島へ行き農家に泊まり込んでカカオ栽培を体験した。ここでは発酵させず出荷するので品質に問題があること、収入が低く意欲的な農家が少ないことなどを知った。 そこでインドネシアの農家と契約し、発酵させた高品質のカカオ生産を指導し、変動する国際価格ではなく、相場より5割高い固定価格で買い取る仕組みで農家の収入増に寄与する取り組みを始めた。これは商品価格に跳ね返るが、「価格主導ではなく、目指すべき社会への共感が得られればビジネスが成立する」と強調した。 気候変動による不作被害を防ぐため、他の作物との混在栽培なども呼びかけ「飢餓に終止符を打ち持続可能な農業を推進することが可能になった」と成果を語った。 チョコレートの製造・販売を始めた当初は、1日の売り上げが3000円で、閉店を決意したとき、ホテルのシェフが購入。他にはない味が口コミで広がった。起業時の苦労を経て、仏パリで開催される世界的なチョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ」に2年連続で出品することもできたという。 同社はビジネス展開と社会貢献が両立している。これを事業の第一義とすることで、小規模企業でも意識の高い人材採用につながるという副次的な効果もあると述べ、目指すのは「努力が報われる社会づくり、持続可能な社会」だと話した。 東京中小企業投資育成は6月日、渋谷区の同社で「ドイツの国家プロジェクト『インダストリー4・0』がIoTで世界の製造業をこう変える」と題するセミナーを開催した。中小企業経営者ら100人が参加し、モノづくり最先端の動向を熱心に聞き入った。 講師は、ドイツのザクセン州経済振興公社日本代表も務める三菱UFJリサーチ&コンサルティング国際アドバイザリー事業部の尾木蔵人副部長。ドイツ駐在を含めた豊富な経験と現場を見てきた知識による具体的な事例と分析、将来の方向性などの推察を交え、分かりやすく解説した。 冒頭、尾木氏はドイツがなぜインダストリー4・0を国家プロジェクトとして進めているかを説明。製造業の競争が激化する状況下で、①生産性を高める必要性②消費者ニーズ多様化への対応③通信ネットワークの普及―の3点による環境変化への対応があったとし「米IT企業を意識し、手を組んで世界のプラットホームを目指している。日本も乗り遅れてはいけない」と強調した。 また、世紀末から始まった産業革命に触れ、第1次が水力・蒸気機関による機械設備が導入され、第2次は大量生産と分業化、第3次はエレクトロニクス、IT活用による自動生産と続いてきた。「インダストリー4・0は第4次産業革命と言い換えられ、ここからはCPSの活用が始まる」と強調した。 CPS(サイバー・フィジカル・システム)とは、工場のあらゆるデータをセンサーなどによりサイバー上に蓄積してネットワーク化するシステム。サイバー上で行われるシミュレーションが、現場(フィジカル)の生産活動と一致することを目指している。CPSは垂直方向の連結で、これにバリューチェーンをデジタル化した情報通信ネットワークの水平方向の連結が組み合わされることで、工場の効率化、市場ニーズに迅速に追随する体制が構築できると話した。 これらは「自動車産業を中心にした展開だが、今後はモノづくりとサービスがAI(人工知能)で融合し、製造業は大きく変わることになる」と予測。現在、ドイツでは情報通信ネットワークの構築が進められ、EU(欧州連合)の製造業のデジタル化を推進し、競争力強化をリードする流れとなっているとした。 町田新産業創造センター(MBDA)と日本政策金融公庫(日本公庫)は6月日、東京都町田市の同センターで「スタートアップ企業の資金調達成功の秘訣」をテーマにした創業応援セミナーを開催した。起業から3年を経たベンチャー企業2社の代表が、当初の失敗を乗り越えながら資金調達を成功させた手法と創業への思いを熱く語った。 最初に講演した教育事業を手がけるハグカム(東京都渋谷区)の道村弥生代表取締役は、勤務するインターネットサービス企業からスピンオフして2015年4月に教育事業を立ち上げることになった流れを説明。その後、親会社から追加出資に難色を示され会社を清算し、別会社を設立して資金調達に奔走したことを説明した=写真。 「事業計画を見直し、精力的に投資家と会い事業概要を伝えた。だが、親会社の傘下では資金調達はうまくいかない。悩んだ末、新会社を設立することを決断して投資先を求め歩き、大手ネットサービス企業3社から出資を得た」と話した。そこからネットによる英語教育の新サービスをリリースするなど、継続性の高いビジネス展開ができるようになったという。 現在は、日本公庫からの融資も受け、大手出版社との提携や英語検定対応の新サービスなどで事業が軌道に乗っているなどとし、「前職の経験から教育事業に関心を抱き、何とかやり遂げることができた。諦めないことが大事だ」と強調した。 次に、クラウドファンディングで資金調達し、ハードルの高い映画業界で起業したTokyo New Cinema(町田市)の木ノ内輝代表取締役が、映画業界の現状と資金、経験、人脈ゼロで儲からないといわれる業界で事業を始め、国内外の映画祭で入選するまでの状況を語った。 「金融機関、投資家から相手にされない状態でクラウドファンディングに挑戦したが、簡単な資金調達法などはない」と当初の資金集めの難しさと、最初に米国で行った失敗を説明した。 夢、アイデアを持ち、行動力、コミュニケーション能力を備えている人がクラウドファンティングでの資金調達に向いているという。ファンづくり、共感してもらえるようSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で発信し、身近な人たちには事業への思いを語ることが必要だと話した。 続いて、日本公庫多摩創業支援センター、同八王子支店の融資担当者らを交えたパネルディスカッション、創業を検討する参加者らとの個別相談会が行われた。 町田新産業創造センターは年1月に町田市などが出資して設立したインキュベーション施設。 東京都中小企業振興公社は6月日、東京・丸の内の創業支援拠点、Tokyo創業ステーションで「TOKYO×クラウドファンディングセミナー」を開催した。創業を検討する人や中小企業経営者らに対し、多様な資金調達手段の理解と起業や事業運営に役立ててもらうことを狙いに同公社の若手職員が企画・運営した。 講演は、資金調達支援を主要業務とするリンクス代表取締役の鈴木吾朗氏が、資金調達の基礎知識と創業時の調達手段、クラウドファンディングの事例について、自身が持つ豊富なノウハウを基に説明した=写真。 まず、資金調達前に起業家が考慮すべきこととして、①いくら必要か②いつまでに必要か③コストは④経営権は⑤手間は―の5要素がポイントになるとし、「これらを総合的に勘案して、身の丈に合ったベストな調達手段を考えるべきだ」と強調。その上で「ベンチャーキャピタル(VC)からの資金調達のみに頼る考え方は間違っている。経営権を外部に握られるから」と語った。 創業時は、日本政策金融公庫や都道府県で実施している制度融資など公的機関を活用すべきだと主張した。借り入れによるメリットについては、手元資金を持つことで人材確保、設備投資の加速や、経営権が担保できることなどを挙げた。 クラウドファンディングについては、寄付型、購入型、投資型の形態があることや、サービス会社や手数料などの概要を説明。新規商品・サービスで小額な資金を必要とする場合に適しており、「設備投資が必要となる事業では融資や投資による調達にすべきだ」と話した。 その後、クラウドファンディングによる資金調達を活用し事業規模を拡大した2社の代表を交え、トークセッションを行った。 メガネに装着しウインクすることで撮影するウェアラブルカメラを開発したBLINCAM(東京都府中市)の高瀬昇太代表取締役が「ありのままの視界が脳裏に焼き付けられるような外部媒体がほしいと思った」ことが開発アイデアだったと話した。2644万円を調達したという。 A4サイズの画面を2つ折りして持ち運べるタブレット端末を開発したノモス(同国分寺市)の渋谷ゆう子代表取締役は「電子楽譜を印刷ではなく、タブレット端末で使いたいニーズから開発した。量産化に向けクラウドファンディングを活用した」とし、196万円が集まったことなどを語った。

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