20170601
1/4

心躍る企画を事業化「黒い服」専門サイトで成長宙オリエンタル 梶原裕美 代表取締役海外市場取り込みをジェトロ、中小機構など4機関東商が説明会最新の支援策紹介中小機構 7月日まで出展企業の募集開始中小建設業の海外展開「推進協」立上げ国交省 中小機構などと連携中企庁早期経営改善計画策定支援申請受付始まるインバウンド市場拡大テーマにセミナー・東商など (面)年度設備投資、%が実施を予定・景気動向 (面)地域クラウド交流会を開催・中小企業大学校東京校(3面)地方ベンチャー4社がVCなどにプレゼン (面) 日本経済の再興に向け政府は、起業家の育成、支援に力を入れる。ベンチャー企業が活躍する社会には活力があるからだ。だが、起業家が抱く夢も道半ばで途絶えてしまうことが少なくない。事業を継続する企業とそうでない企業との違いは何か。女性用衣料、服飾雑貨などでネットショップを運営する宙(そら)オリエンタル梶原裕美代表取締役の事業展開から、起業と継続の秘策を探った。 今春に開催された「全国ネットショップグランプリ2017」(主催・イーコマース事業協会)で中小機構理事長賞を受賞。昨年度は大阪市のベンチャー企業支援プログラム(OSAP)の採択も受けています。事業が客観的に評価されていますね 「女性用衣料のネット販売事業は後発でしたので、大手や数あるショップと同じことをしても勝てません。大手モールが1商品色のカラーバリエーションをそろえることを推奨していた時、売れている商品を分析していくと黒が先に売れていく。それならば黒に特化した専門店にしようと考え『ロンデルブラック』のブランドを立ち上げました。ユニホーム用として大量の注文が入るなど、販売は好調でリピーターも増えています。現在8モールに出店し、自社サイトも近くオープンする計画です」 「OSAPは、新規事業のワンピース専門月額レンタル『ブリスタ』で採択を受けました。資金調達を含め多様な支援を受け、夏には事業を本格化させる方針です」 起業時の思い、事業化への経緯を教えてください 「起業は軽い気持ちでした。出産後の子育てと仕事の両立が難しく、会社に迷惑をかけているのが辛かった。そのような時にネットオークションで商品を落札。初めてネットショップに関わっただけですが、これが引き金になり7年勤めた会社を辞め、宙オリエンタルを開業しました。最初の取扱商品は、愛好家が多いパワーストーン。中国のサイトで〝石〟を見定め、購入後にブレスレットやストラップなど付加価値を付け国内向けに販売します。事業開始時から売上高は前月比で倍になる好調さ。社名は宇宙から降り注ぐ力をイメージしました。手伝ってくれる主婦が増え、自宅兼職場は足の踏み場もない状態。その後、幸運を呼ぶ石も価格破壊が起こり、先行きの事業運営に不安を感じて新事業として黒い服の専門店を始めました」 個人事業でスタートしてから年。会社経営で心がけてきたことは 「常に次を考え、流行を追わない、振り向かないことを意識しています。事業は心が躍ることしかやりたくない。日常業務は、みんなが働きやすい環境をつくること。これを最優先にしています。主婦が中心の会社です。家庭での不平不満を会社に持ち込み社員間で共感し、すっきりして帰宅しています。これも大切な職場環境だと考えています」 「就業時間は午前時から午後5時まで、残業はありません。それでも月平均3000件の出荷という作業量があるので、どうすれば効率化できるのか、みんなが率先して改善運動を行っています。現状に満足しない社風が自然にできてきました。ホームページ制作やショップ運営など、何でも自分たちでやる。会社の引越しも、自力で運ぶなどバイタリティー溢れる女性ばかりです」 今後の方針は 「黒い服専門店の仕入れは中国から。品質面での不安定さがあり、この対応が課題です。そこで新事業のレンタルサービスでの仕入れは、国内ブランドにしました。この事業が順調に進めば、一定の古着が発生しますので、アジア向けに越境ECとして展開することを考えています。次の事業への照準は、まだ定まっていませんが、ターゲットは無限にあると思います」【企業概要】▽代表取締役=梶原裕美氏▽本社=滋賀県草津市大路1―7―1(☎077・599・1232)▽創立=2007(平成)年5月▽設立=2014(平成)年2月▽従業員数=人(パート含む)▽事業内容=インターネットを利用した衣料品、服飾雑貨などの通信販売、衣料品のレンタルなど▽URL=http://www.sora-oriental.jp/梶原裕美氏(かじわら・ひろみ)滋賀県内の高校卒業後、大手重工メーカーで機械設計補助4年、建設会社で経理事務3年、ソフト開発会社でサポート・ソフト導入、Web制作など7年の勤務を経て年5月に宙オリエンタルを創業。歳。京都市生まれ。(1)第1193号平成29年6月1日(木曜日)〈毎月、日発行〉 東京商工会議所は5月日、2017年度「海外展開公的支援機関事業説明会」を東京・丸の内の東商で開催した。東商、ジェトロ(日本貿易振興機構)、中小機構、東京都中小企業振興公社の4機関が最新の海外展開支援策を紹介した。海外市場の取り込みは政府の日本再興戦略でも数値目標を掲げるなど重視している中で、会場には中小企業、小規模事業者ら約100人が参加。各機関の施策に熱心に耳を傾けた=写真。 経済産業省中小企業庁は、中小企業・小規模事業者の早期経営改善策を支援する「早期経営改善計画策定支援事業」の利用申請の受け付けを始めた。認定支援機関による経営改善計画策定支援事業のスキームを活用し、中小企業・小規模事業者が早期経営改善計画を策定することで、普段から資金繰りや採算面を管理できるよう支援する。 中小企業・小規模事業者が外部専門家の支援を受けて、ビジネスモデル俯瞰図や資金実績・計画表、損益計画、早期経営改善実行計画などからなる早期経営改善計画を策定し、金融機関に提出することで、自社の経営を見直すとともに、企業情報を適正に開示した場合、計画策定にかかる外部専門家費用を補助する(図参照)。計画策定後1年を経過した最初の決算時に、中小企業・小規模事業者と外部専門家が実施するモニタリングにかかる外部専門家費用も補助する。 補助率は関係費用の3分の2。補助上限額は万円。このうちモニタリング費用は5万円まで。計画策定費用で万円の補助を受けた場合、モニタリング費用の補助は受けられない。 支援を求める場合、中小企業・小規模事業者は金融機関に事前に同事業の活用を相談し、認定支援機関の外部専門家と連名で全国各地の経営改善支援センターもしくは中小機構の各地域本部に利用を申請する。 中企庁は、返済条件の変更は必要ないが、売り上げ減少の理由明確化、自社状況の客観的把握、経営改善へのフォローアップなどの希望を持つ中小企業・小規模事業者に対して同支援策の活用を推奨している。 中小機構は、月~日に東京・有明の東京ビッグサイトで開催する「新価値創造展2017」(第回中小企業総合展 東京)の出展者募集を開始した。募集期間は7月日まで。 新価値創造展は、優れた製品・技術・サービスを持つ全国の中小企業が一堂に会するビジネスマッチングイベント。出展者や来場者の出会いによる異業種連携や、ユニークな発想による新商品開発を通じた〝新価値〟を見いだすことで、中小企業やベンチャー企業の製品・技術・サービスの販路開拓や新市場創出、業務提携などを支援する。 今回は「インダストリー&テクノロジー(生産技術/新素材/IoT/ロボット)」「ヘルス&ウェルフェア(健康/予防/医療/介護)」「グリーン&コミュニティ(環境/防災/社会・地域課題)」の3つのテーマで展開。約500社の出展を予定している。 前回は約3万人が来場。開催後のアンケートでは出展者数582社のうち、%が新価値創造につながる成果があったとしている。 申し込みはURL(http:/shinkachi.smrj.go.jp/tokyo/)から。 国土交通省は、中堅・中小建設企業の海外進出に必要な情報・課題を共有し、関係機関の支援策を有効活用してもらうため、外務省、JICA(国際協力機構)、ジェトロ(日本貿易振興機構)、中小企業庁、中小機構などと連携して「中堅・中小建設業海外展開推進協議会」を立ち上げる。初会合を6月日に東京都新宿区で開く。 中堅・中小建設企業には、意欲と能力を持ちながら、知識とノウハウの不足から海外進出を躊躇しているケースが見受けられる。国交省をはじめとする関係機関の支援策も十分知られていないため、有効活用策が課題となっている。こうした状況を打開するため、中堅・中小建設業の海外進出を促進するプラットフォームとして同協議会を設置する。 同協議会の主な活動は①海外進出に必要な情報・課題の共有(海外建設市場の情報提供、海外進出事例の紹介)②海外進出セミナーの開催③支援機関・事務局からの情報提供(支援メニュー紹介、見本市・現地訪問団参加募集の案内)④人材育成・金融支援に関する検討⑤定期的な実績報告―など。 冒頭、東商の担当者は、日本再興戦略の中で2020年に中小企業の輸出額を年比で2倍にする目標を掲げていることを紹介。「何から始めていいかと考えている事業者もこの説明会できっかけをつかみ、目標を明確にしてほしい」と述べた。 まず、東商中小企業部経営指導員の大森和廣氏が相談体制、支援メニューなどを説明した。大森氏は「東商の窓口には年間約1000件の相談があり、そのうち%が輸出関連」とし、なかでも中国とASEAN(東南アジア諸国連合)向けの相談が多いとした。 支援策については、海外展開のための事業計画書作成など「初歩的なものが多い。内容によっては中小機構やジェトロ、東京都などを紹介している」とした。海外展開のためのセミナーやマッチングを実施しているほか、輸出関係書類、原産地証明書の作成など実務的な支援も説明した。 ジェトロ関東貿易情報センター所長代理の洞ノ上佳代氏は、海外カ国に事務所、国内にの貿易情報センターを展開しているジェトロの体制を紹介。海外展開の準備から商談、輸出、投資などステージごとに支援策を用意しているとした。ウェブサイトでは国・地域別、産業別の調査レポートや関税率も調べられるほか、無料の貿易相談窓口もあり、「1日平均約100件の相談がある」と述べた。 とくに、ジェトロが事務局となっている官民連携の輸出支援組織「新輸出大国コンソーシアム」が昨年2月から始まったことを強調。「窓口となるコンシェルジュ、一貫して支援するパートナー、さらにエキスパートがハンズオン支援している」と活用を勧めた。 中小機構販路支援部参事の大田原良子氏は、国別にアドバイザーがおり、国際化支援アドバイスは年間約5000件にのぼっているとし、「とくに中国、米国、ベトナム、タイなどの相談が多い」とした。海外展開セミナーは昨年度138回実施したという。 海外ビジネス戦略推進支援事業については、今年度から投資型と輸出型に分けて支援すると説明。投資型は事業計画策定支援のほか、現地調査に同行する支援もある。輸出型はこれに加え、マーケティング調査、外国語ウェブサイト作成なども支援する。また、海外子会社の〝健康診断〟ともいえる海外事業再編戦略推進支援事業も紹介。いずれも「6月日まで支援企業を募集中」とした。 このほか、ウェブマッチングサイト「J―GoodTech(ジェグテック)」、海外企業のトップを招くCEO商談会、展示会出展サポートなども紹介した。 都中小企業振興公社国際事業課長の須崎数正氏は、「当公社の支援の中心はASEAN」とし、2015年月にタイ・バンコクに事務所を設置して現地で経営相談やマッチング、商談ルームの提供などの支援を行っていると強調。「今年はインドネシアにも事務所を設置予定」とした。 海外展開チャレンジ支援では、昨年から開始したプラン策定支援で「約社を支援した」。販路開拓支援ではSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を活用したプロモーションや、多言語カタログ・動画作成支援も行っていると説明。商社や現地企業などを紹介するビジネスマッチングでは「昨年は500件行い、100件の成約があった。マッチングの事前・事後も支援している」と述べた。 終了後には参加者から個別の施策について質疑があり、関心の高さを示した。

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

page 1

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です