20170401
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インフォメーション人材育成の現場から中小企業大学校受講者の横顔日本ベアリング代表取締役山﨑  亨氏()西 祐喜雄・三条校校長OB会で企業間交流のハブに役員が専門職から脱却 「経営管理者養成コース」で覚醒日本ベアリング株式会社修了生の「生の声」聞く経営後継者研修 在校生・OB合同研修会東 京 校NIPPON MONO ICHI中小機構 社の出展支援日経メッセ内で開催第4次産業革命、事業承継を解説近畿経産局、中小機構近畿など緊急提言シンポジウム開催「大学校は人生経験を分かち合える異業種交流の場でもある」と語る山﨑氏 日本ベアリングは1939年4月、新潟県小千谷市末広町にゲージと工作機械を製造する鉄工所として創業した。以来、直線運動案内機器の総合メーカーとして同地の本社以下、国内にカ所、海外に6カ所の販売拠点を持つまでに成長した。中小企業大学校三条校は、代表取締役の山﨑亨氏が、購買担当の一般社員だった2001年当時から活用しており、現在でも毎年度約人の従業員が営業力、生産力、組織力などの研修分野で受講している。 山﨑氏は、経営陣を底上げするため、役員に「経営管理者養成コース」を受講させている。役員に受講させる理由をこう語る。 「役員になった時点では、製造や営業といった各自の持ち場で実績を積み上げてきた専門職でしかない。取締役としての職責を果たすためにも、私の代わりが務まるオールラウンダーになるべきだ」 山﨑氏は、取締役に登用した人材には現場のエキスパートから脱却して、財務諸表を読みこなし、事業の評価や経営計画を策定、実行する能力を身に付けてほしいと願っている。「自分の持ち場のことしか考えられなかった人材が、他の分野にも耳を傾けられるようになった。私と同じ視点で事業全体を見渡し、包括的に議論できるようになってきた。経営計画書を共用できるし、経営用語も使える」と受講の成果を実感する。8人いる役員は、就任から2年の間に全員が受講しているという。 受講で経営者の領域に近づいた役員には、その能力にさらに磨きをかけることを望んでいる。「それぞれ専門に担当する事業を改善するため、製造コストの削減や新規顧客の開拓に努めるだけでなく、新たな製造技術を開発して、営業効果を高めたり、あるいは営業を効果的に進めるために設計を工夫したりするなど他の部署と連携して成果を挙げることもできるはずだ。縦割り組織に経営者の意識で横串を通してほしい」と経営感覚の多角的な発揮を期待する。 山﨑氏は、本社を構える創業の地、小千谷が超精密加工技術を持つ企業の集積地区であることから、小千谷を技術の街としてブランド化する構想も持っている。 「少子化の影響で雇用が難しくなっている。小千谷が高度な技術集団の街であることを世界に発信して有能な人材を呼び込みたい。半導体メーカーの集積拠点に発展した米カリフォルニア州シリコンバレーは、かつてサンノゼ地区の小さな村だった。構想実現は夢ではない」 山﨑氏は、社業をともに運営する役員と地域振興にも尽力する構えだ。▽本社=新潟県小千谷市千谷甲2833(☎0258・82・5711)▽代表取締役=山﨑亨氏▽事業内容=直線運動案内機器(リニアシステム)の製造販売および海外貿易▽創業=1939年4月▽資本金=2億6000万円▽従業員数=582人 三条校は、信越地域の中小企業を対象にした人材育成機関として、平成4年に開校し、今年周年を迎えます。これまでに約4500社、3万人の方々にご利用頂いています。 当校は、洋食器・金物などの産地で有名な新潟県燕三条地域に立地しています。この地の利を活かして、当校の研修では、なるべく中小企業の現場に赴いて行うカリキュラムを意識的に取り入れています。製造現場の改善実習、先進工場の視察、商業診断など現場で実践的に学べる研修が当校研修の特徴です。 近年、少子高齢化の進展に伴う人材確保難や後継者問題など「ひと」に関わる経営課題の比重が高まっています。三条校でも、「組織づくり」「人事・労務対策」など「ひと」のマネジメントをテーマとした研修の充実を図っています。 平成年度研修では、さらに後継者向け研修を増やし、特に小規模事業の後継者の方も受講しやすいように短期間の研修を充実させています。 開校周年を迎えるとはいえ、当校の認知度は、まだ十分とは言えません。もっとたくさんの方に当校を知っていただくため、昨年月に初のオープンキャンパスを開催し、セミナー体験や施設見学会を行いました。大変ご好評を頂きましたので今年も開催の予定です。 三条校の役割として大切に考えているのは、研修参加を契機に出会った受講者同士の交流です。 経営管理者養成コースと工場管理者養成コースでは、期の枠を越えたOB会を組織しています。 三条校が受講者同士の交流のハブとなり、研修期間中にとどまらない人的交流の場づくりに貢献していきたいと考えています。(4)第1189号平成29年4月1日(土曜日)■TKC全国会と中小機構、全国カ所で「越境ECセミナー」 TKC全国会の海外展開支援研究会は中小機構と共催で、4月下旬から7月上旬にかけて、全国カ所で「明日から使える 越境EC成功へのステップ」と題したセミナーを開催する。各会場とも中小機構の販路開拓支援アドバイザーが成功に向けた具体的な取り組みや、TKC全国会の税理士・公認会計士が税務・会計の留意点などのほか、魅力あるホームページ作成方法なども解説する。 時間はいずれも午後1時分~4時分。各会場の開催日と場所はTKCのホームページ(http://www.tkc.jp/kaigai/seminar/201704ekkyoec)で。■TIPS、ワークショップ「定量化するアタマ」を4月日に開催 中小機構のビジネス創発拠点TIPS(東京・丸の内)は4月日、ワークショップ「『数字で説明しろ』に応える!定量化するアタマになる」を開催する。ビジネス数学の専門家で教育コンサルタントの深沢真太郎氏を招き、定量化のコツを学び、顧客や上司を説得したり、マーケティングや経営に必要な数的感覚を鍛える。 時間は午後7時~9時分。参加費は3000円。詳細や申し込みはホームページ(http://tips.smrj.go.jp/events/20170417businessworkshopsuuji/)で。■中小企業研究センター「グッドカンパニー大賞」の推薦受付開始 中小企業研究センターは、第回(平成年度)「グッドカンパニー大賞」の候補企業の推薦受付を開始した。全国の中小企業の中から経済的・社会的に優れた成果をあげている企業を顕彰する。応募資格は資本金または出資総額3億円以下、または設立後3年以上の法人または個人企業。審査専門委員会、技術評価専門委員会の審査を経て、月上旬にグランプリ、優秀企業賞、特別賞、新技術事業化推進賞を決定する予定。 応募締め切りは6月日。応募方法は同センターのホームページから用紙をダウンロードして送付する。 中小企業大学校東京校は2月日、同校の「経営後継者研修」の第期受講者と修了者が一堂に会する「在校生・卒業生合同研修会」を東京都港区のアジュール竹芝で開催した=写真。約120人が参加し、基調講演や意見交換などで交流を図った。 研修会では今野高・中小企業大学校東京校長の挨拶に続き、CD・レコードを中心に販売するディスクユニオンの広畑雅彦社長が「ディスクユニオンにおける後継創業」のテーマで基調講演した。同社は1926(昭和元)年に輸入中古車販売のユニオン自動車として創業。その後、時代の変化に適応して業態を変え、年に現在の店名とした。 広畑社長は2002年に就任後、前経営者の「後継創業」という考えを実践し、現在の音楽を中核とする〝多柱〟経営により6つの事業を展開している。多柱経営とは「本業関連の周辺事業を展開することで、本業を支える柱を増やすこと」という。 また、一つの分野を「とことん深耕」し、「常に質を高める」ための人財の育成にも注力している。最後に広畑社長は、「いまの経営に至る考え方の多くは書物から得た」と、読書の大切さをアドバイスした。 続いて、在校生と卒業生がのグループに分かれ、在校生が設定したテーマについて卒業生とディスカッションし、コーディネーター役の高橋茂人・BMネットワーク代表が講評をとりまとめた。 最後に、OB会主催の意見交換会が行われ、OB会会長である重永忠・生活の木代表取締役社長の挨拶の後、小渕良男・中小機構理事が乾杯の発声を行った。在校生にとっては、研修時や修了後の経営に関する悩みなどについて「生の声」を聞くことができる機会となった。 近畿経済産業局、中小機構近畿本部などで構成する実行委員会は3月3日、大阪市北区のホテルエルセラーン大阪で「第9回がんばれ!ものづくり日本 緊急提言シンポジウム㏌関西」を開催した。今回のテーマは「第4次産業革命への対応」と「事業承継と人材育成を考える」で、いずれもものづくり中小企業が抱えている課題。講演やパネルディスカッションに、集まった中小企業参加者らは熱心に聞き入っていた。 冒頭、近畿経産局の青木朋人総務企画部長は「人材育成や事業承継は成長戦略でも重要テーマとしている。このシンポジウムで新たなチャレンジのヒントをつかんでほしい」と挨拶した。 基調講演は「ものづくりの現状と可能性」と題して、経済産業省大臣官房審議官の三田紀之氏が第4次産業革命を中心に、世界の動向や日本の対応策などを解説した。三田氏はAI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)、ビッグデータなどを活用した第4次産業革命について、「すべての産業の基盤になる」と強調したうえで、「少子・高齢化、地方経済、エネルギー・環境、食糧などの社会ニーズを第4次産業革命で解決することを考えている」と述べた。 製造業の変革が世界的に進む中で、日本の強みは「ものづくり技術に優れ、それに関するリアルのデータを保有していること」と指摘。このデータが付加価値の源泉としたうえで、米グーグルが自動運転、独シーメンスがものづくりソリューションに乗り出している事例などを挙げながら、製造だけでなく、設計・開発から販売、保守などにもIoTを活用する「ものづくり+(プラス)企業」への転換を促した。 今後の日本の課題として、オープンイノベーションの促進、IT(情報技術)人材の不足などを挙げ、経産省として当面、産学官の情報交換、規制・制度改革などを進めていくとした。中小企業へのIoT導入については、スマート工場実証事業で「スマートものづくり応援隊を各地に整備し、人手不足や熟練技術者の高齢化など現場で抱える課題を一つ一つ解決していく」とした。 この後、商工中金の石尾京ソリューション事業部長が「中小企業の事業承継と金融機関のサポートについて」と題して特別講演。事業承継の現状や関連する税制、支援策などを紹介したうえで、「早めの準備を」と呼びかけた。 パネルディスカッションのテーマは「ものづくり新時代における事業承継と人材確保・育成」。パネラーは大和ハウス工業人事部ダイバーシティ推進室の鳥生由起江次長、シナガワの品川隆幸会長、高橋金属の高橋康之社長、コメンテーターとして商工中金東大阪支店の加賀美孝支店長、中小機構近畿本部の江村寛計ビジネス・インキュベーション・コーディネーターが登壇した=写真。コーディネーターは産経新聞社大阪本社編集局の内田透経済部長。 事業承継について、子息に承継した品川氏は「年がかりで株を譲渡した。魅力ある会社であれば承継もうまくいく」、7年前に3代目社長となった高橋氏は「経営理念に共鳴してもらうことで後継者としてのプレッシャーをはねのけた」と述べた。また、人材確保では鳥生氏は「女性の現場監督を育成し、テレワークにもトライアルしている」などとした。 コメンテーターの加賀氏は3社についてコメントしながら、持ち株会社方式の事業承継の事例を紹介。江村氏は経営後継者研修や専門家派遣制度など中小機構の各種支援策を挙げた。 中小機構は3月7~日の4日間、東京・有明の東京ビッグサイトで開かれた街づくり・店づくり総合展「日経メッセ」(主催・日本経済新聞社)内で「NIPPON MONO ICHI(ニッポン・モノ・イチ)」を開催した。国が認定する新連携、地域資源活用、農商工等連携事業計画により商品を開発した事業者の出展を支援した。 日経メッセは、5展示会と3特別企画で構成され、1200社、4000小間の規模で東京ビッグサイト全館を使用して開かれた。会期中は小売、建築、デザイン、飲食店関係者など万人が来場した。 このうち、ニッポン・モノ・イチは店舗総合見本市「JAPAN SHOP」内に設けられた=写真。支援を担当する経営支援部は、相談コーナーを設置して出展者への展示アドバイスのほか、来場者に向け中小機構の施策を説明した。 多くの人が立ち止まり興味深く見ていたのは、重蔵窯(滋賀県甲賀市)が展示した「水琴窟(すいきんくつ)」。壷の上部から水が落ち、琴のような音を発生させる陶器だ。江戸時代に庭師が考案したものを大物陶器の技術と吸水性の低い土の開発で現代風に再現することに成功した逸品。 「前回、中小機構の支援で出展し、大手建材メーカーへの採用が決まった。手洗い鉢も人気があり、今回も多くの引き合いをいただいた」と信楽焼伝統工芸士でもある今井晃治取締役は語る。購入者経由で海外にも多く輸出されているという。 ブース全面に苔を張り巡らせ、目に優しい緑をアピールしたのは塩谷建設(富山県高岡市)。太陽と雨水だけでメンテナンスが不要な苔は屋上緑化に最適で、省エネにもつながる。 東京営業所の久保道郎副所長は「5年前に事業化した。休耕地を借りて苔を栽培し、地方創生にも貢献する。施工の手軽さと得られる効果を説明している」と話した。 一方、建築・建材展に出展した日東製陶所(岐阜県多治見市)のブースでは「光を透過するタイル」が注目を集めた。このタイルは愛知県立芸術大学の学生が提案して同社が製造した照明器具。中小機構中部本部が実施しているコミュニケーションデザイン支援事業での取り組みから生まれた新商品。 「タイルの厚さを通常の9㍉から2㍉㍍まで薄くする技術は難しかったが、学生の発想はすごいと感じた。自分も社員も意識が変わった。タイルの照明は、今回のブーステーマとした〝和〟にも合致し、評判がいい」と若尾幸将代表取締役は説明する。 ニッポン・モノ・イチへのこのほかの出展企業は次のとおり。 ▽アスカム(静岡県吉田町)▽山田木管工業所(岐阜県山県市)▽北陸リビング社(石川県能美市)▽田中印刷所(滋賀県彦根市)▽ナンゴー(京都府宇治市)▽マツバラ金網(大阪府松原市)▽光洋製瓦(兵庫県姫路市)▽オーヨン(神戸市)▽大利木材(徳島市)▽富士製紙企業組合(徳島県吉野川市)

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