20161201
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人材育成の現場から中小企業大学校受講者の横顔矢野特殊自動車代表取締役社長矢野 彰一氏()山脇 修・直方校校長九州から活力を発信自社への共感高まる成長手段として今後も活用株式会社矢野特殊自動車インフォメーション区内企業社が出展第回いたばし産業見本市地域のちからコレクション2016東京・新宿駅で開催中小機構 出展者を多面的に支援創業促進フォーラム開催市町村の先進事例学ぶ中企庁、関東経産局、中小機構ライフサイエンス関係者柏の葉で第2回交流会中小機構関東など「成長の源は人材」と話す矢野社長 直方校は昨年、創立周年を迎え、これまでに延べ4万6000人以上が受講しています。九州北部はものづくり企業が多いため、生産管理関係の研修が多いのが特徴ですが、マネジメント関連のコースも好調です。中小企業などでは若手社員の教育と定着化が課題となっているためで、受講率も高くなっています。これに伴い、営業やマーケティング関連の研修の充実を図っています。 一方、九州はインバウンドでも注目されていることに対応し、今年7月には「グローバル人材力養成コース」を新設しました。海外ビジネスで成果を高める考え方や、英語によるプレゼンテーション技法などを学ぶ実践的な内容で、受講者にも高い評価をいただきました。 国の女性活躍推進という政策を受け、女性のためのステップアップ講座も初めて開講しました。また、今年度から一部の研修で夜間・早朝講習も始めました。直方校の寮に宿泊してもらい、受講者がより集中して研修に取り組んでもらうとともに、受講者同士の交流を促進し、社外ネットワークの構築を狙いとしています。 直方校の認知度向上に向けては、私自身が各地域の支援機関や民間企業などを回ってアピールしているほか、これら機関の機関誌などに無料広告を掲載してもらうなど多面的な努力をしています。 九州はおいしい食や集客力の高い観光資源、さらに専門性の高い技術や伝統を有する中小企業がたくさんあります。今後も常にこれらのニーズをとらえ、中小企業や地域の活性化に貢献する柔軟な発想と行動力で研修事業を展開し、活力を発信していきます。 ちょうど100年前の大正5(1916)年、創業者の矢野倖一氏が、日本機械遺産にも認定された国産最古の乗用車を製作したという歴史と技術を持つ矢野特殊自動車。昭和年には国産初の冷凍機付き冷凍車の開発に成功した。現在のようにトラックによる冷凍・冷蔵輸送がなかった時代。創業者の技術者魂は脈々と受け継がれている。 冷凍車開発まではダンプカーや電気工事車などを製造していたが、大手企業の参入で競争が厳しくなったため「他の特装車への転換を模索した」(矢野彰一社長)。タンクローリーや車両運搬車、高所作業車なども製造するが、現在では大中型の冷凍車が売り上げの約8割を占める主力商品だ。 冷凍車の普及に伴い、大手企業が続々参入する中で、「大型車の全国シェア約3割」(同)を保っているのは、顧客の要望に応えて設計する受注生産、最新の技術を盛り込んで展示会などに出展する自社主導の企画開発、加えて平成年に買収した同業の「アルナバン」(滋賀県米原市、現アルナ矢野特車)との相乗効果―の3点だと矢野社長は強調する。 なかでもアルナバンの買収により、それまでアルミを使っていた断熱材に、アルナバンのFRP(繊維強化プラスチック)技術を融合し、軽量で高強度の断熱パネルを開発。それを使った冷蔵車がコンビニエンスストア大手の常温配送の指定車となるなど「主力製品に育った」(同)という。 平成5年に、建設機械大手勤務から転じて父親が経営する矢野特殊自動車に入社した矢野氏は、それまでの生産管理の経験に加え、経営者としての資質を磨くため、中小企業大学校直方校の「経営管理者養成コース」を受講する。マーケティングや財務などを学んだと同時に、異業種との交流もでき、「中小企業にとって、他にない非常にありがたい存在」と感じた。もともと「人づくり」を経営方針に掲げ直方校に社員を派遣していたが、矢野氏が平成年に4代目社長に就任してからは毎年、計画的に社員研修として利用。これまでの受講者は延べ560人以上にのぼる。 その成果は「とくに経営管理者養成コースを受講した社員は会社の経営方針を理解し、共感意識が高まる」と指摘。「成長は人材にかかっている。その育成手段として大学校の研修は今後も活用していく」と言い切る。 矢野社長は「日本の物流は危機的状況にある」ともいう。理由はドライバー不足だ。しかも、物流トラックは技術も成熟化し「ニーズが入りにくくなっている」。それに対応、自社主導の企画開発を拡大し、車両の改良を一段と進める構え。 「2022年には創業100周年。それを控え、ドライバーが乗りたくなる車を開発するため、『次の矢を放とう』をスローガンにしている」―老舗企業が一層の前進を目指す。▽本社=福岡県糟屋郡新宮町上府北4―2―1(☎092・963・2000)▽代表取締役社長=矢野彰一氏▽事業内容=冷凍車など特装車の製造▽創業=大正(1922)年(会社設立は昭和=1953年)▽資本金=4900万円▽従業員数=約510人(グループ会社含む)(4)第1181号平成28年12月1日(木曜日)■TIPSが組織力向上セミナーを月8日開催 中小機構のビジネス創発拠点TIPSは月8日、東京・虎ノ門の同機構本部で、組織力向上のためのセミナー&ワークショップ「脱マンネリ!新規事業の発掘を促す創造型コミュニケーション術」を開催する。新分野進出や新たな連携などに役立つアイデアソンの手法を学ぶ。講師は中小機構人材支援アドバイザーの原亮氏。 時間は午後2時~5時、参加無料。詳細と申し込みはホームページ(https://www.smrj.go.jp/enq/kikou/jinzai/099808.html)から。■新輸出大国コンソーシアム、大阪市で海外展示会活用術セミナー 新輸出大国コンソーシアム近畿ブロック会議は月日、大阪市北区の第二吉本ビルディングヒルトンプラザウエストで「我に続け!中小企業等の海外展開セミナー~海外展示会の活用術を教えます~」を開催する。 同コンソーシアムエキスパートによる講演と展示会出展で販路開拓した企業によるパネルディスカッションを行う。 詳細や申し込みはホームページ(http://www.jetro.go.jp/customer/act?actld=B0042024N)から。■「アグリビジネス創出フェア2016」、月日から開催 農林水産省主催の「アグリビジネス創出フェア」が月日から3日間、東京・有明の東京ビッグサイトで開かれる。全国の産学が有する農林水産・食品分野などの最新研究成果を展示などで紹介し、研究機関や事業者との連携を促す技術交流展示会。 環境、食、生産、地域など7つのゾーンに分かれ、200小間以上が出展。3日間で延べ3万5000人以上の来場者を見込む。連日、関連セミナーなどのイベントも開催される。入場は無料。 中小機構関東本部は月日、ベンチャー企業支援を行うTXアントレプレナーパートナーズ(TEP)、三井不動産と共同で、「第2回ライフサイエンス交流会㏌柏の葉」を千葉県柏市のKOIL(柏の葉オープンイノベーションラボ)で開催した。柏の葉地区は東京大学、国立がん研究センターなどの研究機関や、中小機構の「東大柏ベンチャープラザ」、千葉県の「東葛テクノプラザ」というバイオベンチャー企業が多く入居しているインキュベーション施設などが集積。ベンチャーや研究機関の研究者がライフサイエンスビジネス関係者と交流することで、オープンイノベーションを推進することが交流会の狙い。国内外の大手製薬会社、ベンチャー企業、研究機関、支援機関などから約人が参加。活発な情報交換などを行った。 交流会では冒頭、中小機構関東の高橋浩樹副本部長が「中小機構が運営する全国カ所のインキュベーション施設入居企業の約3割はバイオ関連で、とくに東大柏ベンチャープラザは半分以上がバイオ系。日本再興戦略でも重点分野と位置付けられている。交流会は今後も定期的に開催していくので、活用してほしい」と挨拶した。 この後、サノフィ・グローバルR&Dエクスターナルサイエンス&パートナリングの能見貴人ディレクターが講演した。 能見氏は、創薬R&Dが直面する開発の難易度上昇による競争の激化や、成功確率の低さによる研究開発費の高騰を背景に、サノフィの研究開発領域や戦略、パートナーに求めるものについて説明した。また、日本の研究機関や創薬ベンチャー、製薬会社に不足している点にも触れ、競争を勝ち抜くために何が求められているかを語った。産学連携をプロモートする支援機関の役割についても触れ、「自社優先の閉鎖的な環境から、オープンイノベーションへ。サノフィでは革新的な創薬プログラム、創薬基盤技術を積極的に外部に求めている」と述べた。 続いて、日立製作所ヘルスケアビジネスユニット(東京都台東区)、産業技術総合研究所技術移転ベンチャーのジェナシス(さいたま市)、国立がん研究センター発ベンチャーの凜研究所(東京都千代田区)、東京大学発ベンチャーのエルピクセル(同文京区)、東大柏ベンチャープラザ卒業企業のナノキャリア(千葉県柏市)の5社が自社の取り組みをそれぞれプレゼンテーションした。 次回は来年春の開催予定だ。(問い合わせ先=東大柏ベンチャープラザ、☎04・7136・8815) いたばし産業見本市実行委員会(板橋区など団体で構成)は月、の2日間、東京都板橋区の区立東板橋体育館で「第回いたばし産業見本市―製造と加工技術展」を開催した。都内有数の工業集積地である同区には、光学・精密機器、機械産業など多くの企業がある。今回は120社・団体が出展。各社とも自慢の技術と製品をアピールした。 開会式で挨拶した坂本健・板橋区長は「常に技術を磨き、創意工夫を重ね、社会に新たな価値を提供する企業が地域産業力の源。板橋はものづくり企業の皆様とともに歩み、将来にわたり産業文化の発信地であり続けていく」と語った。 会場はブースがぎっしりと並び、「出展希望が増えている。だが会場の容量はもう限界で、各社1ブースに制限してもらうなど調整を図った」(事務局)。来場者は約2200人で、昨年と比べ企業関係が大幅に増加したという。 また、この日に行われた商談会は発注企業社、受注企業社が参加し、件の商談を展開。有識者によるセミナーも人気が高く、開催1週間前には申し込みが定員に達した。 同展に合わせて行われた「板橋製品技術大賞」には社が選ばれ、「新製品・新技術開発チャレンジ支援事業」は5社が採択された。 展示ブースでは、理美容専用のはさみ製造のヒカリが、指4本を使うことで手首への負担を軽減する新製品をアピールした。板橋製品技術大賞で審査委員長賞を受賞した。「東京の理容師は平均歳と高齢化が進んでいる。手首の負担を減らすはさみは、今後の必需品と考えている。これから本格販売する。海外向けも力を入れる方針」と営業部の竹鼻秀樹氏は語る。 金属加工業の三栄社は、試作品用の部品加工を手掛けて年目。「多品種少量で高精度が要求されるこの分野では、海外企業に負けない自信がある」と亀井幸紀氏は後継者として修業中という。 自治体や中小企業支援機関の関係者に創業支援のアイデアを共有してもらい効果的な支援につなげる「創業促進フォーラム2016」が月日、東京都墨田区のKFCホールで開催された。先進的な取り組みを実施している市町村の創業支援担当者らによるパネルディスカッションが行われ、出席者約200人が聞き入った。 パネルディスカッションでは、埼玉県草加市、栃木県高見沢町、山梨県小菅村の職員が、それぞれの支援事業について説明した=写真。その中で、「創業と最も縁遠い自治体職員が、創業支援の視点を学ぶことが欠かせない」(草加市)、「待ちの姿勢ではだめで、ビジネスコンテストに出かけて発表者と直接面談するなど自ら動くことが大切」(高見沢町)、「創業がUIターンの受け皿になるように、小さな村ならではの支援を心掛けている」(小菅村)などの発言があった。 同フォーラムではパネルディスカッションのほか、東京都よろず支援拠点コーディネーターによる同拠点での創業支援事例の紹介や、中小機構の担当者によるビジネスインキュベーション事業の説明、東京ニュービジネス協議会(NBC)特別理事からの「セカンドキャリア創業塾」の案内なども行われた。 同フォーラムは中小企業庁、関東経済産業局、中小機構が主催し、関東経産局管内の市町村関係者らを対象に開催した。創業支援にかかわる情報やノウハウを共有し、横展開を図るのが趣旨。北海道から沖縄までの全国地域で順次、実施中の「地域における創業支援事業にかかわる横展開事業」(9~月)の一環。 全国各地の知られざる逸品が集まり、地域の食や産業の情報発信と首都圏での販路開拓を目指す特産品販売イベント「地域のちからコレクション2016」が月日から3日間、東京・新宿駅西口広場イベントコーナーで開催された。北海道から九州まで社・団体が出展し、特産品や地域開発商品を販売したほか、観光PRなども行い、首都圏の消費者に向けて積極的に発信した。 今年で6回目を数えるこのイベントは、東日本大震災の復興を目指した小規模事業者の販路支援として2012年に初開催。その後は全国の企業が出展する催しに規模を拡大した。主催は、地域のちからコレクション実行委員会で、中小企業庁、観光庁、中小機構などが後援した。 中小機構は、販路開拓支援企画として、出展者に対し「販売・営業スキルアッププログラム」を提供した。販売アドバイザーが各ブースを回り、それぞれの商品について効果的な売り方などを伝えるVMD(ビジュアル・マーチャンダイジング)チェックを実施した=写真。また、新宿は大手百貨店などが集中する日本最大級の販売激戦地。各店舗がどのようなコンセプトで販売戦略を講じているかの解説と、店舗見学5カ条を明記した「新宿店舗見学MAP」を作成し、出展者に配布した。「ここは販売を学ぶ最適な環境。特徴的な5店をピックアップし見学コースとして載せた。せっかく新宿に来たのだから、この機会を有効活用してもらいたい」(中小機構の専門家)という。 VMDチェックを受けたウエイアウト(愛媛県今治市)は、オーガニック・コットン製のガーゼストールなどを展示販売した。タオルソムリエの阿部真理氏は「消費者向けとバイヤー向けの展示の違いなど、知らなかったことをアドバイザーから教わった。〝目からウロコ〟」と話した。 三浦米太郎商店(秋田県にかほ市)は、伝統を重んじて作る「ハタハタ寿し」の試食を来場者に勧めていた。県産のハタハタと米を主原料に、麹、塩、酢などで1カ月漬け込んだ郷土料理。三浦悦朗代表取締役は「今回で3回目の出展だが、昨年からのリピーター客も来てくれてうれしい。商品を知ってもらうこと、生の声を聞くことができるのがいい」と話す。ネット販売にも力を入れていることもアピールしていた。 新宿駅は1日350万人が乗降する日本最大のターミナル駅。駅に隣接した場所での開催とあって、通勤通学客だけでなく、百貨店や専門店に買い物に来る人たちがイベント広場に立ち寄り、会場内は人で溢れていた。「3日間の来場者数は、5万人と推定している。来年も同時期に開催する予定」(実行委員会)という。

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