20131015
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龍馬に学びニュービジネスを高知で新事業創出全国フォーラム伸びる!産業の先駆者たちインキュベーション施設で 事業化に挑むベンチャー  ■3■トーキーシステム(岡山大インキュベータ)技術+アイデアで勝負教育現場などのIT化を支援産学連携と助成金獲得に力岡山大インキュベータチーフIM 鈴木 幸次氏ベンチャープラザ近畿㏌大阪ベンチャーSPIRITS㏌大阪月7日に同時開催2面に続く中小企業79月期景況、持ち直し基調も一服感 (面)プロデューサー人材派遣事業第2次分件採択 (面)地域のちからコレクション・認定7社が出展 (面)期経営後継者研修がスタート・東京校 (面)オフィス内でタブレット端末を手にする岡秀明代表取締役(左端)、吉岡壱哲取締役(左から2人目)と創業メンバー5月に開かれた教育関連の展示会では来場者に対し、「eトーキー」の模擬授業の説明がなされた(パナソニックのブース) トーキーシステム ▽代表取締役=岡秀明氏▽創業=2009(平成)年8月▽資本金=100万円▽事業内容=デジタルサイネージシステム、eラーニングシステムの開発・販売▽☎086・250・0076 岡山大インキュベータ ▽所在地=岡山市北区津島中111▽開設=2008(平成)年9月▽延べ床面積=1642平方㍍▽居室=ラボタイプ室 「大手企業とも取引できるようになり、経営も軌道に乗りつつある」。こう喜ぶのは、トーキーシステムの岡秀明代表取締役だ。 同社はIT(情報技術)を使った教育システム、eラーニング向けの「eトーキー」、デジタルサイネージ(電子看板)向けの「@サイネージ」の両システムを商品化。いずれも、急速に普及しつつあるタブレット端末を利用した。 eトーキーは電子黒板と連動させ、黒板の画面をタブレット端末に表示できる。例えば、先生が黒板に文字などを書くと、それが生徒の手元の端末に表示される。逆に、生徒が書き込んだ内容をその数に応じて黒板を分割して一斉に表示するなどの機能も持つ。画像や動画などの資料も読み込めるなど、教育現場のICT(情報通信技術)化を大きく進められる。 「黒板と端末間のレスポンスの速さ」(吉岡壱哲取締役)という特徴が評価され、パナソニックがトーキーシステムのソフトウエアを採用し、自社の電子黒板などと合わせてすでに首都圏の複数の小学校で試験導入されており、この9月から本格販売を始めた。 一方の@サイネージは、タブレット端末で画像や音声、手書きの文字などのコンテンツを簡単に作成でき、サイネージに送信もできる。操作の簡便性や低コストが評価され、1年前から岡村製作所が販売、首都圏の大手スーパーでも採用されている。店舗では「本日のおすすめサービス」「タイムセール」など日替わりの店内告知に利用されているという。 岡氏らがトーキーシステムを設立したのは2009年。岡氏は地元・岡山で商業デザイン会社を経営していたが、吉岡氏らが開発したパソコンを使った独自の教育システムを知り、新規事業を探っていた岡氏が新会社設立を決断した。当初は「簡単に設立できる」(岡氏)という理由から、有限責任事業組合(LLP)だった。 当時はタブレット端末が出始めの頃で、パソコンより安価なタブレットを使ったeトーキーの開発に成功。教育会社向けにOEM(相手先ブランドによる生産)供給したり、学習塾にも採用された。大手企業とも商談を始めたが、LLPだと取引口座を作るのも難しいこともあって、年に株式会社化した。同社は岡山大学病院看護部の教育用システムを開発した経緯もあって、岡山大インキュベータの存在を知り、「岡山のベンチャーではネームバリューもない。信頼感を得るため」(岡氏)に、同年秋にインキュベータに移転した。 移転したことで、地元との取引も拡大した。岡山大学教育学部付属中学校がこの月からeトーキーの実験運用を始めたのだ。これは岡山大インキュベータの鈴木幸次チーフインキュベーションマネージャー(IM)の仲介で実現した。教育分野で新しい試みをしたいという同大の意向を知った鈴木氏がeトーキーの採用を勧めたためだ。メンテナンスやアフターフォローも同社が担うことになり、「現場の声を直接聞け、生のニーズを知ることができる」(吉岡氏)メリットが得られそうだ。 さらに追い風となりそうなのが、国の政策だ。総務省は教育現場のICT化を推進するため、年度から「フューチャースクール推進事業」を展開。電子黒板とタブレット端末を使ったICT教育の普及を目指す。今年度で実証期間を終えるが、計画では年度に全国100地域で生徒1人1台のタブレット端末を配布。年度までに全国の小中学校に普及させる。eトーキーも採用されるシステムの候補に挙がっており、すでに総務省に「デモンストレーションした」(吉岡氏)という。大手企業のライバルもいるが、「当社のシステムの反応速度はライバルに勝っている」と自信をみせる。 eトーキー、@サイネージとも、アンドロイド、iOS、ウインドウズなどいずれのOS(基本ソフト)にも対応可能。吉岡氏は「技術プラスアイデアがないとビジネスはできない。今後も幅広い使い方を提案できるよう、外部企業と連携して開発を進めたい」と意気込む。岡山発のベンチャーが、教育現場や小売りの店頭などを大きく変える可能性もある。 当インキュベータの運営理念として、「新しいビジネスの創出・成長・発展を支援する地域の拠点となる」ことを掲げています。それを実現するため、岡山大学の敷地内にあるという立地の特性を生かして、まず地元企業と大学との研究開発テーマをどう発掘するかという産学連携に力を入れています。次に、開発テーマが決まったら資金が必要になりますから、研究開発助成金の獲得支援が重要になります。 私は岡山県の産業振興財団で長い間、中小企業の支援をしてきた経験から、助成金の獲得ノウハウも持っています。例えば2012年度の経済産業省補正予算で実行された「ものづくり補助金」では、当インキュベータ入居企業の8社が採択されました。また、年度小規模企業事業者活性化補助金でも、トーキーシステムを含めて入居企業3社が採択されました。 トーキーシステムは、とくに教育システムで優れた技術やビジネスモデルを持っており、岡山大学も教育学部ぐるみでICT化を進める計画です。こうした中でインキュベータとしても「教育」を大きなテーマとして掲げ、シンポジウムを開くなど教育システムのメッカにしたいと考えています。(談)(1)第1106号平成25年10月15日(火曜日)〈毎月、日発行〉 中小機構は月7日、大阪市北区のグランフロント大阪北館地下2階にあるナレッジキャピタルコングレコンベンションセンターホールAで、創業啓発・促進イベント「ベンチャーSPIRITS㏌大阪」を開催する。また、同じフロア内の隣接会場で、中小・ベンチャー企業が投資家らの前でビジネスプランを発表する「ベンチャープラザ近畿2013㏌大阪」も同時開催する。 「ベンチャーSPIRITS」は創業やベンチャーに対する理解・関心を高め、新たな事業の創出を全国的に啓発・促進するためのイベント。大阪開催は月日の福岡開催に続き今年度2回目となる。経済産業省近畿経済産業局ほかが後援する。 プログラムは①基調講演②ワークショップ③ベンチャー交流会―で構成。基調講演は「浪速の伝統的なものづくり思想について関西商人の誇りを現した言葉―『下らない物』―」と題して、タビオ代表取締役会長の越智直正氏が講演する。ワークショップは「How to起業?先輩起業家&支援者から学ぶ起業の方法」をテーマに、中央電力代表取締役の中村誠司氏、夢職人代表取締役の辻陽平氏、税理士・中小企業診断士の和田貴美子氏がパネリストとなり、嶋内秀之・アントレプレナーファクトリー代表取締役の進行で意見交換する。 参加は事前登録制で定員200人。参加費は交流会も含めて無料。詳細はウェブサイトhttp://j-venture.smrj.go.jpで。 一方、「ベンチャープラザ近畿2013㏌大阪」は中小機構近畿本部が主催する資金調達マッチングイベントで、i―plug(大阪市)、関西工事測量(大阪府箕面市)、グローカルフード(大阪市)、三次元メディア(滋賀県草津市)、心和美創(大阪府守口市)、セルミック(草津市)、Dari K(京都市)、ディースパーク(大阪市)の8社がビジネスプランを発表する。 来場対象者はベンチャーキャピタル、個人投資家、金融機関、証券会社、ファンドを有するメーカー、商社など。展示・商談スペースも併設する。 事前申込制、参加無料。詳細はウェブサイトhttp://www.smrj.go.jp/kikou/press/honbu/081366.htmlで。主催者として挨拶する高田理事長「龍馬の魅力はやさしさ」と基調講演する森氏 「ニュービジネスを拓く 平成龍馬の大仕事!」をテーマに、「第9回新事業創出全国フォーラム㏌Kochi」が月3日、高知市の高知県立県民文化ホールで開催された。中小機構四国本部、日本ニュービジネス協議会連合会(JNB)主催、土佐の日実行委員会、土佐経済同友会共催、内閣府、経済産業省などの後援で開かれ、JNB会員、県内中小企業者、行政、支援機関関係者ら約350人が参加、坂本龍馬の生き方から学ぶ新たな事業創出や起業家精神のあり方などについて熱のこもった議論が展開された=写真。また「第8回ニッポン新事業創出大賞表彰式」が行われ、経済産業大臣賞をはじめ企業・団体が表彰されたほか、JNB全国会員大会、土佐の日が同時開催され、ニュービジネスに関する情報交換や会員交流を深め合った。 (2面に関連記事) 全国フォーラムは、高知ニュービジネス協議会の小川雅弘会長の開会宣言で始まり、はじめに高田坦史・中小機構理事長が主催者挨拶し、この中で「日本再興戦略の実現に向けた中小機構の取り組みとして、Webサイトの活用による優良中小企業と大手メーカー等とのマッチング支援、『ものづくり連携グループ』を通じた中小企業の生産性向上や成長産業分野への参入支援、アジア諸国等の新興市場への販路開拓などの海外展開支援などを充実させていく」と強調したうえで、「坂本龍馬を輩出するなど産業創造や日本の変革の歴史を刻んできた高知のアントレプレナーシップとともに、全国の優れたニュービジネスを発信することにより、日本全国の中小企業を元気づける場となれば幸いです」と述べた。続いて主催者の池田弘・JNB会長は「欧米の開業率が%であるのに対し、日本は4・5%。今後はJNBが中心となってベンチャーの育成、支援に力を注ぎ、開業率の向上を図ると同時に、日本の活性化のための提言活動を行っていく」と挨拶した。 来賓として招かれた寺嶋充・四国経済産業局長は、「先見性、独創性の土地柄であるこの高知で、さらなる事業成長に役立つ情報発信の機会としてほしい」と挨拶。また岡崎誠也・高知市長は、高知県の課題である少子・高齢化、南海トラフ巨大地震への備えに触れ、「健康や保存食のあり方など、発想の転換や技術力による新たなニーズが考えられる。高知発の新しい商品開発とニュービジネスに期待したい」と述べた。 基調講演は「今なぜ龍馬か?」と題して、森健志郎・高知県立坂本龍馬記念館館長が話した。森氏は坂本龍馬について、「先見性や実行力はもちろんだが、龍馬のいちばんの魅力はやさしさ。家族を大事にし、仲間、人の命を大事にした。龍馬の平等と勝海舟の公平、ジョン万次郎の自由の3つが重なり、明治維新に繋がった」と話し、「私心を捨て、国のため人のために命をかけた龍馬のような人物が、再び出てくることを望みたい」と強調した。

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