研究開発成果集(事業期間 平成18年度~平成20年度)
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49 情報電子デバイス高度化及び環境調和型 新規Cu6Sn5金属間化合物スペキュラム合金めっき技術の開発 プロジェクト参画研究機関 メテック北村株式会社、株式会社キョークロ、南栄鍍金株式会社、株式会社大和化成研究所、 財団法人京都市産業技術研究所、国立大学法人京都大学、甲南大学 事業管理者 財団法人京都高度技術研究所 ■研究開発の背景・目的 めっき技術は、材料に金属薄膜を施し、その機能性及び装飾性を飛躍的に向上させる省資源な表面処理技術として、電子部品産業,自動車産業などの幅広い基幹産業に利用されている。各種電子デバイスは、今後ますます小型化・高密度化が進む中、電子デバイスのはんだ接合用途ではスズめっきが、接点用途では金めっきが用いられているが、それらめっき部品の性能・耐久性は、下地めっきに大きく依存することが解明されつつある。したがって、下地めっきの果たす役割は非常に重要で、高度化・高信頼のためには、高機能な新規下地めっき皮膜の開発が急務となっている。現在、ニッケルが下地めっきに広く利用されているが、アレルギー・発がん性の問題等から将来的な環境規制が危惧されており、ニッケルを使用しないめっきプロセスが自動車産業をはじめ、多くの産業界から切望されている。 本研究開発では、シアン化物を用いない「新規環境調和型Cu6Sn5金属間化合物スペキュラム合金の電気めっき技術」を開発し、情報電子デバイスのはんだ付け性、耐ウィスカ性、はんだ接合強度及び低接触抵抗の高度化に対応するとともに、さらに、RoHS・ELV指令規制物質の6価クロムを使用しない、ニッケルアレルギー及び将来のニッケル規制にも対応可能なニッケルを使用しない、環境調和型高機能合金めっきプロセスの事業化を目的とする。 ■研究成果の目標 ●川下の抱える課題及びニーズ ■情報家電に関する事項 ■自動車に関する事項 ●高度化目標 (高機能化/低コスト化/環境配慮) 「情報電子デバイスのはんだ付け性・耐ウィスカ性、はんだ接合強度及び低接触抵抗の高度化」、 「6価クロム及びシアンを用いないめっき技術の開発」 ■研究の目標 1)全てのめっき方式(フープ、ラック及びバレル式)において均一なスペキュラム合金めっき皮膜が得られるシアン化物を用いない環境調和型スペキュラム合金めっき浴の開発 2)情報電子デバイスのはんだ付け性、耐ウィスカ性及びはんだ接合強度の高度化に対応するはんだ付け用Snめっき下地スペキュラム合金めっき技術の開発 3)情報電子デバイスの低接触抵抗の高度化に対応する接点用Auめっき下地スペキュラム合金めっき技術の開発 4)RoHS・ELV指令規制物質の6価クロムを使用しない、ニッケルアレルギー及び将来のニッケル規制にも対応可能な、ニッケルを使用しない環境に配慮した3価クロムめっきプロセスの開発 ■研究成果の概要 本研究開発は、あらゆる被めっき物へのめっきが対応可能となるめっき全方式(フープ式、ラック式、バレル式)において、均一なめっきが得られる新規環境調和型スペキュラム合金めっき浴の開発及びその合金めっき皮膜を下地めっきに適用した高機能めっきプロセスの事業化を目標として検討を行った。 1)実用合金めっき浴に求められる①広い電流密度範囲で均一なめっき皮膜が得られること、②皮膜組成の電流密度依存性が小さいこと、③均一電着性が優れていること、④電流効率(成膜効率)が高いこと、の全ての要求を満足し、めっき全方式において、ニッケルと酷似した銀白色を有する均一なスペキュラム合金めっき皮膜が得られる(図2)、シアンなどの有害物質を使用しない新規環境調和型合金めっき浴が開発できた。 2)フープ式試作装置において実製品サンプルを用いて検討した結果、従来技術と同等のはんだ接合強度を有するとともに、加速劣化試験後においてもはんだ付け性及び耐ウィスカ性(温度サイクル下)に優れた電子デバイスはんだ付け用Snめっきプロセスを開発できた。 3)フープ式試作装置において検討した結果、過酷な劣化試験である塩水噴霧試験72時間後においても試験前とほぼ同等な低接触抵抗を維持できる非常に優れた電子デバイス接点用Auめっきプロセスを開発できた(図3)。 4)高度な技術が要求される3価クロムからのバレル式めっきにおいても、均一なクロムめっきが得られるめっき条件を確立することができた(図4)。また、ラック式においては、従来技術と同等以上の耐食性を有する環境に配慮した3価クロムめっきプロセスを開発できた。 環境調和高機能低コスト本研究開発のターゲット 図1 研究開発の目標

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