研究開発成果集(事業期間 平成18年度~平成20年度)
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45 次世代防錆めっきシステムの開発 プロジェクト参画研究機関 株式会社サーテックカリヤ、太陽電化工業株式会社、明光工業株式会社、 名古屋メッキ工業株式会社、白金鍍金工業株式会社、ユケン工業株式会社、名古屋市工業研究所、国立大学法人名古屋大学、豊田工業大学、二葉産業株式会社 事業管理者 財団法人名古屋都市産業振興公社 ■研究開発の背景・目的 欧州ELV規制により防錆皮膜の六価クロム使用が禁止された。現状三価クロメートが使用されているが、六価クロムが検出されることから、クロムフリーの防錆皮膜を開発する。 また、排水規制の強化、原材料価格の高騰を踏まえ、資源回収再利用で完全クローズド、排水処理を不要とする、我が国初の環境無負荷型めっきシステムを開発する。 ■研究成果の目標 ■研究の目標 本研究開発は、次世代防錆めっき系の開発と.環境無負荷型めっきシステムの開発から成り、前者は、亜鉛めっき-クロムフリー後処理、二層亜鉛めっき、亜鉛合金めっき-後処理フリーの亜鉛系めっきと燃料系部品内面の均一ニッケルめっきで構成されている。 ① 技術的目標 次世代防錆めっき系の開発に係る技術的目標は、亜鉛系めっきについて、クロムフリーの浴組成の確立、処理条件またはめっき条件の確立と中性塩水噴霧試験による耐食性、白錆発生なし96時間、赤錆発生なし500時間あるいは1,000~2,000時間である。亜鉛合金ナノ結晶めっきについては結晶サイズ100nm以下も目標である。均一ニッケルめっきについては内径6mmの燃料系部品内面に均一にニッケルめっきする技術の確立が技術的目標である。 環境無負荷型めっきシステムの開発では、汲出し量削減、水洗水量削減、不純物の蓄積回避、水バランスの確立に係る各要素技術を統合して、排水処理を不要とするプロトタイプめっきラインの製作と上部開放型小物めっき用バスケット装置の開発を目標とする。 ② 事業化手法等 本研究開発によるクロムフリー自動車部品用防錆めっき系と当該めっきを行う完全クローズドシステムについて、前者は自動車部品に採用される活動を通して事業化を進めるが、完全クローズドシステムについては、それを構成する要素技術それぞれが単独に導入可能であり、めっき工場の環境負荷低減に有効であるので、状況に対応し個別でも事業化を図る。 ■研究成果の概要 本研究開発に関して、次世代防錆めっきについてはそれぞれの中性塩水噴霧試験による耐食性目標値をほぼクリアすることができた。亜鉛めっき-植物由来ポリフェノール化成皮膜については、金属塩を含有するリン酸塩下地処理により、中性塩水噴霧試験による白錆発生なし96時間をクリアした。図1に当該処理を施した部品例を示す。 高耐食性亜鉛めっき-電着塗装については、亜鉛めっき膜厚5µm 上へのバレルカチオン電着塗装10µmで白錆及び赤錆に関する耐食性目標を達成した。図2に電着塗装処理品を示す。 .完全クローズド化による環境無負荷型めっきシステムの開発については、各要素技術を組み合わせることによりプロトタイプめっきラインを構築し、長期連続運転試験によりその性能を実証した。図3に当該ラインに付設した要素技術に係る装置を示す。 図2 バレルカチオン電着塗装品 図1 プロトタイプラインでの連続運転に使用したラックと ポリフェノール化成処理品(右下) 図3 プロトタイプラインに付設した要素技術装置 ■研究成果の活用 クロムフリー防錆めっきについては、通常及び高耐食性要求の双方に対応できるように開発を行った。特にエンジン周り部品に関しては耐熱性も要求される。パルスめっき法を用いて作製した亜鉛-ニッケル合金めっき(ニッケル含有率12~15%のγ相単相)は当該目的に有効である。パルスめっき法により析出した合金の結晶子サイズは100nm以下のナノ結晶であり、合金皮膜中のニッケル含有率が適正範囲にある場合、結晶子サイズの微細化に伴い赤錆発生までの時間が長くなる、つまり耐食性が向上する結果が得られた。図4に結晶子サイズと赤錆発生時間の関係を示す。パルスめっき法によるめっき膜のナノ構造化技術は

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