研究開発成果集(事業期間 平成18年度~平成20年度)
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35 新世代先端複合材料成型品のための 薄層多軸プリプレグシートとその成型法の開発 プロジェクト参画研究機関 株式会社ミツヤ、有限会社JASTY、丸八株式会社、カンボウプラス株式会社、 フクビ化学工業株式会社、有限会社ミキ・ファイバー、福井県工業技術センター、 国立大学法人福井大学、金沢工業大学 事業管理者 財団法人ふくい産業支援センター ■研究開発の背景・目的 近年、自動車を軽量化するため炭素繊維強化複合材料を用いた構造部材が求められ、それを高品質かつ低コストで実現させることが求められている。強化繊維束の開繊技術(福井県特許)によって開発した炭素繊維強化複合材料薄層積層板は、従来のものより損傷が入りにくく信頼性が極めて高いことから、航空機・車両等の輸送関連で注目されている(図1)。本研究開発では、これを自動車部材用の鋼板の代替材料として量産するため、中間材料である薄層多軸プリプレグシートの製造技術の開発と、これに対応した高速短時間成形技術の開発を行った。 従来積層板(層厚さ0.135mm) 薄層積層板(層厚さ0.04mm) 図1 擬似等方性積層板の比較 ■研究成果の目標 ■研究の目標 上級車クラスの自動車のボンネット、ルーフ、ドア等の外板部材に使用されている高張力鋼板を、新しく開発する炭素繊維強化複合材料擬似等方性薄層積層板で代替する(図2)。 ① 技術的目標 超高張力鋼板と同等の物性(厚さ0.4mm以下の薄層多軸炭素繊維強化複合材料積層板の実現、および引張強度が高張力鋼板と同等) 自動車向けで実用的な生産システムの開発(生産量 250台/日(ミッドサイズ以上の上級車に対応)) ・薄層多軸プリプレグシート製造装置の開発 4軸、厚さ0.2mm以下、幅1m、生産速度 5m/min 熱硬化性・熱可塑性の両方の母材樹脂に対応 ・クイックプレス成形技術の開発 熱硬化性・熱可塑性の両方の母材樹脂の長繊維強化複合材料の成形に対応 総成形時間20min以内 図2 研究開発の概要 ■研究成果の概要 熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂の両方に対応できる4軸で厚さ0.2mm以下、幅1,000mm薄層多軸プリプレグシートを製造する装置を開発した。これにより、幅1,000mmの広巾の薄層多軸プリプレグシートができるようになった(図3)。また、硬化時間とポットライフを制御した極めて薄層(樹脂目付23g/m2)の短時間硬化型エポキシ樹脂シートを新規開発した(図4)。これを用いた擬似等方性薄層積層板の力学試験を行った結果、通常のエポキシ樹脂と同様、プリプレグシートの層厚さを薄くすることで引張り特性が向上する薄層効果を示すことがわかった。 図3 薄層多軸プリプレグシート製造装置 図4 薄層樹脂シート 熱可塑性薄層プリプレグシート製造技術の開発では、熱可塑性薄層プリプレグシート製造装置を新規開発し、ナイロン系樹脂を母材とした熱可塑性薄層プリプレグシート(一方向、厚さ0.04~0.05mm、幅1,000mm)を得ることが可能となった。 クイックプレス成形技術の開発では、各種母材樹脂に応じて、比較的短時間で3次元成形を可能とする新規の多機能型プレス成形装置を開発した。これを用いて、厚さ約40µmの熱可塑性薄層セミプレグシートを用いて420×300×50㎜の3次元椀型形状の成形品を約20minで成形する技術を確立した(図5)。 超軽量構造体の試作では、エポキシ樹脂を母材としたCarbon/Epoxy擬似等方性薄層積層板を試作し、その力学特性図5 クイックプレス成型品

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