研究開発成果集(事業期間 平成18年度~平成20年度)
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23 鋳造トレーサビリティ・ソリューションによる品質保証システムの開発 プロジェクト参画研究機関 株式会社ナカキン、株式会社浅田可鍛鋳鉄所、クオリカ株式会社、株式会社レクサー・リサーチ 甲南大学 事業管理者 財団法人素形材センター ■研究開発の背景・目的 自動車等製造ではグローバル化の進展に伴い、川上産業から川下産業に至るまでトレーサビリティを確保できる品質保証技術が求められている。本研究開発では、Al鋳包み技術及び鋳鉄鋳物中空化構造部品の新技術開発を実施すると共に、これらの製品開発時の迅速な品質保証を実現するばかりでなく、鋳物の品質信頼性の格段の向上を実現するトレーサビリティ・システムと、生産資源管理システムを開発することを目的としている。 ■研究成果の目標 我々の実施した各研究開発項目における成果目標は、以下の通りである。 ① アルミニウム合金鋳包み部品の開発 大型シリンダブロックのロアーケースを10%軽量化する。 ② 鋳鉄中空鋳物部品の開発 鋳鉄の中空化技術により、自動車部品等の構造を簡素化する。 ③ 鋳造トレーサビリティ・システムの開発 トレースの単位を従来のロット単位から1個単位で行うとともに、個別生産品についての、鋳造条件等のトレース時間を10分程度以下とする。また、CTスキャナとCAE解析による内部非破壊検査技術を確立すると共に、「気づき情報」をデータベース化する。更に開発リードタイム(試作)を20%削減する。 ④ 鋳造業向け生産資源管理システムの開発 生産品の不良率について、工場プロセス内発生は従来の1/4以下(1%以下)、工場外流出は従来の1/10以下(0.01%以下)とする。 ■研究成果の概要 研究開発項目に基づく、成果の概要は以下の通りである。 ① アルミニウム合金鋳包み部品の開発 隙間のない密着性の優れたAl鋳包み一体品の成形を実現し、従来品に対し軽量化10%を達成した。(図1) ② 鋳鉄中空鋳物部品の開発 自動車、油圧機器等部品について、最適となる加熱パターンを見極め、従来は中空化が困難であったダブル中空、部分中空部品等の試作も行った。(図2) ③ 鋳造トレーサビリティ・システムの開発 Al重力鋳造ライン、鋳鉄鋳造ラインのそれぞれに適応する、マーキングの最適化、データ計測システム・工場内ネットワークシステム、気づき情報システムの構築等により、部品と製造条件を紐付けする1個単位でのトレースを数分で可能にした。(図3) また、X線CTスキャナによる鋳物の品質保証技術を開発するとともに、開発リードタイムの20%削減を達成した。 ④ 鋳造業向け生産資源管理システムの開発 生産計画、鋳造方案・条件、製品品質を一元管理できる鋳造分野専用の生産資源管理システムを開発した。その活用により、Al重力鋳造ラインでは、生産品の不良率について、工場プロセス内発生は1/5以下(13.3%→2.6%)となり、工場外流出は最終年度実績で19ppmとなり、いずれも目標を達成した。鋳鉄鋳造ラインでは、社内不良は1/5(10%→2%)と減少し、工場外流出不良は0.01%に減少し、目標を達成した。 図1 隙間のない密着性の優れたAl鋳包み一体品 (大型シリンダブロック用ロアーケース) 図2 中空化したバルブ部品のCTスキャナ像 □1.6mm レーザーマーカーによる印字の最小化 Fe Aℓ 隙間のないAℓ/Fe界面 情報 図3 製品への製造条件等のマーキング最適化とトレースデータ(アルミニウム合金鋳造工程の例) 中子砂情報ロットID、メーカ、商品種、入荷日中子造型情報ブロー圧力、焼成温度(2点測定)、工場内温度、湿度中子保管条件情報気温、湿度作業者情報作業者ID、作業者コード製品情報中子パレットID、鋳造機番号、製造日時、シリアル番号、傾動時間、凝固時間、塗型時間、湯量補正値、溶湯温度、金型開時間、工場内温度、湿度、気圧金型情報金型番号、金型温度中子造型鋳造

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