研究開発成果集(事業期間 平成18年度~平成20年度)
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21 鋳鉄溶湯の不純物除去と無害化技術の開発 プロジェクト参画研究機関 株式会社木村鋳造所、株式会社ナニワ炉機研究所、東洋電化工業株式会社、日本ファンドリーサービス株式会社、日本坩堝株式会社、株式会社木下製作所、株式会社センシュー、日鋼マテリアル株式会社、アイシン高丘株式会社、日立金属株式会社、国立大学法人岩手大学、三重県工業研究所、早稲田大学、福島製鋼株式会社 事業管理者 社団法人日本鋳造協会 ■研究開発の背景・目的 近年、自動車におけるハイテン材やメッキ鋼板等に含まれる種々の不純物元素の鋳鉄材の硬度、伸び、強度等に与える影響が深刻な問題となりつつあり、今回、これを解決する為に不純物の除去と無害化の技術を開発し、鉄源リサイクルシステムを構築するものである。 ■研究成果の目標 ■研究の目標 ハイテン材や表面処理鋼板等の有害元素を多く含む鉄スクラップの不純物元素の除去及び無害化技術の開発を行うことにより、自動車、工作機械やその他産業へ健全な鋳物を提供すると供に、日本国内での鉄源リサイクルシステムを構築する。 ① 技術的目標 ⅰ.Mn,Bの無害化(成分%:Mn<0.5%、B<15ppm) ⅱ.キュポラ用タンディッシュ式不純物除去装置による不純物除去(●処理後成分:Mn<0.3%、B<7ppm、P<0.04%、PB<30ppm、Zn<0.01%、Al<0.01%、Ti<0.01% ●除去時間:10分以内 ●除去処理コスト:7円/kg以下 ●装置の費用:7トン/時間キュポラ用処理装置で2,000万円) ⅲ.回転炉式不純物除去装置による不純物除去(●処理後:Mn<0.3%、B<7ppm、P<0.04%、B<30ppm、Zn<0.01%、Al<0.01%、Ti<0.01%、O<3ppm ●除去時間:15分以内 ●除去処理コスト:7円/kg以下 ●装置の費用:5トン電気炉用処理装置で3,000万円~5,000万円) ② 事業化手法等 開発した不純物除去炉及び開発技術の普及は(社)日本鋳造協会のあらゆる手段で公表し、鋳造業界へPRし、普及を図る。 ■研究成果の概要 ①MnとBの無害化の実用化で、元湯のMn量やB量に応じた無害化処理や他の管理でMn<0.5%、B<15ppmが可能となった。 ②キュポラ用タンディッシュ装置で溶湯処理時間10分でMn 0.2%の除去が可能と確認(7トン/時間の装置で2,000万円)。 ③回転炉装置で0.8mass%/H以上の脱Mn効率を達成した(処理時間は10~15分でコストは約4円/kg)。酸素バーナーとバブリングだけでも不純物が充分除去されており、酸化鉄の添加が不要であることを確認した。 ■研究成果の活用 ①キュポラ用タンディッシュ式不純物除去装置は(7トン/時間)キュポラ用処理装置を2,000万円で製作可能である見通しが付いた。Mn除去コストは、今回の試験から得られた課題を対策することで約6.5円/kgで可能である。 ②回転炉式不純物除去装置は実機回転炉式不純物除去装置と取鍋式不純物除去装置の設計イメージを完成した。回転炉式装置では、時間5トン処理の能力で、3,000~5,000万円で製作可能である。また、取鍋式では低価格での実用化も可能。ランニングコストの目標である4円/kgは、酸素価格低減で、さらなるコストダウンも可能。 ③現在不純物除去の基本特許を取得すべく出願準備中であるが、出願により、技術の公開が可能となり、装置の販売などの事業化展開が可能である。 ワイヤによる不純 物除去剤の添加 窒素ガス キュポラ バブリング 取鍋へ 多量のノロの処理が問題となる 図1 タンディッシュ概略図 図2 小型回転炉式不純物除去装置の外観

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