研究開発成果集(事業期間 平成18年度~平成20年度)
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19 難加工材料の筐体成形技術の開発 プロジェクト参画研究機関 株式会社美和、株式会社松村石油研究所、ミナルコ株式会社 事業管理者 財団法人ちゅうごく産業創造センター ■研究開発の背景・目的 省エネルギー・環境低負荷に対応して今後大きな需要が見込まれるハイブリッド自動車、電気自動車等の関連部品の中核となるバッテリー構成部品の一つである二次電池の筐体について、従来の十数工程に及ぶプレス加工の絞り工法に代わり、一工程で済む「衝撃押出工法」において、技術的に未確立な縦横高比率の高い角型缶筐体を開発することにより、飛躍的な「低コスト化」「軽量化」の実現を目的とした。 ■研究成果の目標 ■研究の目標 ① 角型衝撃押出成形技術の最適工法の研究 本工法では、縦横高比が極端に異なる加工は縦横高比1:3:3が限界とされていた。そこでプレス深絞りにおいても非常に成形難易度の高い「縦横高比1:10:9」の実現を目指した。 ② スラグ表面性状最適条件の研究 潤滑剤を捕捉するためのスラグ(素材)表面の最適な微視凹凸(表面粗さ)の条件を検討した。 ③ アルミ粉体をベースとした潤滑剤の開発 アルミ粉体をベースに従来から本工法の潤滑剤として使用されているステアリン酸亜鉛を検証し、これら組み合わせも行いながら最適な潤滑剤を検討した。 ■研究成果の概要 ① 角型衝撃押出成形技術の最適工法の研究 STEP3の目標1:8:8ではパンチ形状の調整、スラグ表面の調整ノウハウを得たことで目標を達成した。同様にSTEP4(最終)の1:10:9もパンチの調整を中心に育成を進めた結果、 ほぼ目標に近い試作品を製作することができた(図2)。 ② スラグ表面性状最適条件の研究 サンドブラスト機を使用して任意にスラグ表面粗さを変えて、筐体に与える影響を調べた結果、スラグ表面が粗いほど筐体高さが大きくなることがわかった(図3)。 ③ アルミ粉体をベースとした潤滑剤の開発 研究題目通りアルミ粉体をベースとした潤滑剤の開発を目指してリンク゛圧縮試験を試みた結果、当初の開発目的であったアルミ粉体をベースとした潤滑剤の性能を上回り、かつステアリン酸亜鉛に近い能力を有する潤滑剤が複数確認できた。 ショット粗さと筐体高さの関係96.5396.1495.3394.0094.5095.0095.5096.0096.5097.0097.5098.0024100220スラグショット粗さ筐体短辺高さ 図3 ■研究成果の活用 アルミニウム等の角筒成形は、これまで絞り工法が主流であり、特に多段工程を伴うため工程間の金型育成は高い熟練と時間を要する。本工法の場合、1工程で基本形状を成形できる点で金型点数が大幅に削減できること、また工程間の調整が不要のため金型の育成時間の短縮効果も含め、おおよそ金型コストは半減可能である。 一方でまだ課題は残しており、金型の温度上昇により連続成従来技術と新技術の違い【従来技術】【新技術】プレス絞り工法衝撃押出工法薄板素材薄板を多数工程経て成形スラグ素材を一発成形!スラグ素材 図1 図2 横:10(135) 高:9(119) 縦:1(13.5)

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