研究開発成果集(事業期間 平成18年度~平成20年度)
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11 無線動作機能を内蔵回路で形成する プリント配線板の開発 プロジェクト参画研究機関 国立大学法人電気通信大学 事業管理者 株式会社ワイケーシー ■研究開発の背景・目的 近年の高度情報社会において、無線は特にエンドユーザとのインターフェースを受け持ち、益々重要な役割を荷いつつある。本プロジェクトでは、高性能無線回路を小型かつ低コストに機器に収納できるよう、プリント基板の配線で無線回路の機能を実現しこれを基板に内蔵するとともに、この無線回路内蔵基板を用いて通信のできる無線モジュールを開発することを目的とした。 ■研究成果の目標 ■研究の目標 モジュール開発を最終目標とし、そのための、個別技術を並行して開発することを目指した。 ① 技術的目標 使用する低損失高誘電率基板用として、液晶基板を住友化学と共同開発する。ブルートゥース用の小型高性能回路を開発し、基板に内蔵し、これを用いたモジュールを開発する。またUWB用の新規広帯域無線回路、アンテナを開発しこれを用いてモジュールを開発する。またモジュール配線用に歪の少ないディジタル配線技術を並行して開発する。 ② 事業化手法等 少量カスタムモジュールを求める顧客にモジュール技術を提供、また多量の販売には小型かつUWB用等の新規個別部品を提供することで市場を獲得する。 ■研究成果の概要 住友化学との共同開発で、比誘電率9.2、tanδ0.002、厚み25μmの液晶ポリマを開発した。これを用いてブルートゥース用無線回路内蔵基板を開発した。内蔵回路は、新規集中定数型コムラインフィルタ、広帯域マーシャントバランの技術を用い小型に基板に内蔵している。この無線回路内蔵基板を用いてブルートゥース用無線モジュールを開発し、LSIメーカCSRのモジュールより受信感度の優れた特性を得た(図2)。アンテナ・無線回路を基板にすべて内蔵したモジュールは世界初である。 またUWB無線用アンテナに関して、従来の広帯域アンテナのサイズ理論最小限界を下回る小型アンテナが可能なことを理論的に明らかにするとともに、日本のUWB高域バンド(7.25GHz~10.25GHz)用広帯域小型アンテナを開発し、実験的にも上記の理論が正しいことを実証した(図3)。 また、この構成のアンテナを用いたマルチバンドOFDM方式のUWB無線モジュールをA社と共同開発し、ほぼ2mの距離まで最大の伝送速度56Mbpsを得た(図4)。 またインパルスラジオ方式用に関しても、広帯域フィルタを内蔵した無線回路基板、UWBモジュールをG社と共同で開発し、放射規格を満足する結果を得た。(図5)。 RFID磁気カードSensor/InputKeyboardVoiceGPSPDAHTVphoneディジタル家電PC周辺機器PAN ホーム 車防犯システムゲームアイリス・指紋気象衛星バーコードいつでもどこでも誰とでも 図1 高度情報社会における無線の役割 フィルタアンテナバランL,C0102030405060708090100-75-70-65-60-55-50-45-40送信電力(dBm)エラーレート(%)CSRYKC_1YKC_2YKC_3YKC_4フィルタアンテナバランL,C0102030405060708090100-75-70-65-60-55-50-45-40送信電力(dBm)エラーレート(%)CSRYKC_1YKC_2YKC_3YKC_4 図2 ブルートゥース用の無線解内蔵基板 及びモジュール受信感度 10mm7.1mm-10dBの比帯域幅、最高最低周波数00.511.522.5300.511.52サイズ (cm)比帯域幅051015202530帯域最高、最低周波数(GHz)比帯域幅実測比帯域幅最低周波数最高周波数実測最低周波数実測最高周波数従来理論限界実測値10mm7.1mm-10dBの比帯域幅、最高最低周波数00.511.522.5300.511.52サイズ (cm)比帯域幅051015202530帯域最高、最低周波数(GHz)比帯域幅実測比帯域幅最低周波数最高周波数実測最低周波数実測最高周波数従来理論限界実測値 図3 開発したUWB用アンテナと比帯域幅 1015202530354045505560101001000距離(cm)伝送速度(Mbps)T社YKC1YKC21015202530354045505560101001000距離(cm)伝送速度(Mbps)T社YKC1YKC2 図4 開発したマルチバンドOFDM方式のUWBモジュールと伝送速度の距離依存性

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