研究開発成果集(事業期間 平成18年度~平成20年度)
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hhe 7 超臨界流体付加射出成形による金型内メッキ技術の開発 プロジェクト参画研究機関 三泉化成株式会社、九州池上金型株式会社、株式会社高城精機製作所、シバタ精機株式会社、 株式会社サンテック、日立マクセル株式会社、株式会社精工技研、 国立大学法人九州工業大学 先端金型センター、福岡県工業技術センター 機械電子研究所、 独立行政法人産業技術総合研究所 デジタルものづくり研究センター 事業管理者 財団法人飯塚研究開発機構 ■研究開発の背景・目的 現在プラスチックメッキ部品は、射出成形後、複数工程でメッキ処理を施している。この現状メッキ処理技術は、完成された技術であり、短納期化・低コスト化について、限界にきている。 そこで、自動車産業が求める高品質部品の短納期化・低コスト化のニーズに対して、本研究は、樹脂射出成形時に金型内でメッキ前処理までを行うことで、メッキ工程の工程削減・時間短縮を図ることにより、短納期化・低コスト化を実現することを目的とする。 ■研究の目標 ■研究の目標 超臨界流体の持つ超融解・拡散性を活用し、プラスチック成形時にメッキ前処理(脱脂から触媒活性化まで)を施すことにより工程短縮を図る。このことにより、プラスチックメッキ部品の製造単価を、従来工程と比較し10~30%削減する低コスト化及び工程削減・時間短縮による短納期化を目指す。 ① 技術的目標 まず、超臨界流体を利用しメッキの核となる金属錯体を分散させ、この樹脂を成形品表面に配する技術を確立し、得られたメッキ前処理品に対し、装飾メッキまでを施す技術を確立し、確立した技術により、成形・メッキプロセスを完成させる。 ② 事業化手法等 本事業で開発した超臨界流体付加メッキ前処理を活用し、主たる事業化企業である三泉化成(株)を中心に、研究開発を進める。具体的には川下産業である自動車メーカからの課題に応える、図1に示すようなメッキサンプルを試作し、試作品の評価を受けながら、複数のユーザへもサンプル出荷を行い、反応を分析しながら事業化を進めてゆく。 ■研究成果の概要 本研究では、2つの形式の成形法とメッキ前処理法について研究開発を行った。(図2 従来工程と開発工程の違い) まずサンドイッチ法は、2つの異なるノズルから樹脂を金型に導入し、射出成形を行う方法である。一方のノズルからの樹脂に、超臨界流体を利用しメッキの核となる金属錯体を分散させ、この樹脂を成形品表面に配する技術である。 このことにより高価な金属錯体の使用量を削減しながら、メッキ前処理を成形機内で行うことが可能となった。 メッキ前処理を行った成形品に対し、中間仕上げメッキ処理を (a) 成形+メッキ前処理 (b) 下地メッキ処理 (c) 銅中間メッキ処理 (d) クロム仕上げメッキ処理 図1 各工程に於けるメッキサンプル(形状例 エンブレム) 施し、自動車メーカの定める各種性能試験を行った結果、適合基準を満たすことが確認できた。なお、従来品に比較して10%程度のコスト削減が試算できた。 しかし本方法は、特殊ノズルを持つ専用の射出成形機が必要であり、本方法を普及する際に多大な設備投資コストが必要となる。この課題を解決するため、既存の射出成形機で対応できる、フローフロント法についても開発研究を実施した。 この方法では、超臨界流体を利用した金属錯体を分散する機構(図3 フローフロント法用ミキシングノズル)がポイントであることから、この新機構の開発試作を行い、試作品を用いて成形実験を行った結果、一定の分散を確認できる程度のメッキ前処理が行えることを確認できた。 ・均一な金属錯体の分散 ・プロセスを40%削減 ・六価クロムが不要 ・剥離強度:20N/cm達成 (従来品の倍の強度) ・常圧での処理を実現 ・メッキつきまわり良好 ・メッキ膜厚さ制御可能 ・仕上がり良好 ・各種試験実施結果良好 ・サンプル出荷予定

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