販路開拓通信
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製品面で機能や性能値が不足している、デザインが要求レベルを満たしていない、オーバースペックでそこまで高性能でなくてもよいといったことがあります。また、価格面でターゲットの予算とは折り合わないこともあります。要求レベルまでの製品改良やコスト構造の見直しが短期間に可能であれば、ターゲットを変えずに展開することが可能です。もし、自社のかかえる経営資源で対応できないときは、現行製品で受容性のありそうな利用場面を替えることで対象市場とターゲットを見直し、方向転換をします。高機能の遮音材の支援では、建材としてはすでに競合品がたくさんあり、そこまでの性能値は不要で価格も割高ということで受容性はありませんでした。そこで方向転換をして、騒音の発生源となる高速道路のつなぎ目に効果があるだろうという仮説に修正しました。高速道路会社に提案したところ軽量なので施工性に優れ、価格も従来工法よりも割安という高評価を受けました。◆想定したターゲットに受容性がなかった場合10仮説として設定した顧客メリットにアプローチ先が反応しないのは、自社の製品・サービスや技術を過信して思い込みにとらわれていたり、仮説が顧客の視点からまだしっかりとした深堀ができていない場合に起こります。このような時には、アプローチ先でのヒヤリングから得た可能性を検討して、ニーズ(お困りごと)を再確認するために現場に立ち戻ることが重要です。現場で起こっていることに対して、自社製品・サービスの特徴や強みのどこが発揮でき、それによって何が良くなるのか、なにが変わるのかの観点から仮説を修正し、再構築します。耐久性・耐熱性・耐薬品性・高硬度・抗菌・防カビといった特徴をもつ多機能シートの支援では、「これがあればいろいろな用途に対応できるので利便性が高い」という提案をしました。しかし、アプローチ先の反応は、「そこまでの機能は必要ないので、不要な機能の分の価格を下げて欲しい」というのが大半でした。そこでアプローチ先の現場を先に見て問題点を把握し、一番求められる機能によるメリットを仮説として再設定してプレゼンに臨んだところ反応が格段によくなり、スムーズに検証が進むようになりました。◆想定した顧客メリットがずれていた場合市場での仮説検証活動において、当初設定した仮説がそのとおりにいかない場合も多々あります。その場合は仮説の再構築に取り組む必要があります。よくある3つのパターンと対応事例を紹介します。アプローチした時点で、すでに同様な製品を導入していたり、すでに対策済みであるということもよくあります。アプローチ先では困っていれば困っているほど何らかの対策を立てているのは当然のことです。薬のアルミ包材用のかみ込み検査機の支援では、大手企業はすでに生産工程の中で対策済みでした。そこでアプローチ先の対象を設備投資が難しい中小規模へ変更しました。また、大手企業でも新製品への切り替えが生じるときには設備の変更もありあえることから、定期的な情報提供を継続して、関係が途切れないようにしました。◆タイミングが悪かった場合

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