販路開拓通信
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開発した商品やサービスが「売れる」ということは、顧客がその価値を認めたからにほかなりません。生産財では社内で複数の人が関与して、十分検討がなされてから購入に至ります。消費財と違い、即決即断で決まることはありません。それゆえ、販路開拓のアプローチ段階では、ターゲットとした企業の購買意思決定者に購入したときのメリットを提案することが重要です。ただし、この段階ではあくまでも「多分効果があるだろう」という仮説になります。その時点での仮説をつくることのメリットは、次のようなところにあります。・自社商品・サービスの価値を認めてくれるターゲットの絞り込み(優先順位付け)が短時間かつ効果的にできる。・仮説検証が進む中で、どこへどのように提案すれば自社の販売面での課題解決につながるのかがより確実に見えてくる。・精度の高い仮説があると販路開拓における最終到達点である成約に向けた的確な検証活動につながる。アプローチの初期段階で思うような反応が得られない場合は、実際の販路開拓活動に入る前のターゲットの選定や、そこへの提供価値・提供方法の仮説がずれていたことに多くの要因があります。◆仮説を作ることのメリット2販路開拓を確実に進めるために重要な「顧客のメリット」の仮説をつくるには、次のような順番で行います。①自社の強みと商品・サービスの特徴の整理強みは社内にあり、特徴は当然ながら既知のものですからすぐ整理ができます。ただし、ここで取り上げるのは、同業や他社商品に比較して優位なものに限ります。単にスペックを取り上げ、性能値や形状の説明だけをしても意味がありません。②ニーズの確認ニーズとは現在の状況と、こうあって欲しいという理想とのギャップをいいます。まずは提案する商品・サービスを利用するアプローチ先の現場がどうなっているのかを知る必要があります。現状でどのようなお困りごとがあるのか、問題になっていることはないのか、どのようなことに不満足を感じているのかといったことを中心に調べます。自分自身が現場を直接見聞きして確認することが望ましいといえます。③顧客メリットの想定現状でのお困りごとを、自社の強みや商品の特徴で解消してあげることができれば、顧客にメリットとして感じてもらえます。このとき、組織における購入決定者の最終的な判断は経済的なメリットを得られるかになります。収益向上、顧客数の増加(顧客の顧客が増えること)、生産性向上、コストダウン等といった実利面の訴求やイメージアップといった定性的なメリットも加えると響きやすくなります。これらの段階を経て仮説づくりを行います。常に顧客の立場から考えることが大切です。◆顧客メリットの仮説づくりのプロセス

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