販路開拓通信
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[1]精度の高い仮説づくりのポイントはじめに経営において収益の獲得に不可欠な「顧客づくり」は、生産財、消費財といった扱い製品の違いや企業規模の大小を問わず、多くの企業にとって永遠の課題といえるでしょう。しかしながら、新たに開発した商品や提供サービスの販路を切り拓くには多くの困難をともないます。加えて、モノを顧客の価値に変え、実際に顧客となりえる企業と継続的な関係を構築するには、それなりの時間と労力が必要です。中小企業基盤整備機構の「販路開拓コーディネート事業」では、テストマーケティングを通じて、全国の中小企業・小規模事業者の顧客づくりをお手伝いしています。この事業の目的は、仮説検証をとおして販路開拓を実際に体験することで、そこで得た知識や効果的な手法の蓄積、共有化を図り、社内に定着化していただくことにあります。支援終了後も継続して販路開拓活動ができるようになることが最終の到達点です。支援活動のなかでは、①顧客のメリット(顧客への提供価値)についての精度の高い仮説づくり⇒②市場での検証活動⇒③仮説の修正・再構築を繰り返します。このプロセスが販路を切り拓くための重要なポイントとなります。それによって進むべき方向性が明確になり、より効果的な販路開拓に結びつくからです。しかしながら、精度の高い仮説づくりに苦労される企業が多く見受けられます。本特集では、過去の事例から導き出された成功パターン、あるいは失敗パターンをもとに、よりよい仮説づくり、仮説の検証活動、仮説の修正・再構築のポイントについて解説していきます。一般的な意味でいう仮説とは、「事象や法則について説明するために仮に設定された説のこと」(出典:世界大百科事典)となります。ビジネスで活用する場合は、「まだ証明できていないが、現時点で多分そうだろうという、もっとも実現可能性の高い結論」ととらえると良いでしょう。つまり、「仮説」とは結論から考えることで最善策を見つける方法なのです。◆「仮説」とは?1ものごとの結論を出すには情報収集と分析に時間をかけて、しっかりした組立をしてから動くべきだという意見もあるでしょう。しかし、あふれる情報の分析に時間ばかり費やしていては、せっかくのチャンスを逃すことになりかねません。ビジネスにおいては、顧客の必要性や競合の動きなどの外部環境は刻々と変化しています。ある程度のところで考えをまとめ、方向性を見出した時点で行動に移すべきです。貴重な時間を節約しながら、限られた経営資源の中で成果を高めるための仮説づくりが販路開拓においても不可欠です。◆仮説づくりの重要性

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