販路開拓通信
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販路開拓コーディネート事業の支援事例⑦~多孔質体(ポーラス)を活用したポーラスチャック~株式会社吉岡精工(以下、当社)は、1961年1月に創業、1971年4月10日設立の企業です。自動車エンジンバルブ(シリンダーヘッドに搭載され燃焼室を密閉します)用熱間鍛造(素材の変形抵抗を減少させるため再結晶温度以上の高温に加熱して成形します)金型や半導体製造装置用精密部品の製造を手がけており、耐久性・高精度・多品種少量生産に対応する加工・製造技術を持っています。当社は、製品が活用されている半導体製造分野においてワーク(被加工物)が薄型化し、従来の方法ではワークが変形し加工・検査等が困難な市場の状況から、他分野でも同様の課題が今後顕在化してくることに着目し、多孔質体(以下、ポーラス)を活用したポーラスチャックの外販を開始しました。ポーラスチャックは薄く平らなものを変形することなく吸着固定する真空吸着テーブルです。基本的にはセラミック製ポーラスの吸着面と、チタン、ステンレス、アルミ等のボディから構成され、ボディにある吸気孔からエアを引くことで真空吸着を実現します。当社の高精度加工技術により、ポーラス部分とボディの境目の段差をほぼ“ゼロ”とすることが可能で、市場で求められるμ単位の高精度な平面度や、全面を吸着してワークを安定して吸着固定を実現することができる点に特徴があります。企業概要当社は、半導体分野の既存取引先を中心にポーラスチャック事業を展開していましました。販路開拓は独立行政法人中小企業基盤整備機構が主催している「中小企業総合展」や他の半導体分野・機械分野等の展示会に出展し、取り組んでいました。しかし半導体分野以外でポーラスチャックの活用分野を見出せませんでした。そこで、機械分野のような用途開発を含めたテストマーケティングに強い意欲と真摯な取り組み姿勢を示されましたので、支援を開始しました。‣支援に至った経緯‣具体的な支援活動具体的な支援活動については3段階で進め、当社は半導体デバイス製造業にて各種製品の設計・開発に携わり、技術に精通しているポーラスチャック事業部のリーダーが活動しました。第1段階は、マーケティング企画のブラッシュアップ(仮説の立案)です。市場の絞り込み、優位性の整理が中心となります。市場の絞り込みは、半導体以外の分野に知見とネットワークを持つ販路開拓コーディネーターの協力も得、産業用ロボット製造業、産業用機械商社、フィルム搬送装置製造業等に絞り込みました。製品特徴である真空・平面・全面吸着に着目した結果です。優位性の整理に関しては、①1個単位の試作や多品種少量生産に対応できること(=機動性)、②また材料製造業ではないことを逆転の発想でとらえ、材料選択の自由度が大きいこと(=柔軟性)を優位性とすることにしました。第1段階

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