販路開拓通信
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顧客ニーズの抽出 第二回 第二回のテーマは「顧客ニーズの抽出」です。 「顧客ニーズ」という言葉はよく耳にすると思います。ニーズを直訳すれば「必要、欲求、需要」となります。では顧客ニーズの本質は何でしょうか。分かっているようで、改めて聞かれると説明するのが意外と難しく感じませんか。 ここでは、顧客ニーズを「顧客が 欠乏を感じている状態」と定義します。 「・・・困る」、「・・・問題である」と感じている状態です。具体的には、・・・は不便、・・・では不安、・・・は不快、・・・に不満といった「不」のつく言葉に置き換えることができます。 ‣ 顧客ニーズとは何か 6回連載 顧客価値を高める『使用シーン表』活用術 顧客が困っていることや問題と感じていることを、あなたの会社が提供する製品やサービスで充足できれば、そこに顧客にとっての満足、すなわち「顧客価値」が生まれます。前回とりあげましたドラッカー博士の「顧客は製品を買っているのではない。買っているのは欲求の充足である」という金言を思い出してください。 ホンダの“スーパーカブシリーズ”というロングセラー商品があります。燃費の良さ、悪路に強い走行性、蕎麦屋さんの片手運転も想定した操作性、乗り降りのしやすさといったビジネスユースにおける顧客ニーズを十分に満たしています。まだ中小企業だったホンダがヒット商品を生むことができたのは、顧客のニーズを的確に汲み取って、顧客価値を高める継続的な努力があったからといえます。 マーケティング研究の世界的権威であるフィリップ・コトラ―教授(ノースウエスタン大学ケロッグ経営大学院)は、「顧客満足に注意を払うことが将来の市場シェアにつなげる近道である」と述べています (『コトラーのマーケティング・コンセプト』恩蔵直人監訳 東洋経済新報社刊)。 現在の市場シェアをあげるために競合との戦いに血まなこになるのではなく、満足した顧客の数を増やすことを目的にし、その累積が結果としての市場シェアになるという発想の転換が必要です。 そのためには「顧客ニーズ」をいかに的確にとらえるかがポイントになります。次にシーン表を使ったニーズの抽出方法について説明します。 ‣顧客ニーズが顧客価値創出の出発点

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