販路開拓通信
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‣顧客価値創出のプロセス 上記のシーン表で最も重要なのは、「想定されるメリット(顧客価値)」のところです。なぜなら、顧客は負担するコストを上回るメリットがなければ、決して製品を買ったり、サービスを利用したりすることはないからです。特に生産財では徹底的に合理的かつ冷静な購買意思決定がされますので、より顕著になります。それでは顧客はどのようなとき製品を求め、サービスを利用しようとするのでしょうか? 経営学者のドラッカー博士は、「品質が価値であるという。だが、この答えはほとんど間違いである。顧客は製品を買っているのではない。買っているのは、欲求の充足である。彼らにとっての価値である。(P.F.ドラッカー「マネジメントー課題、責任、実践」上田 惇生訳 1973年)」と言っています。 自社製品・サービスの顧客価値を創出し、想定販売先にメリットを提供できれば、その結果は自ずと良い方向に向かいます。ヒットした製品には必ずこのストーリがあります。しかし、成功物語を後づけでなぞっても、自社製品・サービスの販路開拓に結びつけることは至難の業です。自社にあった販路顧客価値の創出がいかに難しいことであるは、ご存知のとおりです。 ドラッカー博士は次のようにも言っています。「目的と使命に取り組むうえで答えるべき究極の問いは、顧客にとっての価値は何かである。これが重要な問いである。しかし、最も問うことの少ない問いである。答えは分かっていると思い込んでいるからである」。 シーン表を使うことは、自らに「顧客にとっての価値」とは何かを問うプロセスそのものです。思い込みを排除することにも役立ちます。まずは「顧客価値」を仮説として設定してみましょう。これが販路開拓の近道になります。 ここで重要なのが、想定販売先がもっているニーズを的確に把握することです。 次回(第二回)は、「想定販売先のニーズ抽出」について説明していきます。 想定した利用シーン・活用場面懸念される事項【想定される用途(使用場面)の現状】技術面・品質面・価格面 等競合面・販売体制・供給面等【使ってくれるヒトにとってのメリット・魅力】【最終ユーザーにとっての懸念事項】123【想定される用途(使用場面)の問題点】【買ってくれるヒトにとってのメリット・魅力】【扱ってくれる企業にとっての懸念事項】4  5【想定される用途(使用場面)での理想像】【売ってくれる企業側にとってのメリット・魅力】【自社の懸念事項】想定されるメリット想定販売先企業

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