平成27年度 ハンズオン支援事例集(専門家派遣制度)
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53倉敷ボーリング機工株式会社中小機構との出会い 人材教育には非常に熱心であり、社長自身も大学卒業後、大学院MBAを修得。取締役は中小企業大学校東京校の経営管理者養成コースを修了している。社員にも積極的に中小企業大学校を受講させており、中国本部としても注目をしてきた企業である。 折しも、永年、岡山県の支援機関にて理事長を務めた方が、中国本部のチーフアドバイザーとして着任した。当チーフアドバイザーも岡山県の支援機関在任中から当社のことは注目してきており、今度は立場を替えて当社を訪問して、中国本部の支援メニューの説明をしたところ、社長から直面する経営課題に対する相談を受けた。早速、統括プロジェクトマネージャーをはじめ関係者が当社を訪問し、佐古社長と面談をさせてもらった。プロジェクトマネージャーの視点と支援課題の設定 支援課題の設定に至るまでには3度訪問をして、当社の直面する課題を聞かせてもらいながら、どのような支援が最も効果的かを検討した。その時のポイントは、1直面する喫緊の課題、2その次にある中長期的課題、3前項の背景にあるものは何か、であった。 経営を継承して2年目の新社長の課題認識は強い経営基盤を確立することであり、そのためには利益創出の源泉である工場の体制整備であった。一方で、受注環境が厳しい中で折角受注したものが納期どおりに納入できない、特急受注へ対応ができない等、売上チャンスを失うことになり兼ねない状態の改善も喫緊の課題であった。その改善に当っては、当方も何度か工場を見たが、雑然とした作業現場や停滞品の多さ等から、先ずは現場の管理体制の整備から始めるべきと判断した。 企業側からは、生産管理システムの整備を優先すべきとの強い要望があった。これは、鶏が先か・卵が先かの関係にあり、先ずは、「戦略的CIO育成支援事業」でシステム整備から始めることとした。また、あるタイミングで工場管理領域の支援も必ず必要になってくるという認識を双方で共有した。プロジェクト推進体制 上述の通り、先ずは納期遅延の解消を目標に、生産計画・進捗業務のIT化を図っていくことからプロジェクトをスタートさせた。プロジェクトは、社長を総括責任者、製造部長を推進責任者とし、営業部門・製造部門の各責任者・リーダーをプロジェクトメンバーに、そしてCIO育成対象者は製造部門の係長を選任した。 一方、アドバイザーは経営課題の中でIT化の位置づけを明確にしていくこと、またIT化の成果を経営数値の中で確認していくこと、更に営業・製造関係部門と連携を取りながら進めていくことができる人を選んだ。 そして、IT化が目的ではなく、経営全般を俯瞰しながら進めていくことを主眼においた。支援内容と支援成果<戦略的CI0育成支援事業>(平成24年8月〜平成25年10月(15カ月)) 支援目標は、納期遅れを無くすることにより、顧客の信頼回復と収益改善に寄与するとした。支援テーマは、①生産管理業務の整備、②生産計画・進捗業務のIT化、③生産性向上、④CIO育成、とした。 支援に当って留意したことは、1システムは使いやすくシンプルであること、2費用及び導入リードタイムを最小化させること、3生産性及び収益に寄与すること、である。 この観点から、システムは市販ソフトをカスタマイズするということではなく、アドバイザーオリジナルの「SDBR」(シンプル・ドラム・バッファー・ロープ)、所謂「TOC理論(制約理論)」のボトルネック工程に着目しコントロールしていくシステムの導入を提案した。 当システムの特徴は、生産工程支援メニューH23H24H25H26H27支援内容(支援テーマ等)戦略的CIO育成支援事業生産管理システム整備専門家継続派遣事業①工場管理基盤整備経営実務支援事業生産性向上専門家継続派遣事業②工場収益力向上フォローアップ事業生産性向上中小企業大学校経営管理者養成コース等0.0%5.0%10.0%15.0%20.0%25.0%30.0%05001,0001,500H23/11H24/11H25/11H26/11H27/11売上高(左軸)売上総利益率(右軸)単位:百万円売上高と売上総利益率

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