平成27年度 ハンズオン支援事例集(専門家派遣制度)
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46計数分析とムダ排除による黒字化の目途付けと経営管理体制の再構築先垂範で行動してもらうこととした。プロジェクトリーダーには経営管理や現場改善などリーダーシップの発揮と管理・改善手法の修得を狙い、長男の製造部長が担い、メンバーとして専務、工場長の2人、活動途中から経理担当の石黒社長の奥様にもメンバーとして参加してもらった。 そして、地域金融機関からは、担当責任者の出席を得、情報の共有と当社への今後の支援に役立ててもらうこととした。支援内容と支援成果<経営実務支援事業>(平成25年12月〜平成26年4月:2回/月)<取り組み方針> 目標の達成は、市場環境も厳しく受注増も難しいとの認識の下、本支援事業では自社内での徹底的なムダ排除と経営管理の再構築の2本で取り組むこととした。<具体的目標と行動計画>⑴5ヶ月で当期の黒字化への目途付け。⑵実施事項の明確化・全員参加による改善体制の構築、及び改善のアイデア出しを促進させる創意工夫制度の創設。⑶社長が月次の決算速報を担当税理士から早期に入手し、経営指標を把握・分析し、改善目標が設定できる体制の構築。(PDCAを廻す経営の実施)<経営実務支援アドバイザー> 現役時代、大手プラスチック会社で活躍され、後に子会社の社長を経験された専門家を選定した。<支援方法>⑴1回目:活動の進め方・方法の合意。  黒字化の目途付けを目指し、赤字計上した直近3期分の決算分析、及び、現状の経営管理手法や現場の問題点などを共有の上、費用科目ごとに改善目標値を設定し、着眼点を明確の上進めることで合意した。⑵2回目:目標、実施事項の合意。  5ヵ月10回の短期支援を考慮し、決算書分析と現場観察ですぐ成果の出そうな材料費、労務費、エネルギー費、一般管理販売費に焦点を当てることで社長と合意し、科目ごとに改善目標値・着眼点を議論し、実施事項を明確にした。⑶3回目以降の支援:対策と結果検証。  毎回の支援の中で目標に対し何をどのように実施し、効果に結びつけたかを検証していった。具体的には「なぜ」「なぜ」「どうして出来ないのか」などの質問、指導による問題の深堀を進め、結果を現場で確認、評価する仕組みで進めていった。 そして、7回目の支援の折、改善スピードを上げる為、親族関係者(6人)を新たにメンバーに加え、樹脂材料替えロスの低減、品質不良の低減、出来高管理、機械の負荷バランスを見た機械の寄せ止め、余剰工数の活用、油圧成形機の稼働停止(電力量が多い)、カバーによる成形機保温などの省エネ対策、及び、作業の効率化など、より具体的・実践的な解決に取組み、成果を積み上げていった。 以上の経過を経て予定通り支援10回目にプロジェクトメンバー、地域金融機関、中小機構職員などの出席を得て終了報告会を実施した。 報告会では一部継続中の物もあったが、速報値での赤字幅は売上減にも関わらず75%減の圧縮。また来期は固定費削減効果や各改善の成果から損益分岐点が低下し、現レベルの売上高であっても黒字化の目途が立った。更に、本活動に参加した従業員には、経営管理の方法、目標設定の方法などPDCAを廻す活動などを経験頂き、自主的に改善に取組む意識も醸成できたと考える。 支援終了後には、今回納入先との調整で進められなかった運搬費の削減(60万円/月)を含め、労務費・省エネ・機械の寄せ止めなどにより、全体で60%の目標が達成されたとの評価を得た。また、支援全体を通して、「目標達成に向け途上であるが、順調に進捗し役に立った」との評価を得た。 しかし、担当プロジェクトマネージャーとしては短期間で成果を出したものの、当社の経営基盤強星野 博康 中部本部 プロジェクトマネージャー 経営再建に向け、石黒社長以下、全員の目標達成に向けた改善への熱意と行動に敬意を表します。また、後継者もプロジェクトリーダーの役割を担当する中で良い経験ができ自信となったと思います。今後、赤字は絶対に出さないとの強い決意を持ち、PDCAを回す経営を進め、更なる事業発展を期待します。

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