平成27年度 ハンズオン支援事例集(専門家派遣制度)
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45ほてい化成株式会社修業中の長男が帰任し、製造部長として現在に至るまで社長を補佐しており、後継者育成は比較的順調に進んでいた。中小機構との出会い リーマンショック以降、メインバンクである地域金融機関より種々アドバイスを受けながら改善を目指すも財務的な改善の兆しはなく、3年連続の赤字計上となっていた。このような状況の中、地域金融機関からの提案もあって、社長より経営実務支援事業による支援依頼が中部本部に寄せられた。 依頼を受け、機構は数度に亘り石黒社長や長男の製造部長との面談や現場確認などを行った。話を進める中で、社長の仕事への情熱、明るさや芯の強さ、又、真面目な人柄を強く感じた。更に、長男への円滑な事業継承を図るべく、債務超過の解消や将来の経営基盤整備に必要な経営管理体制の抜本的な見直しにも、強い意気込みを感じた。 上記の経緯を踏まえ、その後、石黒社長に中部本部に来社いただき、経営課題、希望する支援内容、受入れ態勢などを協議し、検討した結果、地域金融機関の継続サポートを条件に経営実務支援事業にて支援を行うこととなった。プロジェクトマネージャーの視点と支援課題の設定 当社取引先は大手自動車メーカーの2次、3次のサプライヤーであり、品質、納期はもとより原価低減によるコスト競争も厳しい。一方、当社現場では、管理が不十分で改善余地が多数散見されることから、徹底したムダ排除による原価改善や抜本的な体質改善を進めていけば、売上向上や黒字化はできるとの確信を持っていた。 この様な状況における支援では、支援アドバイサーの知見と経験、及び企業側との相性が重要と考え、事前にアドバイサー候補を連れて石黒社長及び幹部との面談や現場確認などを実施した。更に、地域金融機関との連携や担当税理士の協力を得て、活動目標や進め方などについて意見交換を行った。その結果、早期の債務超過解消という目標を定め、具体的には「H26年度決算で単年度黒字化の目途付けをする」をテーマとして進めることで合意した。(H27年度決算は黒字の確保) また、個別の改善活動に於いては、過去3期分の財務分析や現場での意見交換に基づき、問題点を洗い出し、経営課題・改善項目や改善方向性を明確化させ、支援計画に織込むことにした。 この時洗い出した当社の問題点は、下記4点である。⑴経営管理が出来ていない。  経理面は全て奥さん任せ、石黒社長は営業と日々の生産量をこなし、品質・納期を守っていればよいという意識が強く、数値把握に基づく経営管理をほとんど行っていなかった。⑵次月の経営計画が立てられる状況にない。  ⑴のような状況の結果として月次決算書の入手が2〜3か月後と遅いため、売上予測に基づく現物管理が出来ず、成行きの実績主義経営になっていた。⑶原価低減のための改善目標がない。  納期遵守が最優先で材料手配・製造・物流・在庫など、生産活動全ての計画・行動に緻密性がなく、無駄が多く高コスト構造になっていた。⑷管理のサイクルが廻っていない。  経営者の考えるべき事、行動すべき事が実施されていない。発生事象の深堀をせず、社長以下、幹部が即物的な行動(D)をとり、C−Aプロセスがなかった。プロジェクト推進体制 プロジェクトオーナーは石黒社長とし、活動には全て参加し、率支援メニューH23H24H25H26H27支援内容(支援テーマ等)経営実務支援事業原価低減による利益体質の構築-20-1001020304050090180270360450H22/5H23/5H24/5H25/5H26/5H27/5売上高(左軸)経常利益(右軸)単位:百万円売上高と経常利益

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