平成27年度 ハンズオン支援事例集(専門家派遣制度)
39/58

43株式会社名古屋精密金型 テスト完了後の平成26年7月から本社と本社工場が新システムの稼働を開始し、その後12月までに九州の2工場も稼働に漕ぎ着け、国内3工場による新システム導入を完了することができた。少し遅れてベトナム工場の導入試行が始まり、順次、インドネシア工場にも拡大させていく状況である。 現在、次のような成果が挙がっている。①見積業務を情報システム化したことで、見積計算が標準化され、迅速で正確になったため、不採算案件が激減した。②発注ミスによる不良在庫が減少しつつある。③部品発注や生産指示の漏れや遅れが無くなり、生産現場の混乱が激減した。④生産実績データ等から、実際の製造原価が把握できるようになったので、利益予測や実績の精度が格段に向上した。⑤生産情報を一元的に活用できるようになったことで、スピード経営が可能になってきた。⑥管理業務に関わる工数が、約30%も削減できた。 なお、システム導入後に新たに発生した追加要件はほとんど無かったため、予算内で新情報システムを調達(導入)することができた。今後の課題1.収益性改善に関わる課題①改善活動の定着とレベルアップ 異常を「問題」と捉えることができ、真因を探り、改善案を提案できる能力を備えることや、解決に向けて取り組む行動力やリーダーシップ力を高め、一連の活動の有効性をレビューして、次回の改善に役立てるという循環(PDCA)を回すことが必要である。②活動の全社全部門への波及 今回は、本社工場の営業、設計、製造部門の収益性改善に取り組んだが、国内外の他の工場や本社の間接部門等にも、当該活動を広く普及させることが必要である。2.新情報システムに関わる課題①国内3工場が、新情報システム導入を終えたので、今後は海外2工場へも当該システムを導入し、グローバル生産に役立てる。②その暁には、国内外の全工場の生産計画や進捗がリアルタイムに把握できるようになるので、新規受注案件を、どの工場で生産すべきであるかという「ベストミックス」を戦略的に検討することに役立てるようにする。③これらの結果、国内工場は、技術的難易度が高く短納期が要求される高付加価値受注に集中し、海外工場は、廉価で比較的長納期の金型を中心に生産する拠点を目指すという、企業内での国際分業体制の確立が可能となる。④今回の取り組みで修得した改善に対する基本的な考え方や経験、作成した改善ツール等を十分に活かして、これからは、自律的な改善活動を続けることが必要である。経営者のことば 今回は、いきなり新情報システムの導入に取り組むのではなく、収益性改善のための多くの取り組みを実践指導していただいたのちに、その成果を活かすための新情報システムを導入するという二段階の支援を受けることができました。国内外に5つの生産拠点を持つ当社にとっては、各工場の情報交換を密にし、工場間で戦力交換ができる仕組みをもつことが大きな課題でした。まず、受注から納品までの一貫した新情報システムができたことで、工場ごとの戦力活用ができるものと思います。今後は、海外工場へも同じ仕組を展開することで世界規模での戦力交換が期待できます。将来的には、アジア以外の地域にも工場をつくる構想もあり、その際には大いに役立つ仕組みが作れたと思います。今回のような手厚い中小機構の支援に、たいへん感謝しています。代表取締役 渡邊 幸男会長生産拠点(ネットワーク)

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

page 39

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です