平成27年度 ハンズオン支援事例集(専門家派遣制度)
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38経営数値を社員が理解しやすい指標に置き換え、参画意識を高め、経営者と社員が一体となった管理により業績を回復 当事者からは、こうした経営管理について”目からウロコが剥がれた”との評価もあった。 これまで業績管理は月末に集計される試算表によるものであったが、上述の4マス管理表により、付加価値収入の最大化と経費予算によって利益が予測できる変動損益型管理に変更され、より要因系での管理が出来るようになった。さらに日次収益確認(日次利益管理)方法により、シンプルな指標が設定され、有効に活用されている。 次に重要な組織活動については、人的資源不足、業務の標準化不足などから、暫定的な機能分担的な組織を作り、業務フローに担当者を配置し、行動計画の実践担当者とした。 又、実践状況のCA(チェック・アクション)管理を担当する定例会を設定し、月次PDCAを回すことにした。 さらに、個別課題としては、経営計画の施策となる①顧客確保、配車の適正化による利益確保②安全運行の徹底③本社仙台への円滑移行と地域拠点の効率見直についての三つのプロジェクトを設置した。そして、一応の体制が整い、アドバイザーの支援を受けながら、定例会を通してのPDCAが実践され始めた。 これらの成果としては、経営管理のサイクルが回り、社員の経営参画の意義についての気づきが出はじめ、改革改善の成果が見え出した事があげられる。 さらに、3つのプロジェクトの活動では、計画に沿った活動から課題が見えてきた事、仙台移転の敷地、建設計画、資金などの目処がついた事、大阪、盛岡の拠点見直し廃止による合理化が出来た事などが上げられる。 こうして、約1年間の復興支援の結果、計画経営の基本的な準備が出来たが、体制的にはまだまだ不十分であり、仙台への拠点移転を機に専門家継続派遣事業に切り替え、支援を継続する事にした。<専門家継続派遣事業>(平成25年6月〜平成27年6月) この時点での課題認識としては、平成25年5月度決算では、売上高は731百万と震災前のレベルに戻ったが、経常利益の赤字解消には至っていないことと、さらなる改善活動による成果創出を必要としているが、改善成果が効率的に業績に反映されておらず見直しが必要ということであった。また、残されていた課題としては、体制強化のための人的なスキルの向上と適材配置、人事労務体制の構築があげられ、財務体質の強化では、債務超過解消、二重ローン対策などがあった。【第1ステージ】(平成25年6月〜平成26年5月) 第1ステージの一年間は、本社の仙台新拠点に移転後の新体制下での支援となった。支援は顕在化していた課題対策のアドバイスと進捗管理による、組織体制と経営管理システムの強化を支援の狙いとした。 当社は自車運送と傭車運送があり、この比率により利益が変化していた。売上げと経費の関係からは傭車便比率を増加させた方が有利に見えるが、社内で発生する“経費”を賄う為の付加価値収入の比率は自社便がはるかに上回ることが、配車計画を迷わせる原因となっていた。改善成果が反映できるのは自社便であるが、積載率を落とせばその効果は相殺されてしまうため、「自社便積載率を最大化した上で、傭車を使う必要がある」という利益構造の原則がある事に気づいていなかった。 そこで、この原則を日次管理に取り入れ利益管理が実施されるようになった。 経営管理面では、改称された月例業績検討会が毎月定期で開催され、行動計画に基づく施策の進捗や収益性が確認され、ブレない経営が具現化、社員の自主性の向上も顕著となり、PDCAの本格実践が行われるようになった。 これらにより、業績的には増収増益、黒字化の達成が予測できる状況まで改善された(決算では減価償却費を増やしたため若干の赤字計上となった)。又、二重ローンの金融機関買い取りも決まり、長中期の資金繰り計画も検討できる段階となり、支援成果に対する高い評価と満足を得ることが出来た。八重嶋 征夫 東北本部 プロジェクトマネージャー当社は、支援の定性的成果である“成長は売り上げの拡大、利益は付加価値の最大化、付加価値の取り込みは生産性の向上”と云う、継続的な利益確保と成長の基となる構図を会社組織として理解された。社長はじめ社員の皆様は、中期目標の達成に熱意を持って取り組んでおられ、早期での目標達成を期待いたします。

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