平成27年度 ハンズオン支援事例集(専門家派遣制度)
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26製造現場の改善を図りながら新商品を開発し、新しい事業分野を開拓 平面研削課 円筒研削課 組立1課 組立2課 組立3課)のリーダーによるプロジェクトチームを結成した。また、節目で社長に進捗状況と成果の報告を行い、目的意識の醸成とモチベーションの維持を図ることとした。支援内容と支援成果<専門家継続派遣事業①>(平成25年6月〜平成26年5月)「新商品開発の仕組みづくりと新商品開発支援」 当社の開発力を強化するためには、現状の設計・開発能力を活かしながら、新たなノウハウを導入することが効果的であると判断した。従って、改良という視点で既存商品の製品力の強化を行い、同時に新商品の開発も推進するスタイルをとり、当社に合った形で支援を進めた。併せて、プロジェクトメンバーを中心とした今後の開発体制についても、支援の中で出てきた課題を参考に検討を行った。 既存商品の改良・開発では、自社技術の特徴を抽出。それを分類・整理することで自社の強み・弱みを分析し自社技術の棚卸を実施した。また、既存商品であるトイレットペーパーカッターの市場性を把握し、対象とする市場を設定し、また、この商品の改良を含めた次期商品のコンセプトも検討した。その際は、対象市場の明確化と提供する便益を具体化し、開発プロセスの整理と技術部門の果たすべき役割を明らかにして、自社で推進できる体制づくりにも配慮した。 新商品開発については、案件の進捗管理の手法のアドバイス、管理すべき内容の具体化と計画−結果の対比方法の検討を行った。さらに、管理のためのテンプレートも作成し、開発の進捗確認と、結果に基づく計画の修正ができる仕組みを構築した。その結果、最終的に、開発する商品を特命開発商品であった「紙粉機」に絞ることとした。この機器は、紙を「切る」ことと「粉体にする」ことを一挙に行うことができるもので市場にはなく、開発できれば、建設関係から企業や家庭のシュレッダー市場など応用範囲が広いと判断したためである。 それを受けて、システムとしての仕様の落とし込みと各装置別の仕様設定、個別装置の設計の支援を実施し、システムとして運用上発生する可能性がある技術課題の抽出と解決方法の検討など、試作機開発に関する実践的なアドバイスを行った。 支援成果として、開発の進め方や実施体制が明確となり新商品開発の基盤ができ、また、紙粉機の試作装置が完成し、客先での試験運転を行ったことが挙げられる。さらに、支援終了後、2機完成品を販売。平成26年8月、社員4名の㈱Gマッシュという子会社を設立し、紙粉機の組立工場を建設した。ここに基幹装置のテストデータなどの収集・分析を行う研究部門も設け、事業推進体制を確立している。<専門家継続派遣事業②>(平成25年6月〜平成26年5月)「製造現場の効率化と生産管理の仕組みづくり」 当社は、専門家等による現場の改善に着手したことがなく、慣習的な生産体制を継続していた。そこで、5S・3定(定位・定品・定量)による現場改善の基礎づくりからはじめ、現状調査、改善対象範囲を設定し、3ヶ月目に改善活動計画の社長承認を得て本格的改善活動に入った。そして、その活動では、生産の流れ化による生産期間の短縮と現場作業のムダ取りによる生産性の向上を推進した。 さらに、その過程では、小さな成功体験を繰り返すことで、メンバーの自主性が高まり、ネック工程の改善、段取り替えなど定量的な成果を創出するとともに、プロジェクトメンバーを中心に、現場リーダーの改善能力が向上した。 また、受注から生産・出荷までを一気通貫で管理する生産管理の仕組みづくりも推進し、標準時間の設定で工数計算に基づく生産計画・運用ができる仕組みづくりや数量・納期だけでなく原価も管理できる生産管理の仕組みづくりを行った。 その成果としては、①全製品の標準時間を設定し、工程別の基準日程が見直され、製造リードタイムが45日から29日に短縮できた。②ネック工程の作業改善により、生産性が130%に向上した。山崎 純一 四国本部 統括プロジェクトマネージャー受身型の経営姿勢であったが、新商品開発と現場の効率化に積極的に取組み、1年間で高い成果を生み出した。プロジェクトメンバーの前向きで誠実な取組み姿勢が成果に結びつき、次の課題に向かう善循環を生んでいる。この流れが定着し、社風となって当社の発展の礎となることを期待している。

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