平成27年度 ハンズオン支援事例集(専門家派遣制度)
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19蔵前産業株式会社が、デザイン性や話題性が付加できれば単価300円までは受容範囲であった。⑤金型費用:小ロットの場合は新規製作費用を商品コストに反映させることは難しい。別途償却すると負担増になるといった意見が大勢を占めた。どの業界でも提案側の負担が一般的であった。2.贈答用パッケージの現状把握①ノベルティグッズやお土産の分野 シーズン需要やイベント需要が定期的に発生するので、デザイン性や話題性のある提案をすることで絞り布容器の価値を提供できることがわかった。②高級和菓子の分野 パッケージはあくまで中身を護る脇役として主張しすぎないことが求められた。③お菓子の量販分野 価格競争のためパッケージへの予算はできるだけ少なくする傾向にあった。④和装小物の分野 中身のグレードに合った体裁のパッケージにする必要があった。結婚式といった慶事用では、式場へ納める業者がパッケージ選定をしていることがわかった。3.絞り布容器の受容性の検証①ギフト・お土産・ノベルティの分野 話題性喚起のニーズが確認された。②贈答用和菓子や慶事用分野 中身のこだわり表現(織物による素材、質感、希少性等)、中身の立体表現、贈答用に相応しい高級表現、地元の伝統表現が求められるニーズは明確には確認できなかった。 以上のように、自社ではなかなか実現できなかったことを現場で体験でき、今後の製品改良や営業展開に貴重な情報を得ることができた。今後の課題 フィードバック報告会で、取り組むべき新たな課題を明確にし、対応策を提言した。①絞り布容器の展開分野の絞り込み ギフト・お土産・ノベルティ分野へ集中展開が有効である。この分野は紙うつわの企画から量産までの一貫体制を所有している当社の強みを発揮できる。アイディアは今回の活動で関係のできたノベルティ企画会社等から得ることで実現性が高い。高級路線よりも「本格の香り」がするカジュアル性を重視することがベターである。 小ロットないしスポット需要(約3,000〜10,000個)に柔軟に対応するため、パッケージの基本形を数種類用意し、金型の共有化で顧客のコスト負担を抑える。違いを出すため織物、フェルト、和紙などの素材を替えることで多様な印象を与える工夫をする。②絞り布容器商品の品質向上 かみ合わせや縁取りの処理については、紙の厚さや材質を変えることで改善する。隙間のないしっかりしたかみ合わせとなめらかな縁取りを実現し、あわせて強度も高める。③協業体制の構築 絞り布容器の用途開発には、パッケージ利用が不可欠なノベルティ業界、お土産業界、販促業界の企業と協業することが受注獲得と認知を高めるうえで重要である。特に女性の視点を取り入れ、ノベルティ要素の強いプロモーションプロジェクトと連携できると高い効果を得られると考えられる。食品関連のお土産品については中身の調達にリスクが伴うので、参入には慎重な対応が求められる。 約10か月にわたり、主体的に活動されたExplo事業部長から、次のような感想をいただいた。「自社の商品を買っていただくために、何をしなければならないかを徹底的に学ばせていただきました。実は、今回の支援を通じて結実した成果がもうひとつあります。それは、当社のパッケージ事業に「紙うつわ くらまえ」という屋号ができたことです。ギフト・お土産・ノベルティ分野で商品をアピールしていくにあたり、蔵前産業では商品イメージとつながりにくいので、ブランドロゴも制作しました。ホームページも立ち上がりました。今回の経験がなければ、こうした発想は生まれなかったでしょう。アプローチした企業からいただいたアイディアをもとに、正方形や長方形といった新しい形状にもチャレンジしています。今後はこの新ブランドで、魅力的な商品を開発していきたいと思います」。 最後に今回の支援事業で関係構築のできたアプローチ先に継続的な営業活動を推進していくことをお願いした。明らかになった課題へ対応していくために社内体制を整えていくことも確認した。まずは成功事例をつくることに注力し、積極的な他社への横展開を図っていくことで事業のさらなる発展を期待したい。経営者のことば 中小機構の皆様には販路開拓コーディネート事業を通じて大変お世話になり、感謝いたしております。ブラッシュアップシートを作成することで、新しい商品である「絞り布容器」のターゲットが明確となり、さらに普段我々だけでは訪問することができない企業様へアプローチして、様々な貴重なご意見やアドバイスを頂くことができました。今後、紙うつわ事業の発展に努力してまいりますので、ご指導の程よろしくお願いいたします。代表取締役 松下 信一社長

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