平成27年度 ハンズオン支援事例集(専門家派遣制度)
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16地域資源と融合した“絞り布容器”の市場開拓にチャレンジ 群馬県の地域資源である桐生織と当社の独自技術を融合させた「絞り布容器」は、これまでにないパッケージの可能性を追求した商品である。4名の販路開拓コーディネーターと同行訪問した企業から、今後の市場展開に向けた有用な評価の収集、商品改良等についての情報を得、新たな課題についても探索できた。絞り布容器の導入促進となる資料作成づくりのノウハウ蓄積が図られたことも大きな成果であった。地域産業資源活用事業と販路開拓コーディネート事業を組み合わせ、より効果的に課題解決を図った事例である。企業概要 当社は、昭和44年に東京都日本橋で、現会長によって設立された。昭和49年3月に群馬県前橋市に本社を移転し、その後、前橋東部工業団地に会社を構えている。金属加工から出発し、現在では医療機器部品の製造が当社の主力事業となっている。平成12年12月から松下信一氏が社長に就任している。 紙製絞り成形容器への進出は、バブル崩壊後からの経済環境の変化への対応がきっかけであった。大企業の生産拠点の海外移転が進行するなか、得意とする白物家電のプレス金型産業も空洞化が始まり、当然ながら当社にも金型製作の受注量減少という悪影響が及んだ。そんな折、ある紙容器メーカーから当時はまだ国内になかった紙容器向けの金型製作の依頼が舞い込んだ。しかし、対象物が紙ゆえに壊れにくく再注文は期待できなかった。 そこで金型を販売するのではなく、金属加工で培ったノウハウを紙加工に活かし、独自で紙パッケージづくりに転換することを決断したのであった。 当社が着目したのは1枚の紙から立体形状に仕上げる“深絞り”という技術である。紙は性質上、金属と違って伸びないため1回のプレスで深い絞り加工することは難しいが、他社ではできない70㎜の深さを実現している。長年蓄積してきた当社の金型技術や成形技術があってこそ可能になったといえる。平成21年度に「ものづくり中小企業製品開発等支援補助金」で開発した紙容器専用成形機の完成で量産体制が確立できた。これによる紙容器の企画から量産までの一貫体制を所有していることも当社の強みである。 表面に印刷したり、布を貼ったりすることでバラエティに富んだ、ユニークな紙容器を提供できる。これによってできる紙容器の用途は多様である。形状や強度を変え、耐熱性を加えたり、滅菌処理したりすることで、加熱できる弁当容器や医療現場でステンレストレイの替りとして使われている。新事業展開型地域資源と融合した“絞り布容器”の市場開拓にチャレンジ当社の独自技術を活かしたユニークな紙容器は、桐生織と融合させることで多彩な表現を可能とした。新たな市場開拓にチャレンジし、ギフト・お土産・ノベルティ市場分野で、話題性喚起のニーズが確認された。関東本部 販路開拓プロジェクトマネージャー 田川 幸平企業名 蔵前産業株式会社業 種 医療機器、半導体装置、自動車関連装置等の部品製造・販売本社所在地 群馬県前橋市上大島町176-44資本金 48百万円設 立 昭和44年1月売上高 412百万円(平成26年12月期)従業員 24人蔵前産業株式会社多彩なデザインが可能な紙うつわ本社・工場

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